本記事は、ザ・株鬼氏の著書『資産を100倍にする「株鬼流」仕掛けの超基本』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています
ローソク足の基本的な見方
ひと口に株式チャートといっても、実にさまざまな種類が存在しています。
その中で唯一、株鬼流が活用しているのがローソク足の株式チャートです。
横軸を「時間」、縦軸を「価格」として、株価の推移を時系列で示したのが株式チャートですが、ローソク足は単純な折れ線グラフではありません。
通常の折れ線グラフは点と点を線で結んでいきますから、一般的な折れ線グラフなどで日々の株価の推移を示すとしたら、1日当たりに描く点は1つだけとなります。
しかし現実の相場の世界では、1日のうちに株価はどんどん変化していきます。
たとえば、取引開始早々は値上がりしたものの、日中は下げ基調が強まり、取引終了間際になってから盛り返すような動きもよく見られます。
たった1つの点で株価を表そうとすると、こうした動きがあったという事実をまったく表せないわけです。
そこで、相場の動きをよりリアルに伝えるために考案されたのがローソク足です。
これから詳しく説明していきますが、点とは異なる特殊な表記法を用いることで、日々の「四本値(始値、高値、安値、終値)」がどの程度の水準であったのか、そしてその日の株価がどのような軌跡を描いたのかがわかるようになっています。
「始値」とは、その日の最初に成立した取引(寄り付き)でついた価格。「高値」とは、その日についた最も高い価格。「安値」とは、その日についた最も安かった価格。「終値」とは、その日の最後に成立した取引でついた価格。
「株鬼流」における基本中の基本は、ローソク足として描かれている「四本値」の推移をしっかりと見ることです。
くわえて、相場のエネルギーを示す「出来高」のチェックも欠かさず行うようにします。
「出来高」とは、その日に売買が成立した株数。
出来高が増えれば増えるほど、株価を動かすエネルギーが充填されていると考えればいいでしょう。
その名のごとく、ローソク足はローソクのような形状になっていて、「四本値(始値、高値、安値、終値)」が描かれています。
下の図表2-1のローソク足をもとに説明しましょう。
たとえば、始値が195円、高値が205円、安値が190円、終値が200円だったとしたら、ローソク足は右側のような形状になります。
そして、始値と終値を結んだ長方形の部分が白く描かれ、これを「陽線」と呼びます。
「陽線」とは、始値よりも終値が高い価格になり、その日の相場が取引のスタート時よりも上昇して終わった状況を示しています(日足チャートの場合)。
続いて、図表2-1の左側に注目してください。
始値が200円、高値が205円、安値が190円、終値が195円だった場合、ローソク足はこの左のような形状になります。形自体は右側と同じですが、こちらは長方形の部分が黒く塗り潰され、「陰線」と呼ばれます。
陽線とは逆に、「陰線」は始値よりも終値のほうが安くなっており、取引開始時よりも値下がりして取引を終えたことを表しています。
上ヒゲと下ヒゲの意味を読み解く
あらためて、上の2つの図表を見返してください。
これらの例では「陽線」と「陰線」のどちらにも、上下それぞれに棒状のものが伸びていることが確認できるでしょう。
相場の世界では、それらを「ヒゲ」と呼んでいます。
「上ヒゲ」は高値をつけた後に、「反落」したことを示す。 「下ヒゲ」は安値をつけた後に、「反発」に転じたことを示す。
このようなことから、単純明快に好ましい状況かどうかを判定すると、次のようになります(図表2-2参照)
「陽線」は○で、「陰線」は×。 「下ヒゲ」は○、「上ヒゲ」は×。
もちろん、安値が終値もしくは始値と同じになったり、高値が終値もしくは始値と同じになったりして、実線のみでヒゲが生じないケースも出てきます。
あるいは、取引時間中に上昇と下落の振幅はあったものの、結局は始値と同じ株価で取引が終了し、ローソク足が十字架のような形状になることもあります。
これは「十字線」と呼ばれるものです。
天井圏で十字線が出現すれば反落の可能性が高まりますし、底値圏で出れば反発するケースも多々見られます。
しかし、普段から値動きがさほど大きくない銘柄の場合は、顕著なシグナルとはならないのが現実です。
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