OFF-JTを上手に運用するポイント! 教育効果を高める3つのコツ

一口にOFF-JTと言っても実際にはさまざまな手法があるため、運用する際には「教育効果を高めるポイント」を押さえなくてはならない。そこで次からは、OFF-JTの運用時に意識しておきたい3つのコツをまとめた。

1.受講者同士がコミュニケーションを取れるような環境を整える

OFF-JTを実施すると、部署や支店にかかわらず多くの従業員(受講者)同士がコミュニケーションを取れるようになる。部署や支店をこえたコミュニケーションは、良い意味で切磋琢磨や情報交換を促すため、受講者同士が交流できる場は積極的に提供すべきだ。

集団でOFF-JTを実施する場合は別々の日程・場所ではなく、すべての受講者を同じ環境で参加させることが望ましい。また、受講後に情報共有ができるような環境を提供すると、学習効果をさらに高められるだろう。

2.OJTでは習得できない知識・スキルを学習できる場として考える

OJTで習得した知識・スキルをOFF-JTで復習させても、大きな教育効果は得られにくい。OJTとOFF-JTとでは、そもそも習得に適した知識・スキルが異なるので、それぞれを補い合うような形で教育体制を整えることが重要だ。

例えば、OJTではより実務に近いスキルを習得させて、OFF-JTでは業務に対する考え方や意義を学ばせる。このような方法であれば、短期間でさまざまな知識・スキルを習得させられるので、人材教育の効率をぐっと高められる。

3.受講者のサポート担当者を配置する

一人ひとりに指導者が常につくOJTとは違い、OFF-JTでは生じた疑問をすぐに解決することが難しい場合もある。また、特にオンライン形式の研修では、機材やネット回線などのトラブルも起こり得るので、知識・スキルをよりスムーズに習得できる環境を整えることが重要だ。

そこでぜひ取り組んでおきたいことが、受講者をサポートする担当者の配置。学習を手厚くサポートする担当者がいれば、仮に経験の少ない新入社員であっても知識・スキルの習得に集中しやすくなる。

企業研修において不測の事態が起こるケースは決して珍しくないので、OFF-JTの実施前には受講者のサポート環境をしっかりと整えておこう。

企業によってはSDの活用も重要に

企業が人材教育をする手段としては、ほかにも「SD(Self Development)」と呼ばれるものがある。これはいわゆる「社外での自己啓発」のことであり、具体的には社外のセミナーに参加したり、ビジネス書で知識をつけたりする方法を指す。

企業がSDを実施する最大のメリットは、研修内容や予算の自由度が高い点だ。また、従業員自身が利用するもの(イベントや書籍など)を選ぶ形なので、優秀な人材は有益なスキルを次々と身につけていく。

ただし、SDには強制力がないため、従業員によっては途中でモチベーションを失ってしまうことがある。そのほか、受講者同士で情報共有をする機会が少ない点も、事前に押さえておきたいデメリットだろう。

SDによって効率的に人材教育を進めるには、従業員に対して学習の方向性を示してあげることが重要だ。方向性がわかれば、参加すべきイベントや読むべき資料などが分かりやすくなるため、多くの従業員は迷うことなく学習を進められるようになる。