先月、新車で購入してから早15年が経過し、走行距離も13万キロを優に超えたSUVの車検をいつものディーラーにお願いした。暫くするとそのディーラーから連絡があり、整備工場内で高々とリフトアップされた愛車を下から見上げられるところに案内された。そして整備担当のメカニックから「全部点検確認した結果、車検を通すにはどうしても大きな修理を2カ所、やらなければなりません。でもまだドライバーが自覚する症状は出ていないところなので、一緒に目視確認をして頂こうと思ってご足労頂きました」と言われた。元より子供の頃からクルマが大好きで、簡単なことなら何でもDIYで対応してしまうぐらいなので、愛車の下回りをリフトの下から専門家の解説付きで覗き込める機会はディズニーランドのアトラクションより興奮ものだった。メカニックが懐中電灯で問題個所を照らしながら、身振り手振りを交えて、車検を通すためにはどうしても対応しなければならないところ、できれば交換したほうが良いところ、次回の点検時には対応する必要が出る可能性があるところなど、事細かに解説してくれた。

車検を通すための二つの問題個所とは、ラジエターからのクーラント(冷却水)漏れ、そしてトランスファー・ケースのオイル漏れだった。今後それがどういうトラブルに結びつくかの説明はさすが専門家、非常に分かり易く、知らなかった関連知識まで得ることができた。結論としては、前者はラジエター交換、後者はオイルシールの交換ということになる。

前者はラジエターのアッセンブリー交換なので、パーツ一式が6万7947円で技術料は1万8370円、妥当な感じだ。だが、後者は交換パーツのオイルシール自体は僅か253円にもかかわらず、技術料は何と3万9160円とかなり高く見える。実は四輪駆動ということあり、このオイルシールに充分手が届くように正しく作業をするとなると、エンジン下、前輪機構関係を相当に分解しなければならないので、かなりな重整備になるからだ。素人目にも覗かせて貰えば充分理解できるものである。結局納得して全ての作業を依頼した。

ビジネスである以上、対価が無料のサービスなどない

投資信託,手数料
(画像=freeangle / pixta, ZUU online)

さて、なぜこのような話を冒頭でさせて貰ったかというと、前回もお伝えした通り、投資信託と賢く付き合うためには、何よりも「ご自身で納得すること」を大切にして貰い、そのために「分かり易さ」を求めて欲しいと考えるからだ。投資のベテランの中には、敢えて必要な資金規模的にも、スキームの複雑さからも自分ではできない運用形態の特殊な投資信託を求める方も居るが、一般的には投資信託の購買層は投資については経験が浅い人が多い。だからこそ、自己責任を全うするためにも、賢く投資信託と付き合うならば納得がいく、分かり易いものを選んで欲しいと思っている。

「分かり易さ」という面では、その投資信託の運用スキーム、運用方法、運用実態と運用経過などの開示内容などが話題の中心になり易いが、投資信託の手数料については如何だろうか。つまり投資信託を購入すると支払うこととなる手数料の内容と多寡について、クルマの整備費用のように充分に理解されているのだろうか。