ワンルームマンション経営は、初心者でも取り組みやすいことで知られています。そうしたなかで、高級ワンルームマンションの経営に注目が集まっていることをご存知でしょうか。一口に高級ワンルームマンションといっても多種多様で、物件の広さやハイグレードな設備、高層階の美しい景観など、その魅力はさまざまです。そこで本稿では、ワンルームマンションのなかでも高級ワンルームマンションにスポットをあて、賃貸経営の観点から成功イメージを描いてみたいと思います。
「ワンルーム」ではない「高級ワンルーム」の世界
高級ワンルームマンションは、普通のワンルームマンションと何が違うのでしょうか。特別な定義があるわけではありませんが、一般的に高級ワンルームマンションと呼ばれている物件には、以下のような特徴や共通点があります。
専有面積が広い
標準的なワンルームマンションであれば20平方メートルから25平方メートルの物件が大半ですが、高級ワンルームマンションになると30平方メートルを超えるような広さの物件も散見されます。なかには、ワンルームではなく2LDKの間取りでもそん色がないような広さの物件もあります。
ハイグレード
設備が標準的なワンルームマンションよりも上質で、高級志向の物件も高級ワンルームマンションに分類されます。使っている素材が上質であったり、猫足バスタブのように高級感のある浴室になっている、システムキッチンが装備されている物件など、その価値観もさまざまです。
高層階
タワーマンションの高層階など、景観が素晴らしいことを売りにしている高級ワンルームマンションもあります。高層階に住めば、晴れた朝は部屋に朝日が差し込み、青々とした空を見渡せ、夜は街の夜景を楽しむことができます。
駐車場付き
ワンルームマンションは若い単身者が住むことを想定している物件が多く、駐車場があまり求められません。しかし高級ワンルームマンションの場合は車を所有している入居者も想定されるため、駐車場付きの物件もあります。
高級ワンルームマンションを志向する人たち
こうした高級ワンルームマンションには、いったいどのような人が住んでいるのでしょうか。高級ワンルームマンションを志向する人、つまり賃貸オーナーにとっての顧客層となる人たちの特徴が挙げてみました。
- 高収入の単身者
- プライバシーを気にする人
- 不動産を購入するよりもグレードの高い賃貸を好む人
- 他の住人の「質」を問う人
プライバシーを気にする人のなかには、有名人や芸能人など私生活に立ち入られることを好まない人たちがいることが想定されます。マンションは集合住宅ですから、そうした人たちは他の住人の「質」にこだわりもします。そうなると必然的に高級ワンルームマンションを志向するようになるようです。
現在、未婚化・非婚化(主体的に結婚を選択しないこと)の進行によって単身者世帯が増えています。こうした方のなかには、人生において仕事の優先度が非常に高く、仕事のために利便性の高い住環境を求める傾向がある人も多く存在します。このような方が立地の良い高級ワンルームマンションを志向するようです。
マンション経営の観点から高級ワンルームを考える
現在静かに進行している高級ワンルームマンションのムーヴメントを、マンション経営の観点からはどう見るべきなのでしょうか。第一に考えられるのは、高級ワンルームマンションを志向する人たちは購買力が高いため、優良顧客になり得るということです。
近年ではマンションの入居に家賃保証会社をつけるのが一般的ですが、高級ワンルームマンションを志向する人たちは一部上場企業勤務、士業、医師など属性が高い人が多く、審査に通りやすい(つまり契約が成立しやすい)とも考えられます。
さらにコロナ禍など大きな社会問題が発生したときにも経済力の高さから収入を維持できる方が多く、退去や家賃滞納などに繋がりにくいというメリットもあります。
先ほども述べたように他の住人の「質」を求める人は本人も高い意識を持つ人であることが多いことから、住人としても優良な人である可能性が高いでしょう。
富裕層をターゲットにしたマーケティングが必要
ここに挙げたような人物像の人たちは賃貸オーナーにとって理想的な顧客層といえます。こうした高級ワンルームマンションを志向する人たちから支持される物件づくり、マーケティングの重要度は今後さらに高まるでしょう。
そのために、賃貸オーナーはどうするべきなのでしょうか。高級ワンルームマンション経営を実践するには2つの方法があります。
(1)既存のワンルームマンションをリフォームして高級化する
