クレジットカードを所有するには、申込時の審査に通ることが必要だ。審査基準は、クレジットカードの発行会社によって異なり、厳しめのところもあれば甘めのところもある。「できれば審査が甘い会社で申し込みしたい」と考える人も多いのではないだろうか。

この記事では、クレジットカードにおける審査の難易度の違いや審査が甘いといわれているカードを見分けるポイントについて説明する。

審査の甘いクレジットカードはあるのか?

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(画像=PIXTA)

どこでクレジットカードを申し込んでも審査があるのは同じだ。しかし審査の難易度は、どの会社も一様ではなく、カード会社やカードの種類によって異なる。

ただ審査の難易度は、一定の傾向があるのでポイントを押さえておこう。クレジットカードの発行会社は、大別すると5つの系列に分けられる(詳細は後述)。そのうち消費者金融系や流通系(百貨店・スーパーなど)の会社が発行しているカードは、比較的審査が甘めの傾向にある。

クレジットカードの審査の仕組みとは

まずは、クレジットカードの審査の仕組みについて再確認しておこう。

カード会社は審査のときに何を基準にしている?

そもそもクレジットカードは、料金を後払いする仕組みだ。審査は申込者の支払い能力をチェックするのが目的で、まずは申込者の属性情報を確認する。具体的には、以下のような内容を確認している。

・年齢
・職業(勤務先・雇用形態)
・勤続年数
・年収
・住居(持ち家か賃貸か)
・世帯状況(独身か家庭持ちか)

さらに審査において大切な基準となるのが申込者の信用情報だ。現在および過去数年間の取引履歴、他社でのクレジットカード利用状況、借入状況、支払状況などがチェックされる。

学生などは支払実績のみで審査

18歳以上であれば学生(高校生を除く)でもクレジットカードを作れるが、審査通過が必須なことは同様だ。学生は定期的な収入がないことが多く、一般的に利用履歴や支払い実績のみで審査される。過去に未払いなどがなければ、問題なく審査に通過するだろう。

ただしスマートフォン端末を割賦で購入している場合は注意が必要だ。スマートフォンを割賦で購入した場合、信用情報に登録されるからである。多くの携帯電話業者は、スマートフォンの割賦代金を電話料金と一緒に請求する。そのため携帯電話料金を延滞すれば、スマートフォンの割賦代金も滞納することとなり審査に大きく影響する可能性が高い。

クレジットカードの審査の流れ

クレジットカードの審査の一般的な手順は、主に以下の5つのステップで行われる。

1. 書類審査
氏名や住所、勤務先など申込時に記入・入力した項目を確認。

2.確認業務
確認業務は「本人確認」「申込意思の確認」「在籍確認」の3つ。申し込みは「間違いなく本人自身が行ったか」「申込書上の勤務先に間違いなく勤めているか」などが確認される。

3.取引履歴の確認
カード発行会社は、自社における申込者の取引履歴を確認。遅延履歴などがあると審査通過が難しくなる。

4.信用情報機関の利用
自社以外でも取引があるか(あったか)など、個人信用情報が確認される。信用情報機関を利用してクレジットカードやローンの利用・支払状況などの信用情報をチェックする。一般的に延滞などの支払い事故や債務整理などがなければ問題ない。しかし一度に複数社に申し込みをしている場合などは、信用を損ねる可能性もあるので注意が必要だ。

5.審査可否の決定
これまでの流れから総合的に判断して審査の可否を決定する。

こういう人はNG

基本的に審査不可となる基準は各社とも非公表だ。しかし審査落ちした人の特徴から考察すると、以下に該当する人は、クレジットカードの審査に通らない可能性がある。

・収入が安定していない
・年収が著しく低いまたは無職
・勤続年数が短い(入社後1年未満など)
・多重申し込みをしている
・延滞、滞納など事故情報がある
・借入金が年収の3分の1を超えているなど

クレジットカードの審査が甘い・厳しいは何で決まる?

クレジットカードの審査が甘いか厳しいかは、主に以下の2つの要素が影響する。

会社の系列によって

1つ目は、クレジットカードの発行元の系列だ。クレジットカードの発行会社は、大別すると以下の5系列に分けることができる。

・銀行系
・鉄道・交通系
・信販系
・流通系
・消費者金融系

一般的には、銀行系が最も審査が厳しく、流通系や消費者金融系のクレジットカードが最も緩い。ただし同系列内でも審査基準はカード発行会社によって異なる。あくまで各人の個人属性や信用情報が大切だ。

カードのランクが上がると厳しくなる

2つ目の要素は、クレジットカードのランクだ。一般的にクレジットカードは、「一般」「ゴールド」「プラチナ」「ブラック」などランクが設定されている。ランクが上がるほど利用枠が大きくなるが、利用分をきちんと支払えるだけの収入(金銭資産)が必要だ。

つまり年収や社会的地位、信用度など審査基準も高くなる。逆に言うと、ランクが下がるほど審査は緩くなる。つまり、一般カードが最も審査が甘いと言える。

審査の甘いクレジットカードを見分けるポイントとおすすめカード

審査が甘いといわれるクレジットカードを見分ける具体的なポイントを知っておこう。収入要件が記載されていないカードと即日発行できるカードだ。

消費者金融系

個人向けカードローンを多く扱う消費者金融系は、クレジットカードの審査も甘めだ。

・ライフカード
「ライフカード」は、ライフカード株式会社が発行するクレジットカードだ。18歳以上(高校生は除く)で電話連絡ができる人なら申し込める。一般カードは年会費無料で、海外旅行時の日本語サポートサービスや盗難・紛失時の損害保障サービスも受けられ、利用に応じて貯まるポイントも業界最高水準だ。

