DX推進を実現させる4つのポイント

DX推進に取り組みたくても、どのように進めるべきか迷っている経営者も多いだろう。DX推進に取り組む際のポイントを4つ解説していく。

ポイント1.人材教育の徹底

全社員を対象にDXに関する教育を徹底しなければならない。DXの概要にはじまり、推進するためのテクノロジーやケーススタディ、同業他社の事例などを共有する。

社内にDX教育のノウハウがない企業も多いかもしれない。最近はDX教育専門のコンサルティング会社もあるため、必要に応じて利用してみるとよいだろう。

ポイント2.DXに関する経営計画の設定

DX推進では、活用するテクノロジーや目指すべきビジネスモデルの姿について、スケジュールをふまえつつ事業計画に落とし込む。

このステップは、社内にレガシーシステムを抱えている企業にとって特に重要である。レガシーシステムをDXしていくプロセスを明確にしなければならない

ポイント3.DXを推進する専門部隊を設置

一定規模以上の会社であれば、社内にDXを推進する専門部隊を設置するのも有効だ。

DX推進のアクションプランをまとめさせたり、進捗をフェーズごとにモニタリングさせたり、社員にDX教育を行わせたりする。専門部隊はDX実現の可能性をさらに高めるだろう。

ポイント4.外部とのコラボレーション

現在、アウトソーシングプラットフォームや人材マッチングサイトなどにDXの専門家が多数登録している。また、DXに特化したコンサルティング会社も存在する。

社内にDXを推進させる人材が不足しているなら、外部の人材や業者とのコラボレーションも検討すべきだろう。

DX推進の海外事例

ヤム・ブランズ(Yum! Brands)は、アメリカのケンタッキー州ルイビルを拠点とするレストランチェーン企業だ。ケンタッキーフライドチキンやピザハット、タコベルなどのブランドで知られ、150以上の国・地域で5万以上のレストランを展開している。

ヤム・ブランズは、AIベースの広告配信アルゴリズムを開発するクヴァンタムと、チャットボットオーダリングシステムを開発するティクタク・テクノロジーズの2社を買収した。

ITと縁がなさそうな飲食業者のヤム・ブランズは、なぜこの2社を買収したのだろうか。現地の報道によると、ヤム・ブランズは自社が運営する全店舗のマーケティングにITテクノロジーを活用するとしている。

たとえば、インターネットやソーシャルメディアなどのチャネルごとに広告パフォーマンスを分析し、ユーザーにカスタマイズ広告を出したり、広告最適配信を行ったりするという。

ティクタク・テクノロジーズのチャットボットは、すでにFacebookメッセンジャーといったメッセージングアプリで稼働している。

チャットボットを「友達」に追加すると、電話や注文アプリを使わなくても、チャットの会話で注文可能だ。注文データはビッグデータとして蓄積され、おすすめ商品のレコメンドやクーポンの配布などに活用される。

同社の2020年におけるデジタル売上(インターネットやソーシャルメディアなど)は170億米ドルに達し、前年から45%も増加した。

AIやビッグデータ、クラウドコンピューティングなどを使ったDXに成功しているといえよう。米国の飲食業においては、DXはすでに現実になっている