本記事は、ザ・株鬼氏の著書『資産を100倍にする「株鬼流」仕掛けの超基本』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています
LC(ロスカット)を徹底する
ここでは、株鬼流における鉄則や流儀について紹介しておきたいと思います。
いずれも極めて重要なものばかりですので、しっかりと頭に入れてください。
まず、株鬼流においてLCは非常に大切です。いかに損切り(ロスカット=LC)の判断を早くするかが勝負の決め手になります。
もちろんその後に再び上昇に転じる場合もありますが、その場合は次なる勝負を仕掛ければいいだけのことです。
具体的には、たとえば「2日T」で仕掛けた場合は、仕掛けた際の価格よりも0.6%下がった時点で手仕舞いしてLCします。後述する「同値一文」で仕掛けた場合には二文(3ケタ銘柄の場合2円)よりも下の値がついた場合に即LC。仕掛けと同時に寄り値の二文下に逆指値をしておけばいいので簡単です。
このように、読みが外れて株価が下がったら手仕舞いすることを徹底するのが「株鬼流」ですが、もしも3回連続でLCをするハメになったら、その週の相場は休んだほうがいいでしょう。どこかに致命的な判断ミスが生じている可能性が考えられるからです。
その敗因を検証すべく、単に売買結果を見直すだけではなく、LCに至った取引の経緯を振り返ってみるべきでしょう。
その銘柄を仕掛けるに至った動機や具体的な条件設定などを振り返ってみて、原因を突き止めることが大切となってきます。「OAHKの法則」に該当するような不穏な動きを見逃している可能性もあるでしょう。とにかく、徹底的に検証してみることです。
そうすれば、過ちを繰り返さないようにと体が覚えていくものです。
何度も似たような間違いを繰り返していくうちに、ようやく気づくのが相場の世界でもあります。しかも人間には必ず好不調の波があり、どれだけ優秀な技量を持ち合わせている人であっても、つねに感覚が研ぎ澄まされているとは限りません。
私自身も、見落としや判断ミスとはけっして無縁ではいられません。だからその度に納得できるまで検証し、敗因を究明しています。
古くから「休むも相場」という格言があり、「地合いが悪い場合は手を出さないのも一法」といった意味合いで用いられています。「株鬼流」の場合は解釈が異なっており、たとえ地合いが悪くても、市場のどこかに強い株が存在している限りはけっして休みません。けれど、自分自身の仕掛けに狂いが生じている場合は悪あがきをせずにいったん手を止め、軌道修正を行います。それが、「株鬼流」の「休むも相場」です。
カラ売りできる銘柄をターゲットにする
株鬼流では流動性の高さを表す5つの条件のいずれかを満たしている銘柄に狙いを絞りますが、その中でも「貸借銘柄」にしか仕掛けないことも原則となっています。
なぜなら、それらは流動性が非常に高いからです。
どれだけ株価が強い動きをしていても、発行済み株式数が少なくて流動性の低い銘柄には、自分が望んでいるタイミングで売り抜けられないというリスクがつきまといます。「貸借銘柄」とは、「制度信用取引」においてカラ売りが可能となっている銘柄のことです。ネット証券や『会社四季報』などの銘柄情報には「貸借」などと表示されているので、すぐに判別できます。
逆に「制度信用取引」においてカラ売りができない銘柄は、それだけ流動性が低いのです。しかも信用取引で買うことだけは可能なので、買い残だけが積み上がるという一方通行の状態になります。
相場が上昇していくためにはたくさんの買いが入る必要があるものの、その注文が続々と約定されていくためには相応の売りが出てくることも求められます。
つまり売りものが乏しいとせっかくの買い需要が満たされず、株価はなかなか上昇しないのです。
その点で「貸借銘柄」はカラ売りも可能であるだけに、その分だけ流動性が高く、大量の買い注文も約定しやすくなります。
とにかく「売りものが少ない=株価が上がりやすい」という一般的な解釈は大間違いである点には、くれぐれも注意してください。
大口の投資家が参戦する相場につく
大口の投資家が取引に積極参加している大型株は売買が活発で流動性が高く、また大相場につながる可能性が高いので、株鬼流では大型株が仕掛けの中心になります。
先述したように売りものが乏しいと、買いたい場面で買えず売りたい場面で売れないという状況に陥ることもありますし、小型株に投資しているうちは資金が大きく増えてはいきません。
なお、「買い残は将来の売り圧力となってくる」という一般的な解釈は大変な誤解です。
えてして買い残が急激に膨らむのは、大口の投資家が仕掛けているからです。
まず、彼らは信用取引で大口の注文を入れて買い残を急増させます。
すると、その状況を見た個人投資家の多くは「そのうち決済の反対売買が入って相場が下がるな……」と推測します。
そして、その前にカラ売りしておけば儲かるのではないかと考えるわけです。
こうして想定以上の売りものが飛び交うこととなり、最初に仕掛けた大口の投資家は個人がカラ売りした玉(株)を買えるために、想定以上の玉が大口投資家の手中に入るわけです。
また先述したとおり「板」において上に売り指値がたくさんあるもの、つまり「売り板が厚い」のがよい状態です。
売りものが多くなければ、大口の投資家が買いを入れられないからです。
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