流通系

流通系クレジットカードは、主に百貨店や総合スーパーなどが発行元となる。自店での利用でポイント還元率や割引率を高くするなど集客を目的とするため、審査のハードルは低めだ。

・イオンカード
「イオンカード」は、イオンが発行するクレジットカードだ。年会費が無料で利用200円(税込)ごとに1ポイント貯まる。イオングループ対象店舗で利用すれば付与ポイントは2倍となり、毎月20日と30日はお客様感謝デーと称して買い物代金が5%オフとなる。申し込みから受け取りまで、スマートフォンで完結でき申込後最短5分で審査完了メールが届く。

スマートフォンのアプリでカード情報を受け取れば、すぐに買い物に利用できる。イオンをよく利用する人におすすめの1枚だ。

・セゾンカードインターナショナル
クレディセゾンが発行する「セゾンカードインターナショナル」は、入会金・年会費が無料で、1,000円の利用で永久不滅ポイントが1ポイント付与される。Webで申し込めば最短即日で全国のセゾンカウンターで受け取れ、デジタルカードを選べば最短5分で発行される。なおカード上には、カード番号やセキュリティコードが記載されておらず、不正利用やスキミングが心配な人も安心だ。

・楽天カード
「楽天カード」は、国内在住の18歳以上(高校生以外)の人なら申し込みできる。カード発行は「お申し込み受付のお知らせ」メールが届いてから1週間~10日前後と他の流通系に比べると遅めだ。利用額100円につき1ポイントを基本に、楽天での買い物なら最大3倍のポイントが貯まるため、楽天ユーザーにはおすすめ。年会費は無料。

信販系

信販会社は、割賦販売法に基づき消費者と加盟店(販売店)の間に入って代金を立替払いすることで消費取引をサポートする会社で、クレジットカード発行会社の元祖と言える。

・Orico Card THE POINT
「Orico Card THE POINT」は、オリコが発行するクレジットカードだ。年会費無料かつ高還元率が魅力で、ポイントは最初の6ヵ月は1%、以後は還元率が2%にアップする。クレジットカードに電子マネーのiDとQUICPayをダブルで搭載でき、少額の買い物にも使いやすい。

年会費無料

紹介した以外にも年会費無料のカードはたくさんある。いくつかおすすめを紹介しよう。

・dカード
「dカード」は、ドコモが発行するクレジットカードでドコモユーザーにはメリットが多い。買い物などの利用では1%、毎月のドコモのケータイ、ドコモ光の利用料金1,000円(税抜)ごとに10%のポイントが付与される。申し込みから最短5分と審査も速い。

・auPAYカード
auユーザーなら「au PAYカード」がおすすめだ。カード利用でPontaポイントが1% 還元され、auPAYと併用すれば還元率が1.5%に上がる。海外旅行保険や買い物保険も付与されているので万一のリスクにも安心だ。

・JCB CARD W
「JCB CARD W」は、申込年齢が18~39歳(高校生を除く)に限定されているクレジットカードだ。39歳までに申し込めば、その後も年会費はかからない。本人または配偶者に安定継続収入があれば主婦や学生でも申し込める。

・リクルートカード
「リクルートカード」は、利用時の還元率が1.2%、じゃらんなどリクルートのポイント参画サービスを利用すれば還元率が3.2%と高いのが特徴。旅行などでの利用が多い人にはおすすめだ。申し込みにはリクルートID(無料)が必要となる。

・Amazon Mastercardクラシック
「Amazon Mastercardクラシック」は、初年度会費が無料。2年目以降は本来1,375円(税込)の年会費がかかるが、前年度に1回以上利用すれば翌年の年会費が無料になる。Amazonでの買い物に利用した際の還元率は、1.5%(プライム会員なら2%)と高いのも魅力だ。

・Yahoo!カード
「Yahoo!カード」は、オンラインで申し込みでき、審査は最短2分と速い。Tカードとしても利用できTポイントを貯めやすいことも特徴だ。PayPayに直接チャージできるため、PayPayユーザーにおすすめ。

審査の甘いクレジットカード番外編:アメックスなら

ステータスが高いイメージのあるアメックスの中で審査が甘いカードを紹介しよう。

セゾンパール・アメリカン・エキスプレス®・カード

クレディセゾンが発行するアメリカン・エキスプレス®・カード。通常、2年目以降は年会費が1,100円(税込)だが、前年度に1回以上利用すれば翌年の年会費が無料となる。申し込みから審査完了まで最短5分で、アプリの中にカード情報が表示され当日から利用できる。

審査の甘いクレジットカード番外編:無料で旅行保険が自動付帯

無料で旅行保険が自動付帯されるカードを紹介しよう。

エポスカード

「エポスカード」は、国内在住の18歳以上(高校生を除く)の人なら誰でも申し込みが可能だ。海外旅行保険が無料で自動付帯され、海外旅行中のケガや病気の治療などを補償してくれる。24時間いつでも日本語で対応し、さまざまなサービスを速やかに手配してくれるので海外旅行に持参したいカードだ。

まとめ

クレジットカードの審査基準は発行会社によって異なるが、審査の甘いカードには一定の傾向がある。収入や年齢などの面で審査に不安がある人も審査の甘いカードを見分けるポイントを知り、申し込むとよいだろう。