本記事は、ひろや氏の著書『35歳までに現金1億円を作る[入口戦略]不動産投資術(2)』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています

区分マンションには手を出さないこと

マンション
(画像=PIXTOKYO/PIXTA)

バランスシート(=貸借対照表)の評価の観点で言えば、区分マンションは手を出すべきではありません。

理由は積算価格算出時に土地部分がないため、建物部分のみの評価になり、売価に対して積算価格が割れるケースが多いからです。

分かりやすく言えば都内23区の好立地にて、築10年弱、単身向け、20平米の区分マンションを2,000万円で購入した場合、積算価格の観点で言えば、物件にもよりますが1,000万円〜1,200万円程度しか出ないケースが多いです。そのため物件を購入した瞬間に、バランスシート上で1,000万円近い信用毀損を起こしてしまい、次物件の融資が引きにくくなります。

実は私も不動産投資を始めた1つ目の物件は中古区分マンションでした。ただその物件はその後、三井住友トラストL&Fを利用して物件購入する際の、共同担保物件との意味合いがありました。将来の利用目的が明確で区分マンションを買うのはいいですが、そうではなく融資が付くから買えるとの理由で手を出すのはやめましょう。

間違いなく物件の規模拡大のフェーズで足かせになるリスクがあります。

買うなら1棟もしくは戸建

現金1億円を目標に不動産投資を始める方、ぜひこの考え方も覚えておいてください。それは、1棟もしくは戸建を戦略的に購入して資産規模を拡大することです。

ここで1棟に加え、戸建を推奨する3つの理由を書きます。

(1)共同担保物件として利用が可能である
(2)土地も付くため、積算価値がある
(3)担保提供期間中も同時に家賃を稼いでくれる

1つ目の共同担保物件として使える点です。

不動産を拡大する時期に大切なのがいかに自己資金を温存しながら、買い増しをするかの視点です。金融機関は自己資金がない借り手には一般的に厳しい融資条件となり、逆に自己資金が潤沢な借り手には好条件の融資を出します。そのためいかに自己資金を残しておくかが大切です。その観点で言えば、土地付きの戸建は物件購入時の共同担保として使うことができ、また同時に担保提供中も家賃収入をあげることができる点で非常に使い勝手が良いです。

通常、自己資金を手出しして物件を購入する場面で、保有戸建を共同担保提供し、自己資金を出すことなく、物件購入することができれば、手元資金を温存でき、その後の融資が受けやすくなるため、連続した物件購入にプラスに働きます。

2つ目の「土地も付くため積算価値がある」について、戸建は土地及び建物を合算して積算評価が出されるため、土地の積算価格の高い案件をうまく仕込むことができれば、売価<積算価格の物件を購入することも可能です。そうすれば銀行は購入した物件価格を最高値としてその物件を担保評価することできるため、仮に500万円で戸建を購入した場合、その500万円をまるまる共同担保物件として取り扱うことができ、融資の組み立てがしやすくなります。

3つ目の、「担保提供期間中に家賃を同時に稼いでくれる」も戸建を共同担保物件として組み合わせを勧める大きな理由の1つです。

通常一棟物件購入時に、自己資金を投下してしまったら、その自己資金は毎月の家賃収入で回収するしか方法がありません。ただ、そこであえて自己資金を投下せずに、物件の共同担保提供をすることで、自己資金を減らさず、また同時に担保提供期間中に賃貸に出すことで家賃を稼ぐことが可能です。まさに一石二鳥の投資法で、自己資金を温存させつつ、同時に家賃収入で収支をプラスにしてくれるやり方です。これを聞いたら、やらない理由を考える方が難しいですよね! 1棟と戸建を組み合わせて購入を繰り返していくやり方は本当におすすめなので、ぜひ実践しましょう!

毎月の固定費を徹底的に削り、手元資金を作る

あなたは毎月の家計の状況をどこまで把握していますか。私は1円単位まで節約して、家計を切り詰める方法はストレスも溜まりますし、あまり好きではありません。ただ、毎月一定金額が垂れ流される固定費に関しては徹底的に支出管理にこだわって欲しいです。具体的に言えば、

•携帯料金:10,000円/月→SIMフリー携帯にして、毎月3,000円へ
•生命保険料:8,000円/月→購入物件の団体信用生命保険を活用することで0円へ
•ジムの会費:8,000円/月→区営のジムを都度利用にすることで、3,000円/月へ
•飲み代:5,000円/1回あたり→学びのある飲み会以外は参加しない、0円へ
•自動車保有:30,000円/月→移動は電車、バス、タクシーにして固定費を削除

これらは一例ですが、自動引き落としで差し引かれる毎月の固定費には注意を払いましょう。無駄な支出をなくすことで、毎月2〜3万円ほど貯金額が上積みできれば、貯金額も加速度的に増えます。

実際に私も不動産投資をやることに決めてから、固定費を徹底的に切り詰めました。特に三大出費と言われる住居費、保険、車についてはかなり調べ、家賃が5万円台の物件に住み続けながら、保険未加入、ノーマイカーの状態で投資初期段階はお金を効率的に貯めました。

目先の小さい浪費よりも、毎月のまとまった固定費を削除することを最優先にして、家計に手を付けましょう。

35歳までに現金1億円を作る[入口戦略]不動産投資術
ひろや
株式会社堅実不動産代表取締役。福島県出身。大学卒業後、7年間都内にて公務員として勤務。25歳から一棟、戸建を中心に不動産投資をスタート。28歳の頃に最大の家賃収入150万円/月を達成。資産管理法人にて信金、信用組合を中心にプロパー実績あり。20代で累計14案件の売却実績があり、出口を見据えた投資に強みがある。現在までアパート13棟、戸建6戸、区分1戸を購入、累計売却益約1.2億円を達成。

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