本記事は、はっしゃん氏の著書『普通の会社員でも10万円から始められる! はっしゃん式 成長株集中投資で3億円』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています
成長株の買いチャンス
ここからは実際に成長株への集中投資を始めますが、まずは投資先の絞り込み方について、改めて確認してみましょう。
●投資先の絞り込み方
投資先を絞り込む基準は、大きく分けて次の4つです。
(1)業績
過去の業績は、決算書1ページ目の分析で確認します。さらに、理論株価で業績に基づいた妥当な株価を調べ、将来性を測っていきます。
(2)成長シナリオ
将来性については、「成長シナリオ」をつくり、3年後2倍に成長しそうなものを選ぶのもおすすめです。将来性について甲乙つけがたい場合は、5年後・10年後に社会から必要とされそうなテーマを考えて選びましょう。
(3)自分の得意分野かどうか
自分の仕事や趣味など、得意分野につながる事業を行っている企業を選びます。興味の持てる分野のほうが分析や判断を行いやすくなります。
「得意分野がない」と思う方もいるかもしれませんが、得意分野は時間をかけてつくることもできます。集中投資で同じ銘柄にできるだけ長く投資し、時間を使ってスキルを磨くとよいでしょう。
(4)社長の能力や人柄はどうか
四季報や決算書には記載されていないものの、長期的に大きな影響があるのが人材です。
なかでも社長の手腕は企業価値の向上と直結します。どんな経歴をたどっているか、どんな人柄かを確認し、信頼に値するかを判断しましょう。社長本人のブログやSNSも、あれば参考になります。
最も信頼すべきは定量的に判断できる1の業績です。過去の実績を土台にしたうえで、(2)~(4)については同じくらいの優先度で考え、将来の成長性を判断しましょう。
●売買は決算期に行うのが合理的
次に、いつ成長株を買えばいいのか、売買のタイミングについて見ていきます。
成長株×集中投資法において、投資判断の基準は業績です。
しかし株価は、短期的には業績よりも需給で動きます。アメリカ大統領の発言一つで株価が乱高下している時期に業績ベースの投資をしても、思うような成果は得られません。
そこでおすすめなのが、売買のタイミングを決算期に絞ること。決算期には決算の内容をもとに値動きが起こり、業績と株価が連動しやすくなります。自分の業績予測が成功したかどうか、株価を見てわかるようになるわけです。
この時期の買い方としては、決算発表の直前に買う場合と、直後に買う場合の2通りがあります。
決算の直前に買う場合
決算発表の直前に買っておけば、好業績の場合は株価も上昇して利益になります。
もちろん、業績が芳しくなく損をする可能性もあり、リスクは高くなります。ただその場合も決算内容を見て「予想が外れた」とすぐわかるので、損切りの判断をしやすいはずです。
決算の直後に買う場合
自分の分析に自信がないときは、決算の発表後に買います。あらかじめ予想を立てておき、当たったかどうか、そしてその理由を考えておくことが大切です。
また、決算前に株価が上昇している場合は、好決算でも「出尽くし」で下げる場合もあり、このような場合も決算後がおすすめです。
●決算期以外の買いチャンス
原則として、買いチャンスは年4回の決算期。ほかの時期はノイズに振り回されやすくなるので、売買を推奨できません。しかし、例外もあります。
決算に準ずる判断材料が出たとき
一つは、次のようなインパクトのある材料が出てきた場合。
・上方修正など、決算に準じる情報が発表された ・月次情報が大きく動いた ・新規事業や他社との提携など、成長につながる変化があった(実態がないような提携も多いので注意) ・業界全体に大きな影響を及ぼす材料が出た ・四季報の業績予想が大きく変わった(ただし、自分でも業績を調べ直して判断する)
企業価値の変化が株価に織り込まれるタイミングであれば、値動きは決算期と近くなります。この場合は、売買を行っても構いません。
株価が新高値をブレイクしたとき
企業価値が向上した銘柄は、株価も大きく上昇し、新高値を更新するケースが多く見られます。そのため、株価が新高値を更新したタイミングで購入するのも手です。
逆に、決算や決算に準ずる材料が出たのに新高値の更新がなかったら、市場評価はそれほど高くないと判断できます。その場合は、次の決算まで様子見でもいいかもしれません。
ただし、新高値はあくまで目安です。新高値だけで判断せず、業績に関わる根拠を持ったうえで買うようにしましょう。
暴落バーゲンセール
最後にもう一つ、大きな買いチャンスがあります。
それは、リーマンショックやコロナショックのような、歴史的大暴落が発生したとき。
株式市場では、数年に1度の割合で大暴落が発生しています。大暴落が発生すると成長株を超割安に買うことができるので、余力があれば購入を検討してみましょう。
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