人口の減少は日本の全国的な問題ですが、大都市圏と比べて地方はその傾向が特に顕著です。そのため、地方では地元で不動産投資をすることへの魅力が薄れていると感じる人は多いでしょう。そこで地方に住みながら東京など大都市圏に不動産を所有し、家賃収入を得るビジネスモデルを検討する人が増えても不思議なことではありません。

果たして、地方に住みながら大都市圏での不動産投資に活路を見出すことは現実的に可能なのでしょうか。結論から申し上げますと、それは十分可能です。

そこで今回は、地方から大都市圏に向けて遠隔地からの不動産投資を始め、成功するために必要なポイントを3つに整理して解説します。

地方に住んでいる人も都心で不動産投資ができる時代

地方に住みながら都心の不動産投資で成功する3つのポイント
(画像=7maru/stock.adobe.com)

不動産投資には土地勘もある程度必要になるので、生まれ育った街や土地勘のある街でやるものというのが半ば常識のように語られてきた感がありますが、それは過去の話です。今ではネットの発達や管理の委託など、さまざまな仕組みが整備されており、遠隔地からでも不動産投資を成功させることは十分可能です。

それなら人口減少が顕著な地方ではなく大都市圏に目を向けて、遠隔地から不動産投資をすることで、安定的な利益を狙った方が確実に高いのではないかと考えられます。

ネットで物件を検索し、目を付けた物件を取り扱っている不動産会社とオンラインや電話などでやり取りをして、最終的な購入時の重要事項説明についてもIT重説を活用するなど、極端にいえば地方にいながらにして不動産の購入から賃貸経営のスタートまでを完結することも可能な時代です。

そして購入後の物件管理は管理会社に委託すれば、現地にほとんど行くことなく物件を維持していくこともできます。

これらの仕組みは遠隔地からの不動産投資を直接のターゲットにしているわけではありませんが、大半の業務を外注化できる不動産投資のメリットをそのまま応用することができます。

地方に住みながら都心で不動産投資をするメリットとデメリット

それでは、地方に住みながら大都市圏の都心で不動産投資をするメリットを見てみましょう。主に4つのメリットがあります。

物件選びの選択肢が大きく広がる

地元だけだと物件選びの選択肢が限られてしまいますし、特に人口減少が著しい地方では優良物件の選択肢はさらに狭くなってしまいます。そこから飛び出して大都市圏に目を向けると、物件選びの選択肢は大きく広がります。

地元で活路を見出せなくても不動産投資の恩恵を享受できる

「不動産投資は土地勘のある地元でやるもの」というのは昔話になりつつあるので、今では地元に活路を見出せなくても大都市圏に目を向ければ、不動産投資の恩恵を享受できる可能性が十分にあります。都会の不動産投資は今や、その地元の人だけの特権ではないということです。

大都市なら安定的な賃料収入や資産価値の維持などが可能

安定的な賃料収入と資産価値の維持は不動産投資で重要な2大ポイントです。大都市圏であればこの2大ポイントを満たせる物件が豊富にあるので、地方の人が不利になることはありません。

すでに地元で不動産投資をしているのであればリスク分散になる

4つめのメリットは、実は地方の不動産投資家特有のものです。すでに地元で不動産投資をしている人が都会に目を向けて投資の規模を拡大していくことをお考えなのであれば、それはリスク分散効果につながります。大都市圏の不動産といっても万能ではありませんし、自然災害によって局地的な被害が発生するリスクを考えると、遠隔地に物件を所有していることがリスク分散になります。

それでは次に、遠隔地からの不動産投資で考えられるデメリットについても見てみましょう。デメリットは主に3つあります。

自主管理はほぼ不可能

地元で自分の行動範囲にある物件であれば、自主管理も視野に入れることができます。ただし遠隔地の場合、それが実質的に不可能です。そのため管理会社への委託が必須となり、管理委託費が発生します。管理費の相場は家賃の5%が目安といわれているため、自主管理では発生しないコストとして計算に入れておく必要があります。

土地勘がないために物件選びの精度が落ちる

当記事では冒頭から不動産投資と土地勘の関係について述べてきました。ネットやさまざまな仕組みの普及によってそれが昔話になっているとはいえ、依然として土地勘が不動産投資家にとっての優位性であることは変わりません。

もちろん土地勘がなくても優秀な不動産会社がパートナーについていれば土地勘も含めて任せることができますが、そうでなければ自力だけで土地勘のないところで不動産を選ぶのはどうしても精度が落ちてしまいます。

現在の風景や街の様子を見てもそれほど問題があるように見えなくても、昔はそこがあまりよい地域ではなかったといったように、地元の人ならではの知識はあるものです。こうした知識を活用できないのは、遠隔地からの不動産投資ではハンディになるかもしれません。

何かあった時にすぐ駆けつけることができない

今どきの不動産投資は管理会社に一任していることが多いので、仮に物件で何か起きたとしてもオーナーが初動対応をすることはほとんどありません。しかし、万が一管理会社であっても対応しきれないような事態が起きたとしても、遠隔地だとすぐに駆けつけることはできません。

遠隔地の不動産投資を成功させる3つのポイント

ここまでの解説を踏まえて、遠隔地からの不動産投資(特に地方から大都市圏の不動産に投資する)を成功させる3つのポイントを整理しましょう。

遠隔地だと管理会社選びがより重要になる

以前であれば自主管理をするオーナーが多かったため、遠隔地からの不動産投資は実質的にとてもハードルが高かったのですが、今ではリスク軽減の意味も込めて管理会社に一任するのが一般的です。そのため自主管理ができないことはあまりデメリットとはならないでしょう。

むしろ重要になるのが、不動産の管理を一任する管理会社選びです。遠隔地からだと頻繁に物件の確認ができないため、安心して任せられる管理会社であることが一層重要になります。

信頼できる不動産投資会社を見つけることがとても重要

土地勘がないことは遠隔地からの不動産投資ではハンディになる可能性があると述べました。それを補う存在が、不動産投資に強いパートナーです。不動産投資会社は自社で取り扱っている物件だけでなく、その物件の周辺環境にも精通しています。その知見やノウハウをいかに提供してくれるか、そこが不動産投資会社のパートナーとしての価値なので、「どの物件を買うか」と同様に「どの不動産会社から買うか」も重視しましょう。

可能な限り業務を外注化する

ほとんどの業務を外注化できるのは、不動産投資が他のビジネスと大きく異なる点です。これは遠隔地に住んでいるオーナーにとっても大きなメリットなので、不動産投資に関連する業務は可能な限り外注化しましょう。もちろん、その外注先も信頼できるパートナーであることが重要なので、最初の段階でしっかりと精査したいところです。

極端な言い方をすれば、物件選びと購入のための資金調達、そして最後に物件の売却をするといったように、不動産投資の重大な局面以外はすべてオーナーでなくても代行が可能です。この形であれば地方のオーナーであってもハンディを背負うことなく大都市圏に物件を所有し、安定的な不動産経営を行うことができます。

(提供:Incomepress



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