米金融大手Fidelity Investmentsが8日、米証券取引委員会(SEC)と直接話し合いの場を設け、ビットコインETFの承認を要請したことが明らかになった。15日、米Coindeskが報道した。
報道によると、FidelityとSECの話し合いはオンラインで行われた。Fidelityからは社長のTom Jessop氏を含めた幹部のメンバーが出席し、SECのイノベーション・フィンテック部門、トレーディングと市場部門などの役員らと話し合いをしたという。
SECが発表した報告書によると、Fidelityは話し合いの中で投資家らの暗号資産(仮想通貨)への関心度の高まりや、ビットコインをはじめとした暗号資産を保有する投資家が増加している背景を指摘。その上で、同社のビットコインETFの承認を掛け合ったとされている。
Fidelityがミーティング内で利用したプレゼンテーション資料では、ビットコイン市場が十分成熟していることや投資家からの需要の高さを示すデータのほか、同社におけるビットコインETFの商品概要の説明や諸外国でのビットコインETFの承認事例が提示された。
ビットコインへの関心の高まりを示す根拠として、暗号資産を保有するウォレットが2018年から2020年までで6600万件増加したというCambrige大学の調査や、米国の機関投資家のうち33%が暗号資産に投資していることを示すFidelityの調査が引用された形だ。特にこの調査では、機関投資家が投資商品を介した暗号資産投資を好む点や、38%の機関投資家がビットコインETPを魅力的と感じているというデータが提示されたという。
米国ではこれまでに、FidelityをはじめVanEckなどの企業10社以上がビットコインETFを申請しているが、SECが承認した例はない。その一方で、先月にはBloombergのアナリストが今年中にビットコインETFが承認される可能性について言及している。
アナリストらによると、VanEckとProSharesの2社がイーサリアムETFだけを取り下げた背景を見ると、早ければ今年10月末には承認される可能性があるという。(提供:月刊暗号資産)