(2)最初からハイグレードのワンルームマンションを仕入れる
いずれにしても結果として高級ワンルームマンション支持者から好まれる物件であれば問題はありませんが、(1)のように既存のワンルームマンションを後から高級化するのにあたっては、どうしても動かせない2点をしっかり留意しておく必要があります。
その2点とは立地と広さです。場合によっては2LDKなど複数の部屋がある間取りのマンションをワンルーム化することも視野に入れてリフォームを検討する必要があるでしょう。また、立地については動かすことができないため高級志向の人たちから支持される優良な立地条件でなければ高い家賃を支払ってはくれません。
この2点を踏まえると、既存のマンション物件を高級化するとしても、一定以上の高級物件でなければ集客力のある高級ワンルームマンションを生み出すことはできないといえます。
高級ワンルームマンションの成功イメージ
より実践的に、高級ワンルームマンション経営をするのにあたって、どのような物件が支持されるのかを考察してみましょう。高級ワンルームマンションだからといって際限なく高級化すればよいわけではなく、そこには顧客層から支持される最適な物件の水準があります。
支持されやすい高級ワンルームマンションの成功イメージとして、以下のような条件を満たす物件を意識してみてはいかがでしょうか。
家賃は15万円まで
超高級ではなく、標準的なワンルームマンションよりもワンランク、ツーランク上という、ほど良い高級感が支持されやすい傾向にあり、東京23区内ならば家賃は高くても15万円程度に抑えるのが現実的といえるでしょう。
人気駅の駅近物件、それでいて雑踏感がない
高級物件であってもワンルームマンションなので、最寄駅からの距離にはシビアであるべきです。徒歩10分以内の利便性を確保しつつも、繁華街のような雑踏感がない場所が高級志向の人たちに好まれます。
画一的なワンルームマンションではないデザイン性
高級ワンルームマンションを志向する人たちが、なぜ普通のワンルームマンションではダメなのかを考えてみましょう。
それは、画一的なマンションではなく自分のこだわりに応えてくれる高付加価値のマンションに住みたいからです。そのためにはデザイン性にもこだわり、「普通とは違う」ことをしっかり印象付けられる物件づくりが重要です。
素材に上質なものを使用する
露骨な主張ではなく、さりげなく上質な素材を使っているような高級感も好まれやすい傾向があります。トリッキーな見た目よりも、良いものを使って高級感を醸し出せるような素材の選定は、物件の資産価値を長持ちさせることにもつながります。
「20平方メートルまで」の原則よりも少し広い部屋を意識する
超高級ではなく、少し高級であることを好む人たちがボリュームゾーンなので、広さについてもただ広いことだけを追求するのではなく、「少し広い」ことが顧客心理をくすぐります。
目安としては標準的なワンルームマンションの広さとされる20平方メートルよりも少し広い部屋を意識してみるのがよいと思います。
良質な不動産会社との出会いがマンション経営成功のカギ
今、高級ワンルームマンションへの投資が盛り上がりつつあります。初心者でも取り組みやすいのがワンルームマンションの経営ですので、自己資金に余裕がある方は高級ワンルームマンションから始められてもいいでしょう。
良質なワンルームマンションと出会うには、良質な不動産会社との出会いが必要になってきます。この出会いがマンション経営の成功を決めるカギとなるといっても過言ではありません。
良質な不動産会社とは、会社本位ではなくお客様視点で対応できる会社になります。判断の一つの目安として、物件のメリットばかりを強調せず、デメリットなども伝える会社などは、良質な不動産会社だといえます。
そうした不動産会社に出会うには、不動産会社のセミナーに参加したり、実際に不動産会社に足を運び話を聞いてみることです。マンション経営を検討されている方は、まずは小さな1歩を踏み出されてみてはいかがでしょう。
(提供:Dear Reicious Online)
【オススメ記事 Dear Reicious Online】
・40代からの将来設計。早いほどおトクなマンション経営
・マンション経営の物件選び!初心者がまず知っておきたい必須のポイント
・少子高齢化社会が不動産の可能性に与える影響
・「働く」だけが収入源じゃない 欧米では当たり前の考え方とは
・実は相性がいい!?不動産×ドローンの可能性