LINE傘下のLINE Plusは9日、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)に特化したプラットフォーム「LINE Financial Blockchain」を発表した。

LINE
(画像=月刊暗号資産)

LINE Plusによると、LINE Financial Blockchainはカスタマイズ性が高く、各国の規制要件に合わせてケースバイケースな調整が可能だという。また独自の技術により、CBDCに必要な決済完了性(ファイナリティ)を保証し、高速かつ多くの決済を処理することができる拡張性を提供すると説明している。

なお今回、LINE PlusはLINE Financial Blockchainの開発ソースコードをオープンソースとして公開したほか、CBDCに関する説明や世界各国の情勢についての解説ページを掲載した。

LINEの海外マーケティングなどを行うLINE Plusは今年5月、DX関連事業などを行う米NuriFlexと、CBDCに関するプラットフォーム事業について協業する覚書(MoU)を交わした。両者はMoUを交わした際、中南米やアフリカ地域においてCBDCのプラットフォーム事業を展開すると説明している。

今回のLINE Plusによる発表は、その一環であるものとみられる。

現在、CBDCを取り巻く環境は加速度的に変化している。特に新型コロナウイルスの感染拡大以降は世界的にCBDCの議論が行われており、正式な発行にむけた実証実験などが行われている。

すでにバハマの「サンドダラー」やカンボジアの「バコン」などといったCBDCが発行されているが、なかでも開発が佳境に入った中国のデジタル人民元は各国から注目を浴びている存在だ。

日本においても今年4月からCBDCの実証実験が開始されており、そのフェーズ1は2022年の3月まで行われる予定だ。

各国がCBDCに関する活発な動きを見せているが、LINE Plusが拠点を置く韓国も例外ではない。

韓国では2020年からCBDCに関する動きが加速しており、同4月には2021年中の実証実験開始を明言していた。その後、同10月に実証実験に向けた準備が最終段階であることが判明。今年5月には企業パートナーを募集するなど、実証実験はいつ始まってもおかしくない。

なお、韓国は積極的な動きを見せているものの、具体的なCBDC発行については計画しておらず、あくまでも「実現可能性を確認するだけだ」との姿勢を示している。(提供:月刊暗号資産