SDGsに取り組む企業の問題点

SDGsに企業として取り組んだ場合の問題点を見ておこう。

SDGsウォッシュに陥る

「SDGsウォッシュ」とは、SDGsの本質を理解せずに表面的に参画している「ふり」をする行為だ。SDGsウォッシュと見なされて社会的信用低下を招いた事例は少なくない。SDGsウォッシュに当たる行為としては、以下のようなものがあげられる。

  • SDGsのロゴやアイコンを表示しているだけで活動の実態がない
  • 具体的な取り組み達成目標を定めていない
  • エコ・環境保全・保護活動などの言葉を使っているが、根拠のない広告
  • 自社とは関連性のない画像を使用するといった誤解を招くような表記・表示をする
  • 実態を隠し良い面だけをアピールする

特に社会から厳しい目を向けられているのは、SDGsへの賛同をアピールしながら、その陰で社会規範に反する行為があった場合だ。具体的には、以下のような例がある。

  • リサイクルやエコ素材の活用を謳うアパレルメーカーが海外で児童労働に関わっていた
  • 自然エネルギーに賛同姿勢を見せながら石炭火力発電事業への多額融資を行っていた
  • クリーンエネルギー事業のための大規模な自然破壊した
    など

SDGsのメリットがない

SDGsの取り組みがボランティアと同義になり経営戦略と結びつけられないことも問題だ。活動が一過性のものとなっていたり、企業としてのメリットを無視したりすれば取り組みは定着しない。SDGsの取り組みを単なる「社会貢献活動」と捉えているうちは、企業側にベネフィットがもたらされず、長続きしないだろう。そのような活動は、社員や株主を説得できないため、社内外の賛同も得られない。

そうした意味でも自社の得意分野とまったく異なる活動をしている企業は「持続可能」の本質を理解していないといえる。ある企業が植林活動を行った場合、以下のような道筋をつけて本業との関連を考えなければ自社に戻るものはないだろう。

  • その活動は何のためにするのか
  • その後どうしたいのか
  • 事業にそれがどうつながるのか
  • どう継続させるのか

SDGsの取り組みには、倫理面と自社利益といった総合的な観点が必要だ。例えば太陽光発電は環境にも良いが、企業にとって災害時のリスクへの備えにもなる。「エネルギー源の確保」という意味では、自社事業への保険といえる。また環境・社会貢献による信頼性の向上が企業経営の安定につながる。活動をどのようにメリットとして活かせるのかを見ていかなければ、企業が行うSDGsの取り組みは頓挫しかねない。

SDGs活動で本業に支障が出る

SDGsの取り組みで本業に支障が出るのは本末転倒だ。「自社に合わない施策を無理やり推し進める」「他社の取り組みを丸ごと真似する」といったように取り組みの方向性の誤りが原因であることが多い。担当者に任せきりにしてしまい該当社員の本来の業務が滞る場合もある。また経営者が社会・環境に寄与することに気を取られ過ぎ、売上や利益が落ちるケースもあるだろう。

SDGsの取り組みが空回りしている状態で社内の空気が悪くなり、本事業に悪影響を及ぼすことも考えられる。SDGs取り組み前に行う手間や負担、コストに関する設計・計画の見通しが甘いとこれらの問題が発生しやすい。取り組みにかかる負担に対しては、回収することを踏まえた長期的視点が必要だ。

SDGsの取り組みで未来が見えない

「とりあえず」の取り組みは、自社の未来が見えてこない。「持続可能」への理解不足から自社の将来につながらない施策を行う企業も多いのではないだろうか。自社の経営ビジョンとSDGsの目的をすり合わせ、接点について見直していくことが必要となるだろう。企業が将来的に目指す姿のために行うSDGsの取り組みであってもまったく問題はない。

今実施していることが何につながるのかの道筋を明確にすれば自社に合う施策の方向性が見えてくるだろう。