本記事は、ひろや氏の著書『35歳までに現金1億円を作る[入口戦略]不動産投資術』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています
投資初心者はどのエリアから物件を買い始めるべきか
●3棟目までは収益性、それ以後は収益性×資産性で購入を進めること
これは非常に大切なテーマです。
と言うのも、例えば投資初心者が、1棟目から都内の好立地に利回りの低い物件を買ってしまった場合、その物件でキャッシュフローが残らないため、2棟目以降の展開に時間がかかり、目標である35歳までに現金1億円作る計画が遠のいてしまうためです。
それを回避するためには、まず大前提として収益性のある物件を少なくても3棟目までは購入して、手残りキャッシュフローを積み上げて、手元資金を増やす方法です。
わかりやすく言えば、都内23区の物件などは立地が良いため、資産性は高いものの、中古物件でも表面利回り8%以下などが主で、ローン返済や固定資産税の支払いを踏まえると、手残りが少なく、キャッシュが増えにくい側面があります。
その一方で、主に地方物件などは土地の価値が低い(=資産性が弱い)分、利回りが高い(=収益性が高い)傾向があります。
私の投資法も後者を優先して、まずは手残りキャッシュフロー重視で投資を進め、資産性のある物件は将来的に購入するべく筋道を立てて、取り組んできました。
ただ注意が必要なのは、収益性のある物件の中にはエリアを踏まえると賃貸需要が全くない物件も一定数混ざっていることです。賃貸需要がないエリアに物件を購入すると、購入後の賃貸付ができないリスクが出てくるため、そこは無理にお勧めできません。
そのため、最低限の土地勘のあるエリアにて物件を購入することが大切になります。また近隣の客付業者へのヒアリングも重要です。ヒアリングでは主に以下の3つに着目して、訪問を心がけてください。
•エリアの入居者特性(単身or家族、年代、近隣の会社情報) •賃貸需要があるエリアか、また想定賃料が適正か •部屋の仕様をどこまで作り込めば、想定賃料での入居付が可能か
この3点に注意して物件の購入ができれば、賃貸付におけるリスクを最小化できるので非常にお勧めです。
特に1つ目のエリアの入居者ターゲットの属性把握は慣れるまで何度も行うようにしてください。できれば現地調査前に、ネットから周辺情報を仕入れ、入居ターゲットの仮説を立て、それを検証をする目的で周辺の不動産客付業者へヒアリングを実行すれば、大家としてのスキルも爆上がりします。
●銀行から逆算して取得エリアを決めること
それでは実際に私が取り組んできた物件のエリア戦略についてお話をします。
私の場合、スタート時点での属性が年収、金融資産の面からしても弱かったので、まずは対象エリアを広くとり、利回りで攻める方法を選びました。
また同時に想定銀行である、日本政策金融公庫、三井住友トラストL&F、セゾンファンデックスの各融資エリアを考慮し、以下の3つのエリアにて主に物件探しをスタートしました。
•日本政策金融公庫向け:北関東エリア(茨城県、栃木県、群馬県の3県) •三井住友トラストL&F(東京都を除く、神奈川県、埼玉県、千葉県の3県) •セゾンファンデックス(国道16号線の内側のエリア)
その結果、以下のエリアにて2棟目まで物件を購入展開ができました。
①横浜市神奈川区ファミリー区分(3LDK×1室)×住宅ローン ②さいたま市見沼区一棟木造アパート(2K×4室)×三井住友トラストL&F ③栃木県大田原市一棟木造アパート(2DK×6室)×日本政策金融公庫 ④神奈川県川崎市多摩区一棟軽量鉄骨アパート(2K×4室)×セゾンファンデックス
購入歴を見ると、エリアの一貫性がないように見えますが、私として融資想定先を意識して、的確に購入を重ねています。
ただ将来的な物件の拡大を見据えると、なるべく物件取得エリアは集約することをおすすめします。と言いますのも、金融機関は融資する物件だけでなく、現在保有している物件がどこに所在しているのかも融資時には見てくるからです。
管理エリアの兼ね合いで、万が一融資した物件の返済が滞った際に、債務者をグリップする観点でも、保有不動産の所在地がバラバラなのを嫌う傾向があります。ただお伝えの通り、初期段階でエリアを選定しすぎると、購入できる物件が限定されてしまうため、この辺りは3棟目以降意識すればいいと思います。
ちなみに私はそれ以降の3棟目でセゾンファンデックスというノンバンクを利用して、物件を購入しました。
不動産投資で大切なのは、属性と戦略の組み合わせです。手駒をいかに利用して物件購入を拡大していくかを常に考えるようにしましょう。
●そのエリアでの物件購入を迷った時には
特に1棟目は不動産投資の経験がないが故に本当にその物件でいいのか判断を迷うケースも多いのではないかとおもいます。
そんな時にぜひ確認して欲しいのが以下の2軸になります。
•有名チェーン店が周辺に出店しているか •実需向け新築戸建が周辺で建築されているか
1つ目ですが、例えば有名な飲食チェーン店やドラックストアのチェーン店は出店時には綿密なエリアの出店調査をしています。
つまり今後も人口動態的に需要が見込めるかを調べて出店をしているため、直近で出店がされているお店が物件周辺にあればそれだけ、将来的な賃貸需要が見込めると判断することができます。
2つ目の実需向けの新築戸建ですが、これはシンプルに周辺の実需需要が判断できる点でおすすめのチェックポイントです。
実需向けに需要があるエリアとわかれば、将来的に物件を売却する際に、収益物件としての出口だけでなく、実需物件としての出口も同時に狙えるため、出口幅を持たせることでき、同時に売却価格も高値で売れる可能性が出てきます。
ぜひエリアの選定で迷った際には、この2つのチェックポイントを確認してみてください!
●土地勘のあるエリアに物件を買うこと
賃貸需要があるエリアに物件を購入することは大切ですが、同時に自分が精通しているエリアに物件を買うことも購入後のリスクを抑える観点では大切です。
実際に生活したことがあるエリアや通勤で通っているエリアなど、継続してその土地に足を運んでいる場所であれば、そのエリアの特性を把握して、入居者ターゲットを選定することができるので想定との乖離が発生するリスクを減らせます。
また、実際に生活したことがある土地であれば、物件周辺のライフライン(役所、スーパー、ドラッグストア、郵便局、銀行など)関係のお店の導線も把握ができているので、その物件が生活圏としてニーズがあるエリアかを知って購入ができるので、その点も強みとなります。
逆に土地勘が全くないエリアに、物件のスペックが高いからと言う理由だけで、投資初心者が手を出すと、実際の生活圏ではないエリアで物件を購入してしまいかねません。その場合、長期間入居付できないリスクに直面する可能性があるので、手元キャッシュを特に減らしたくない、投資初期段階では気をつけましょう。
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