DX推進における4つの課題

DX推進にはさまざまな壁が立ちふさがる。DXを推進するときの課題について考えてみよう。

課題1.レガシーシステム

2017年に一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会が行った「デジタル化の進展に対する意識調査」によると、調査対象企業の約7割がレガシーシステムはデジタル化推進の足かせになっていると回答した。

レガシーシステムとは、技術面の老朽化、システムの肥大化・複雑化、ブラックボックス化などの問題が内在するシステムだ。高コスト構造の原因であり、経営・事業戦略に悪影響を及ぼす。

企業が長い時間をかけて投資・構築してきたITインフラが肥大化・陳腐化・老朽化し、AIやビッグデータなどDXを推進する新技術との互換性を確保できない状態になっているのだ。

経済産業省がまとめたDXレポートによると、2025年時点で21年以上稼働しているレガシーシステムがシステム全体の6割を占めると予測。2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性を警告している。

参考:
デジタル化の進展に対する意識調査(一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会)
DXレポート(経済産業省)

課題2.IT人材の不足

DXを推進する人材不足も大きな問題だ。

欧米企業と違い一般的にわが国においては、企業よりもITシステム開発を請け負うベンダー企業のほうに、ITエンジニアが多く存在するとされる。ITシステムの構築は外部のベンダー企業に丸投げされやすく、企業の内部にノウハウが蓄積されにくい。

また、社内では一部のシステム担当者にスキルやノウハウがたまりやすい。システム担当者が転職や定年などで社内から離脱すると、システムが突如ブラックボックス化するケースもあるようだ。

課題3.経営者の危機感不足

経済産業省が2020年12月28日に公表したDXレポート2によると、2020年10月時点で調査対象企業の約9割以上が、「DXに全く取り組んでいない」あるいは「散発的な実施に留まっている」段階にあると明らかにされた。

同レポートでは、全社的に危機感の共有や意識改革の段階に至っていないことに警鐘を鳴らしている。

事業計画にDXを戦略的に取り込んでいる経営者は極めて珍しい。この傾向は特に年配の経営者に現れやすいといえそうだ。

参考:DXレポート2(経済産業省)

課題4.ロールモデルの欠如

DX推進は、各社が独自の方法やプロセスで行う。そのため、ベースとなるシステムやテクノロジーもさまざまだ。

したがって、業界によってはロールモデルがまったく存在していないケースもあり得る。多くの企業は、ゼロベースでDXを推進しなければならず、方針を定めづらいといえよう。