将来の資産に不安を抱いて不動産投資に興味を持っている人が増えています。不動産投資には、大きく分けると物件売却や賃貸収入を得ることができる実物投資と不動産銘柄への株投資などの2つです。どちらを選択するべきか個人によって異なるため、一概にはいえません。そこで本記事では、不動産関連株の最新の動きや実物投資のメリットについてなど詳しく解説していきます。

これから不動産投資を検討されている人は、ぜひ参考にしてみてください。

コロナ禍でも不動産関連株の動きは堅調である

不動産関連の株投資より実物投資にすべき?その理由を徹底解説
(画像=crizzystudio/stock.adobe.com)

コロナ禍で多くの業界が不況に陥る中でも不動産関連株の動きは比較的堅調です。「在宅期間が増えた」「テレワークが推進された」といったことが大きく影響しているといえるでしょう。在宅ワークが進んだことによりオフィスを縮小したり中には手放したりする企業もあります。不動産関連株の中でもその打撃を受けたのがオフィス用不動産関連株です。

次の章から2021年の不動産関連銘柄の最新の動きについて解説していきます。

不動産関連銘柄の最新の動き

2021年は、新型コロナウイルスに対するワクチンや経口薬が開発されたことにより世界的に株価は回復しつつあり上昇傾向さえ見受けられます。不動産関連株も一時的に影響を受けて下落しましたが今後は上昇してくることも予想されるでしょう。新型コロナウイルスの治療薬が承認され世界中で流通が広がれば終息へ一歩近づくため、オフィス用不動産関連株も戻ることが期待できます。

具体的に4つの不動産銘柄関連株の動きについて確認していきましょう。文中の予想配当利回りは2021年10月21日時点の数字です。

三井不動産<8801>

三井不動産<8801>は、オフィスビルや商業施設などの賃貸や個人顧客向けの戸建て住宅、不動産投資のマネジメントなど多核展開しています。三井不動産の業績予想によると2022年には2021年よりも利益が上昇すると予想されています。CO2削減のために古い家の寿命を延ばす再生建築にも力を入れており、新型コロナウイルスの終息に向かってオフィス関連株に買いが戻れば株価は上昇していくでしょう。

三菱地所<8802>

三菱地所<8802>は、三菱グループの中核で丸の内を軸としてリノベや開発に力を入れています。オフィスビルの賃貸も取り組んでおり余っている施設を運用しています。三菱地所の2022年3月の業績予想によると、事業環境の改善や新しいビルの竣工、キャピタルゲインなどの増加もあり、2021年より営業収益が増加する見込みを立てています。日本経済新聞による予想配当利回りでは三井不動産の1.66%と比較して1.86%と高いため、狙い目といえるでしょう。

住友不動産<8830>

住友不動産は、オフィスビルの賃貸に力を入れており日本経済新聞の配当利回り予想では1.08%と低い水準です。オフィスビルに力を入れていることから、新型コロナウイルスの影響を受けやすくボラティリティが高いため、売り買いしないほうが無難でしょう。

オープンハウス<3288>

オープンハウスは、首都圏を中心に狭小地の戸建てやマンション分譲を得意としており、日本経済新聞の予想配当利回りは、1.6%です。コロナショック時に株価が2,000円を割り込みましたがその後は順調に株価が上昇して2021年10月には7,000円を突破している状態です。

ここでは、4つの不動産関連銘柄について解説してきました。相場は日々変動しているため、予想も日々変わり「絶対利益が出るから大丈夫」という銘柄はありません。そのためリーマンショックやコロナショック時のようにいきなり暴落する可能性があります。個人投資家や証券アナリストの意見を知ることも大切ですが四季報や株価チャートの動きをさらに詳しく確かめることが重要です。

株よりは実物不動産投資にすべき?その5つのメリット

不動産投資に興味があっても「金融機関から融資が必要」「物件金額が大きい」といったことがネックとなり実物投資より株投資を選ぶ人も多いのではないでしょうか。株投資は、上述したオープンハウス<3288>のように株価が3倍以上跳ね上がる銘柄もあります。しかし金融マーケットの影響を受けて短期で大きく値を下げるリスクもあるのです。

