本記事は、はっしゃん氏の著書『普通の会社員でも10万円から始められる! はっしゃん式 成長株集中投資で3億円』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています

全銘柄の株価チャートを1時間で読む方法

四季報
(画像=taxi/PIXTA)

はじめに、投資先を探しましょう。成長株×集中投資法は少数の有望な銘柄に資金を集中させるので、銘柄選びが何より肝心です。

テンバガー候補を見逃さず、かつ適切な基準で選ぶ。そのために役立つのが、「会社四季報」(東洋経済新報社発行、以下「四季報」と表記)です。

●隠れた成長株を見つけよう

四季報は、年に4回、四半期決算発表の少し前に発売されます。

すべての上場企業の業績や財務状況、ここ数年の株価チャートなど、銘柄選びには欠かせないデータがぎっしり掲載される四季報。言わずと知れた、投資家必携の1冊ですね。

四季報を買ったとき、多くの方は自分が気にしている銘柄のページだけを確認しているのではないでしょうか。

でもそれでは、将来大化けする銘柄を素通りしている可能性があります。投資初心者が知っている銘柄は、一般に知名度が高く、すでに成長株となっているものがほとんどでしょう。

テンバガーになる銘柄は、聞いたこともない中小企業であることも珍しくありません。自分が知っている企業の中から見つけるのは難しいはずです。

そこでご紹介するのが、四季報の全銘柄を1時間で一気読みして隠れた成長株を見つけ出す「四季報速読」です。

「速読」と言っても、四季報の一部分を見ていくだけなので特別な練習は必要ありません。使用するものは次の通り。

・四季報の最新号
・付箋紙
・指サック(あれば)

用意できたでしょうか?

それでは、四季報速読で確認するポイントをご紹介します。

●株価チャートのチェックポイント

四季報を開いたら、証券コードが若いものから順番に見ていきます。

本書では、ページ上部の株価チャートと、各銘柄欄の左下にある業績の欄を中心に見ていきます(図1-1)。業績については後ほどご説明するとして、まずは株価チャートを確認しましょう。

1-1
(画像=『普通の会社員でも10万円から始められる! はっしゃん式 成長株集中投資で3億円』より)

株価チャートで見るのは、次の3つの条件すべてに当てはまるかどうか。

(1)株価が右肩上がり

株価チャートには「右肩上がり」「右肩下がり」「横ばい」などのパターンがありますが、そのうち「右肩上がり」を選びます。成長株の多くは、時間の経過とともに株価が上昇していくからです。

(2)陽線が多い

チャートの中には、「ローソク足」と呼ばれる白い棒(陽線)と黒い棒(陰線)があります。陽線が多いということは、株価が上昇傾向にあるということ。陽線が多い=白めのチャートかどうかをチェックしましょう。

(3)半年以内に最高値を更新している

半年以内に株価が最高値になっていることは、銘柄が注目されている証拠です。ローソク足の下に書かれているのが最安値で、上に書かれているのが最高値。期間中の株価チャートで、半年以内に最高値がある銘柄を選びましょう。

まとめると、右肩上がりで、白っぽく、右端の上のほうが一番高くなっている株価チャートならOK。視覚的にわかる内容なので、ひと目で合格・不合格の判定ができるはずです。

具体的な銘柄でチェックしてみましょう。

図1-2は、「業務スーパー」などを展開する神戸物産〈3038〉の株価チャートです。書籍のために私が作成したチャートではありますが、見るべきポイントは実際の四季報と変わりません。

1-2
(画像=『普通の会社員でも10万円から始められる! はっしゃん式 成長株集中投資で3億円』より)

まず(1)について、しっかり右肩上がりですね。(2)の陽線も多く、(3)の「半年以内に最高値」もクリア。株価は好調と見なせます。

なお、3つのうち最も重要な条件が(1)の「株価が右肩上がり」です。右肩上がりではないときは、経営が順調でなかったり、株価が上昇しすぎて頭打ちになっていたりと、長期的な課題があります。すぐに改善されるとは考えにくいので、付箋は貼りません。

●四季報速読は機械的に進める

(1)~(3)を満たす銘柄を見つけたら、どの企業を選んだか見直せるように付箋を貼ります。

付箋は、あらかじめ20枚程度を机に貼っておくことをおすすめします。気になる銘柄を見つけるたびに付箋を束から剥がしていると、余分な時間がかかってしまうからです。

また、付箋を貼る位置を決めておくのも効率的です。邪魔にならず、かつ貼る位置が企業ごとにバラバラにならないような場所を選びましょう。

私の場合、見開きの右ページでは企業名の下あたりに、左ページでは「資本異動」という項目のあたりに貼るようにしています。

株価チャート上の企業名は、できるだけ見ないことをおすすめします。企業名で先入観を持って選ぶのではなく、純粋にチャートの形で選びましょう。

さっとチャートを見てパッと付箋を貼り、どんどんページをめくっていく。このリズムで、機械的にピックアップを進めていきましょう。

慣れてくると、見開きに載っている4社ぶんの株価チャートを0.5秒でチェックできるようになります。すると、全銘柄のチェックは1時間もかからず、40分程度で読み終えることも可能になるでしょう。

普通の会社員でも10万円から始められる! はっしゃん式 成長株集中投資で3億円
はっしゃん
エンジニア投資家。持株会をきっかけに株式投資を始め、30代のうちに月次情報投資で資産1億円を達成。3億円達成を機にサラリーマンを退職し、独立起業。リーマンショックや東日本大震災で資産を減らすこともあったが、そのたびに理論株価・決算分析・四季報速読といったユニークな投資法を生み出す。Twitterフォロワー数3.5万人。手がけたブログや「成長株Watch」「月次Web」「理論株価Web」といった監修サイトは、数多くの個人投資家から愛用されている。近年は、投資家Vtuberとしても活躍の場を広げている。

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