9月末日の暗号資産(仮想通貨)市場は、ビットコインが先導し軒並み上昇。4万3000ドル(約481万円)半ばを超え、前日比約3.3%となっている。

中国不動産開発大手の恒大集団のデフォルト危機に発した、株式市場の下落の影響か、暗号資産市場でも一時下向の動きが見られたが、それも落ち着き上昇トレンドへの転換が見られる。

ビットコイン
(画像=月刊暗号資産)

一方、30日の日本株式市場は、前日の総裁選、日銀による701億円のETF買い付けによる上昇とは打って変わり、売り一辺倒。ファンド筋などによる、日経225入れ替えに伴うインデックス売りと、大手ファンド筋が金利上昇と課税上昇を警戒し、リバランスのために5,000億円以上の売りを行ったと言われている。海運、半導体を中心に幅広く売りが入った。上昇したのは旅行関連などポストコロナ関連が中心だ。

暗号資産は下落する株式市場を余所に上昇中だ。朝9時前に急上昇する場面も見受けられるなど、徐々に復調の兆しが見られるようになった。

中国当局の暗号資産に対する締め付け強化による市場の地合いの悪化懸念も薄れてきた。さらに、暗号資産に前向きな姿勢を示すSEC委員長のゲンスラー氏が「先物ベースのビットコインETFのスタッフ評価を楽しみにしている」と依然として前向きな姿勢を繰り返したことも影響したのか、ビットコインは上昇した。米国では暗号資産に連動した上場投資信託(ETF)の上場申請が相次いでおり、承認の時間も以前と比べ早くなっているという。

金融国家のスイスでは、初めて暗号資産投資商品に承認をしたことが報道された。スイス金融市場監督庁(FINMA)は29日「Crypto Market Index Fund」を「スイス法に基づく初の暗号資産ファンド」として承認した。スイスでは同様のファンドが続々と申請を行っている。

暗号資産を取り巻く状況は徐々に改善されており、大手ファンド筋の中にも「今後は暗号資産なしではポートフォリオは考えられない」と発言するディーラーも多い。

暗号資産取引所BTCCの元CEO・Bobby Lee氏は29日のBloombergとのインタビューに際し、ビットコインが20万ドル(約2,238万円)以上に達する「FOMOラリー」(Fear of Missing Out=見逃す不安)はすでに始まっていると主張したが、いよいよ現実味を帯びてきたのかもしれない。(提供:月刊暗号資産