現物不動産は、その点比較的安定しており実物投資でしか得られないメリットもたくさんあります。

株より短期の値下げの影響を受けにくい

株は、短期で取引した場合、購入と同時にいきなり暴落して大きな損をする可能性があります。メンタル的にも株式保有時は、株価の値動きに左右されやすくなる点はデメリットです。実物投資となる現物不動産の場合は、毎月安定した家賃収入を期待することができます。また家賃額は、金融マーケットの影響を受けたとしてもタイムラグがあるため、株のように短期間での値下げの影響も受けにくい傾向です。

融資を活用してレバレッジ効果を得られる

株投資(現物取引)の場合は、すべて自己資金が必要となります。しかし実物投資の場合は、自己資金だけでなく不動産を担保提供することで金融機関から融資を受けてレバレッジをかけた投資が可能です。レバレッジとは「テコの原理」で投資用語として使われます。小さな資金で大きなリターンを期待できるもので当初の資金から数倍の取引が可能です。

プラスの金額だけでなくマイナスの資金に対しても同様の言葉を利用します。実物投資の場合は、自己資金が100万円しかなくても融資を活用すればその数十倍にもなる不動産を手に入れることが可能です。このようにレバレッジ効果を最大化に活かすには、実物投資が向いています。

インフレ対策になる

インフレとは、物価の金額が上昇して現金の価値が下がることです。インフレになると株価はそれに連動して価値が上がります。それに伴い不動産を所有していればインフレに連動して不動産の価値が上がるため、インフレ対策に有効です。

老後に向けて長期の資産形成に適している

実物の不動産投資は、長期投資に向いているため、老後の資産形成におすすめです。2019年には、老後2,000万円不足問題が話題となりました。老後資金は年金だけでは不足するため、自分で資産を増やしていくことが必要です。実物投資なら不動産を活用して毎月の家賃を得たり売却して売却益を老後資金に当てたりすることが期待できます。

相続税など節税対策として有効である

不動産を相続する場合、相続税を算出する際に使用する評価額を下げることができるため、節税対策になります。相続時の金融資産の評価は、現金が額面、株式は亡くなったときの時価です。そのため資産を不動産へ変えることで相続税評価額を下げることができれば相続税を抑えることが期待できます。

また不動産を購入するときに金融機関で借り入れをするとマイナス資産とみなされるため、さらに課税額を下げることができ節税対策として有効です。

不動産投資を始めるときに気をつけること

不動産の実物投資は、メリットが多いですが投資である以上失敗するリスクもあります。失敗しないためには、注意するポイントを押さえておきましょう。

基礎知識を身につける

不動産投資を始める前に必ず基礎知識を身につけましょう。なぜなら不動産投資は不動産だけではなく税金や管理など幅広い専門知識が必要だからです。例えば「信頼できる不動産セミナーに参加する」「不動産投資の書籍を読む」「専門の情報サイトで情報収集する」といった方法があります。近年は不動産投資に関するYouTubeチャンネルも増えているため、YouTubeで勉強することも有効的な方法の一つです。

ただしどの方法で情報収集する場合でもすべてを鵜呑みにしないようにしましょう。できるだけ自分でも「本当に正しい知識なのか」についてしっかりと判断できるようにしておきたいところです。最低でも運営者のプロフィールを必ず確認するようにしましょう。

投資目的を明確に決める

投資する目的によって投資する物件タイプが異なったり投資プランが異なったりするため、投資目的を明確にすることも大切です。例えば老後資金に充当したい場合は、「いつまでに毎月いくらの家賃収入がほしいか」という目的を明確にしましょう。投資目的が明確になることで「その家賃収入を得るには、何個の物件を投資する必要があるのか」といったプランニングを立てることができます。

無理のない投資プランにする

投資プランと同時に返済シミュレーションも立てます。しかし多くの人は、目先の返済能力だけでプランを立てがちです。不動産投資ローンは、20年、30年という長期間にわたって返済していきます。そのため「子どもが生まれて出費が増えた」「体調を崩して給与が減った」など今の生活レベルよりも下がったときのことを想定しながら返済シミュレーションを立てることが必要です。

つまりぎりぎりの投資プランではなく今後考えられるライフイベントやさまざまなリスクを想定して余裕のある投資プランにすることが大切といえるでしょう。

まとめ

不動産銘柄の最新の動きや今後の予想や実物不動産投資のメリットなどについて解説してきました。不動産関連銘柄の株に投資することも選択肢の一つですが実物投資でしか得られないメリットも多くあります。ぜひこちらの記事を参考に今後の不動産投資にお役立てください。

(提供:YANUSY

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