神宗(しんそう)をご存知だろうか。1067年から1085年にかけて、中国の王朝「北宋」の第6代皇帝として君臨した人物だ。英国のファイナンス情報サイト「ラブマネー・ドットコム」によると、神宗は歴史上2番目の資産を有するお金持ちで、その金額は現在の価値に換算して30兆ドル(3270兆円)に達したという。これは英国外務省経済局国際経済課が2019年2月に発表した世界の名目GDP(国内総生産)の30%以上に相当する。いわば中国の億万長者の元祖のような存在だ。

1067年1月25日、19歳で皇帝に即位した神宗は、当時財政難に陥っていた北宋の再建に乗りだした。地方で政務実績のあった王安石を登用し、大胆な富国強兵策からエリート官吏の育成まで広範囲におよぶ意欲的な改革であったが、司馬光など保守派から猛反発を受けるなど難航した。結果的に改革は失敗に終わり、神宗は38歳の若さで崩御している。その後、北宋は衰退の道を辿ったという。

時代は移り変わり、現在の中国はGDPで世界第2位の経済大国に躍進し、多数のビリオネア(純資産10億ドル以上を有する大金持ち)を輩出している。だが、ここにきて中国の「異変」を指摘するメディアも少なくない。たとえば、ブルームバーグは今年7月12日に『萎縮する中国ハイテク富豪、締め付け強化で「自由な時代」終焉』という記事を配信、「中国の富豪が自由に稼ぐことができた時代は今、突然の終わりを迎えているようにみえる」と伝えている。株式市場の関係者も大手メディアも中国の「異変」に気づいている。しかし、それが何を意味するのかは未だ不透明な部分も多い。

今回は「チャイナリスク(China risk)」についてリポートしたい。

中国のビリオネア、1年で61%増加

チャイナリスク,わかりやすく
(画像=k_yu / Arakusa / pixta, ZUU online)

今年4月、米経済誌フォーブスが公開した「ビリオネアが最も多い国・地域トップ20」によると中国のビリオネア数は626人で米国(724人)に次ぐ第2位となっている。フォーブスによると、中国のビリオネアが保有する純資産は合計2.5兆ドル(約274兆5873億円)に達し、2020年3月からの1年間で1.3兆ドル(約142兆7854億円)増加、ビリオネア数の増加率は+61%で、米国の+18%を大きく上回っている。