ビットコインの勢いが止まらない。7日はさらに高騰し、記事執筆時点では5万5000ドル(約612万円)をも超えた。ビットコインが日本円にして600万円を超えるのは今年5月以来となる。

ビットコイン、600万円突破 時価総額1兆ドル突破し6万ドル台へ
(画像=月刊暗号資産)

米株式市場の取引時間に時間軸のレジスタンスを楽々突破。勢い止まらずそのまま日足軸のレジスタンスを超えようとしている。5月に弾かれた5万6800ドル(約632万円)のレジスタンスラインを越えられるかどうかが鍵となりそうだ。超えれば強力なサポートラインと化し、6万ドル(約668万円)突破を見据え進むことになる。

世界の金融市場が冷めた状態にあるなか、暗号資産(仮想通貨)市場だけは熱を持ち続けている。ビットコインは株式市場、外為市場、商品先物市場など、他の市場の影響をまったく受けない完全に別の市場と化していると言えるだろう。

Bitfinexのデータによると、ここ1週間ではショートポジションがほぼ解消された。先物では、現在ロングポジションが3万2700BTCに対し、ショートポジションはわずか800BTCを上回る程度。1週間前はまだショートポジションが1万6000BTCあったことを考えれば、多くがポジション解消するため買いに走りブレイクアウトが起こったことがうかがえる。

ここまで一気に上昇する状態については、テクニカルというより市場のファンダメンタルが優先されていると言えそうだ。

市場はしばしセンチメントに支配されていると言っても過言ではない。通年、第4四半期(10月から12月期)は暗号資産が上昇しやすいことで知られる。そのことに加え、ビットコインETFの承認期待、ジョージソロス氏率いるヘッジファンド(Soros Fund Management)がビットコインを保持していることを明らかにしたことも大きい。さらにファンドなど大口によるビットコイン購入が相次いでいることも上昇要因として考えられる。

ビットコインETFについては過去数年に渡り申請が却下されてきた。だが今月にも承認が現実味を帯びてきている。SEC(米証券取引委員会)のゲンスラー委員長による前向きの発言を吟味すれば承認は時間の問題だ。

ソロスファンドのCEO、Fitzpatrick氏は「我々は暗号資産そのものよりもDeFi(分散型金融)などのユースケースの方が興味深いと捉えている。もはや単なるインフレヘッジなどではない。時価総額が2兆ドル(約220兆円)を超え、ユーザーも世界で2億人にのぼる。暗号資産は主流になった」とコメントしている。

世界有数のファンドであるソロスファンドが暗号資産は金融資産の主流を成す一つと見なしたことで、続くファンドや個人は増加することが予想される。現在、ファンダメンタルに支配されているビットコインマーケットで6万ドル突破の大台につながる道筋が見えていたとも言えるだろう。(提供:月刊暗号資産