「信じる者は救われる」という有名な言葉があるが、必ずしも「投資を信じて託した」結果は「救われる」とは限らない。残念ながらそれが「投資」という行為の本質だからだ。リスクを取った報酬として、うまく行けば相応のリターンが返ってくる可能性があるということ。ただ、必ずしもその成果は「努力」とは比例しない。
こう言ってしまうと元も子もないようにも思われるが、だからと言って「投資なんてギャンブルだ」と否定的に決めつけるのもナンセンスだ。少なくとも、投資を成功させるように確率を高める努力をすることは可能である。ビギナーズラックに似たことも起こり得るが、長きに亘って勝率を高めていくにはそれ相応の努力が必要だ。
元ファンドマネージャーも「呆れてものも言えない」
その意味において、「投資を信じて託する」金融商品である投資信託を購入するならば、今までに何度もお伝えしてきたように、販売員の見事に淀みないセールストークを丸ごと信じてしまったり、金融機関の看板(ブランド)を妄信してしまったりしてはいけない。やはりきちんと自ら商品内容を調べ、疑問に思う点こそ販売員に問い質し、仕組みを納得して購入すべきだろう。その時、大事なチェックポイントのひとつは「どんな時、どんな状況でなら投資収益が上がるのか」を見極めることだ。難しいことを言っているのではなく、例えば「日経平均が上昇したらチャンスがある」とか、「米国金利が低下したらチャンスがある」といったざっくりしたイメージだけでも充分だ。