利益供与におけるコンプライアンスの問題

企業にコンプライアンスを求める意識は、大衆の間にも広がっている。利益供与がバッシングの対象にならないよう、交際範囲や、企業関係者のニュースには十分な注意が必要である。

不祥事を起こした企業・個人との取引の見直し

企業や著名人に不祥事があると、それらを起用する企業において、商品のイメージダウンにつながったり、場合によっては批判の対象になったりとダメージを受けることがある。

取引先の企業や、広告などに起用していた芸能人などにこうした問題があった場合は、自社のコンプライアンスに則り、取引きの見直しをすることが求められる。

反社会的勢力への利益供与の禁止

反社会的勢力への交際もまた、コンプライアンスにおいて問題がある。特に『暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律』では、事業者に対して、暴力団員に不当な利益を得させることがないよう努めなければならないことを求めている。

特に、規制対象者に対して、その暴力的な行為の対償にあたる「利益供与(規制対象者に金品その他財産上の利益を与えること)」は、条例で禁止されている。

参考:暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第32条の2(e-Gov法令検索)
   
東京都暴力団排除条例第24条(東京都例規集データベース)

条例違反となった利益供与の事例

条例違反となった利益供与の事例について、参考までに警視庁における近年のケースを紹介する。

・飲食店経営者が指定暴力団幹部に対し、「みかじめ料」を支払ったケース(令和4年6月)
・清掃事業者が、指定暴力団組長に人工代名目で利益供与をしたケース(令和3年12月)

(参考):警視庁:東京都暴力団排除条例適用事案

利益供与に関するトラブルを回避しよう!

株主の権利に関する利益供与は、会社法で懲役や罰金が定められているので加担してはならない。税法上においても、利益供与は経費の判断が複雑であり、課税のトラブルが生じる可能性がある。会社法や税務の観点から利益供与に関するルールを再確認してほしい。

文・中村太郎(税理士・税理士事務所所長)

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