本記事は、ザ・株鬼氏の著書『資産を100倍にする「株鬼流」仕掛けの超基本』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています
「株鬼流」でターゲットとする銘柄の条件
株鬼流において仕掛けのターゲットとなるのは、流動性が高い(活発に売買が行われている)銘柄だと先にも述べましたが、具体的に以下の5つの条件を目安に選別しています。
- 発行済み株式数が1億株以上
- 売買代金が5日間の平均で10億円以上
- 経常利益もしくは営業利益が100億円以上
- 売上高が1000億円以上(ただし、小売業・卸売業・商社等を除く)
- 時価総額が2000億円以上
ただし、これら5つをすべて満たす必要はなく、いずれか1つでも該当すれば株鬼流のターゲットとなります。
流動性に乏しいと、買いたい場面で買えず、売りたい場面で売れないということにもなりかねません。小型株はこれらのいずれかを満たすことが現実的に難しく、株鬼流では基本的に外します。流動性が高くつねに売りものが豊富な銘柄の中でも突出しているものに関して、以前は次のようにランク付けしていました。
・Aクラス=発行済み株式数10億株以上20億株未満 ・スーパーAクラス=発行済み株式数20億株以上
「以前は」と書いたとおり、現在はこのような考え方ではありません。
というのも、2018年までに行われた「株式併合」により、それまでのように単純に計算できなくなったためです。ですので、株鬼流では新たに独自の「Aクラス」「スーパーAクラス」のリストを作成しました。巻末に掲載してありますので、参考にしてください。
このように分類すると、約3500の上場銘柄の中でAクラスに該当するのはごくわずかで、さらにスーパーAクラスともなるとかなり限られてきます。
したがって、スーパーAクラスのチャートにおいて「必勝パターン」が出現したら、大チャンスです。
対照的に、流動性が乏しい銘柄は売買が成立する株数が限られてきますから、おのずと大きく儲けることは難しいこととなります。
「株鬼流」のチャートチェックとは?
ここからは株鬼流のチャートチェック(CC)の方法について解説していきます。
まず、株鬼流のCCで最も重要なのはチャートのパターン分析です。
私が最も時間と労力を費やしているのは、「さまざまな銘柄のチャート上に特定のパターンが出現しているかどうか」のチェックです。
具体的には、株式市場に上場している膨大な銘柄の中から特定のパターンを描いている銘柄のチャートを見つけ出し、株価がどう動くのかを予想しつつ確認することです。
なぜなら株式チャート上には、相場が上昇する可能性が高まっていることを示す特定のパターンが現れるからです。そしてそれら特定のパターンが出たら、以後に株価が法則的な動きをする可能性が非常に高いのです。
したがってそれら特定のチャートのパターンが頭に入っていれば、チャートをひと目見ただけで勝ちパターンを見つけられ、相場の上昇をいち早く察知できるというわけです。
このように上昇が見込まれるチャートのパターンを他の投資家に先駆けて見抜くことができれば、大きな勝ちに結びつくことになります。
なお、チャートのパターンには「相場が上昇する可能性が高まっていることを示すもの」と、「相場が下落する可能性が高まっていることを示すもの」があります。
もちろん「相場が下落する可能性が高まっていることを示すパターン」も覚えておく必要があります。株価が下がるのを事前に察知できれば、うっかり手を出してしまうこともなくなるうえ、素早く売り逃げることもできるからです。
しかし、まずは「上昇が見込まれるチャートの形」から覚えることが大切です。
それには、より多くのチャートを見比べることです。
では、肝心の「勝ちパターン」にはどのようなものがあるのか?
基本的なパターンを列挙すると、次の5つになります。相場がかなり強いことを示すものですから、「必勝パターン」と呼んでもいいでしょう。
・必勝パターン(1)「BC30」 ・必勝パターン(2)「BCブリッジ」 ・必勝パターン(3)「2日千葉」 ・必勝パターン(4)「ソーサー」 ・必勝パターン(5)「W」
株鬼流で最も重要なチャートパターン「N」
前項で5つの「必勝パターン」を紹介しましたが、株鬼流ではその中でも特に必勝パターン①の「BC30」を重視しており、さらにその基本となる形があります。
まずはこちらをきちんと解説しましょう。なおその他の必勝パターンについては、先にも述べたようにBCの攻略も含めて第4章で詳しく説明していきます。
株鬼流にとって、最も重要なチャートの形は「N」です。Nはすべての基本になりますので、しっかり理解してください。といっても、それほど難しいものではありません。簡単にいうと、チャートがアルファベットの「N」の形に見えるパターンのことです。
下の図表3-1を見てください。Nがどのようなものか具体的に説明します。
下降していた、または保ち合いが続いていた足が上昇に転じた陽線の始値をA点とします。なおA点は、陰線ではなく陽線に限りますので注意してください。
そして、安値が前日安値よりも下回った(ケツ下げした)、もしくは高値が前日高値よりも下がった時点でB点がつきます。このときは陽線か陰線を問わず、ケツ下げした足の前日の高値がB点となります。
図表3-1のA点から上昇し始めた株価がB地点でいったん反落しますが、その下落がC点で止まり、再び上昇に転じたとき、チャートは「N」の形になります。
押しが浅く下げ止まり、力強く切り返してきた「N」はよい形です。このパターンが出現してB点を抜けたら、その後はさらなる上昇が見込まれます。たとえるなら、大きくジャンプするために、いったんしゃがみ込んでエネルギーを溜めているイメージです。
先にも述べましたが、相場はエネルギーです。このエネルギーが溜まっていき、それが放出されるというイメージを持つことが大切なのです。チャートチェックをするときは、まずは「週足」と「日足」、そしてトレンドを探るうえで「月足」を見るという手順で、「N」の形を探すところから始めます。
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