26日の暗号資産(仮想通貨)市場は大幅反発を見せた。ビットコインは前日比10%超の上昇率を見せ、一時430万円を突破。ビットコイン価格が400万円台に復帰したのは先月30日以来となる(CoinMarketCap参照)。
記事執筆時点では420万円ほどを推移しており、依然として上値を伺っている状況だ。
Amazonがビットコインをはじめとした複数の暗号資産を決済手段として導入する準備を進めていることが明らかになり、これが価格を押し上げた要因になったと言える。また、NYダウが史上初となる3万5000ドルを突破し過去最高を記録するなど、ハイテク株を中心にリスクオンの流れが強まったことも背景にありそうだ。
この1ヶ月ほどの暗号資産市場は、引き続き中国における規制強化の影響を受けたほか、米国の規制当局によるステーブルコインに対する懸念が強まったこともあり、軟調な推移が続いていた。
20日には米ニュージャージー州の証券局が暗号資産連ディングを行うBlockFiに対し、サービス提供停止を命じたことが明らかになったことで価格はさらに下落。一時320万円台を下回る勢いを見せるなど、ネガティブなイメージが強まったと言える。
しかし、22日にTwitterのCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏と米テスラCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏が共演するビットコインのイベント「The ₿ Word」を控えていたこともあり、日本時間21日午後頃から暗号資産市場は上昇に転じた。
ドーシー氏およびマスク氏から共に前向きな発言があったことも要因となり、22日には350万円台にまでビットコインは価格を戻している。
その後、米株式市場の動向も後押しした形で、ビットコイン価格は緩やかに上昇。380万円台前後で揉み合っていたが、26日になり大幅に反発した格好だ。
今後直近では、先月以来となる大台の4万ドル(約441万円)の突破がターゲットとなるだろう。
規制に関するネガティブ要因が点在する一方で、新型コロナウイルスの感染状況などを鑑みると早期のテーパリング(量的金融緩和の縮小)実施の可能性は後退しつつある。こういった背景をもとにリスクオンの流れが再び強まりつつあることから、暗号資産市場においても追い風となる可能性が考えられるだろう。(提供:月刊暗号資産)