新しい時代の流れである地方創生SDGs
近年、「誰⼀⼈取り残さない」持続可能でよりよい社会の実現を⽬指す世界共通の⽬標であるSDGsの取り組みが積極的に行われている。持続可能な社会の実現は、地方創生が目指す社会でもあるため、その中で生まれた地方創生を原動力としたSDGsの取り組みは注目を集めているのだ。
「まち・ひと・しごと創生基本方針2021」の新しい時代の流れを力にする取り組み
2021年6月18日に閣議決定した「まち・ひと・しごと創⽣基本⽅針2021」の中では、「地⽅創⽣SDGsの実現を通じた持続可能なまちづくり」を推進している。今後の新たな地方創生の展開にあたって脱炭素化の流れを地⽅創⽣に取り込むこととし、その中で「地方創生と脱炭素の好循環」の実現に向けた取り組みを推進していくことが明記されている。
「地域経済の活性化や地域課題の解決の実現」に向けて、地域資源の有効活用により再生可能エネルギーを導入するなどの脱炭素化の取り組みを地方で積極的に推進していくというものだ。
中小企業に与える影響
「中小企業等による地域・社会課題の解決を通じた地域の持続的発展の促進」も取り組みの一つとして注目したい。地方創生SDGsは、政府中心の取り組みのイメージがある。しかし地方創生の取り組み事例で紹介したように、政府や金融機関が中小企業と連携して成功する事例も多い。例えば以下のようなものは、中小企業にとってビジネスチャンスになる。
・ビジネスの手法を適用して解決を図る取り組みに対する支援
・地方公共団体と連携
・新たな需要の創出につながる機能の導入
・最適な供給体制の実現に向けた仕組みづくりなど
地方創生SDGsが中小企業に与える影響は、大きなものとなるだろう。
地方創生と働き方改革
地方創生の取り組みは、働き方改革にもつながる。ワーク・ライフ・バランスの実現や多様で柔軟な働き方が選択できる社会の実現を目指す働き方改革は、テレワークの推進や結婚・出産・子育てしやすい環境の整備と関係性が深い。地方創生にとって働き方改革は共通の目的を持つ必要な取り組みでもある。
地方創生施策が企業活動の幅を広げる
地方創生SDGsは、持続可能なまちづくりや地域活性化に向けた取り組みの推進を進めている。SDGsは政策の最適化と地域課題の解決を加速させるだろう。またテレワーク推進やデジタル化の進展により地方でも仕事ができるインフラが整備され、大都市から地方へと移り住む人が増えている。
都会から地方への新たな「ひと」や「しごと」の流れを生み出す取り組みは、企業活動の幅を広げ、新たなビジネスチャンスを生み出すことになるのではないだろうか。