本記事は、ザ・株鬼氏の著書『資産を100倍にする「株鬼流」仕掛けの超基本』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています

「株鬼流」にとって株式投資は戦いである

戦い
(画像=artursz/PIXTA)

株鬼流は株取引の売買を「仕掛ける」と表現します。

この「仕掛ける」という言葉をまず覚えていただきたいと思います。

株鬼流では、好機と捉えて狙いを定めた銘柄に「買い」、あるいは「売り」を入れることを「仕掛ける」と表現します

ではなぜ、株鬼流は株取引の売買を「仕掛ける」と表現するのか?

株鬼流は「株式投資=戦い」と捉えているからです。

一般の投資家はこの意識に欠けていると思われます。

誰もが身銭を投じている以上は、命をかけるぐらいの気持ちで相場に挑むべきではないでしょうか。なかなか勝てないという投資家には、そうした覚悟がありません。

そのため、うまくいかなかった場合はすぐに落ち込んで弱気になるのです。

こうした姿勢は、いわば負けることを半ば前提としているようなもので、そうなると勝てる確率は必然的に低くなってしまいます。いわば、負け戦の連続です。

一方で、株鬼流は株式投資を本気の仕掛けとして取り組みます。

仕掛けるときは、動機が明確で揺るぎないものであることが大前提となります。

つまり株鬼流において仕掛けの好機と決断するのは、かなりの勝算がある局面に限られることになります。ここまで徹底するからこそ「常勝」できるわけです。

もちろん、それでも見込み違いの展開となるケースも出てきます。

ですが、それは相場の宿命というもの。そうした場合は、潔くLC(ロスカット)をします。そもそもLCは「名誉の負傷」であると捉えるべきなのであって、速やかにLCをしておけば、大きく負けて新たな仕掛けのための元手を失わなくてすみます。

要するに株鬼流は、つねに勝算があるから強気で仕掛けられるわけです。

運悪くLCをしたとしても、LCによるカスリ傷程度の負けは次の仕掛けで簡単に取り返せます。この意識が大切なのです。

「株鬼流」は高値で仕掛けて、より高値で手仕舞う

続いては、株鬼流における売買の基本です。

狙いをつけるのは、基本的に目の前で高値をつけている銘柄です。

株式チャートで目当ての銘柄の動きが強いと判断できれば仕掛け、そして目指した高値で手仕舞う(ポジションをゼロにする)という投資スタイルを貫くのが株鬼流です。

おそらく、この手法にある種の違和感を覚える人も少なくないでしょう。

ですが、それは無理もないことです。安いから買うといった世間で一般的にいわれる株式投資のテクニックとは、かなり異なるからです。

株式相場で継続的に利益を上げられる個人投資家が限られているのは、先にも述べたように投資に対して勝つという意識を強く持っていないからです。

そして一般的によいとされている株式投資の考え方に、影響を受けているからです。

たとえば、株式用語に「押し目買い」というものがあります。

個人投資家の多くは「値ぼれ」で買いを入れてしまいがちですが、押し目買いのような弱気の手法は、株鬼流では御法度と考えています。

そうはいってもピンとこない人もいるでしょうから、具体例で説明します。

たとえば、300円だった株価が400円まで上昇した後に350円まで下がってくると、多くの人は安くなったと感じてしまうのではないでしょうか?

そのため安くなったところで買えば、株価がまた上昇したときに売れば儲かると期待して買いを入れるわけです。ただし、株価がすぐに上がるかどうかはわかりませんし、反対に大きく下げることもあります。それなのに、値ぼれで買ってしまう。

これが相場の世界で「押し目買い」と呼ぶもので、実は大きく負ける要因になっているのです。やってはいけない行為といえます。

地合いがいいときに押し目買いで成功したことがある人は、過去の成功体験に惑わされてかせっせと押し目買いを繰り返します。ですが、株価が下がっている過程では、それが一時的な動きなのか、あるいは本格的な下げに転じたのかは区別がつかないはずです。

にもかかわらず、同じことを繰り返しては負けを大きくしてしまいがちなのです。

不確かな状況なのに、確かな根拠もなく「また上がるはずだ」と思い込んでしまうから負けるのです。それよりも、実際に「浅い押し(下げ)」で下げ止まり、再び勢いよく上昇し始める銘柄を買うほうが、はるかに確実です。

つまり「押し目買い」を好む投資家たちとは逆の姿勢で、「安くなっている株」ではなく、「高くなり始めている株」に目を向けるのです。

なかには「株は安く買って高く売る」と説く専門家もいますが、それは大きな誤りです。安くなった株が反転して高くなる可能性よりも、高くなってきた株がいっそう高くなる可能性のほうがはるかに大きいからです。

このように株鬼流では「価格が高いか安いか」で仕掛けの判断はしません。

あくまで、「その銘柄が強いか弱いか」をチャートの形を分析することで確認します。「高くなり始めた株価がいっそう高くなる」のは、それだけその銘柄が強い(勢いづいている)ということを示しているからです。

資産を100倍にする「株鬼流」仕掛けの超基本
ザ・株鬼(ざ・かぶき)
金融情報を提供する株式会社エイティフィンテックの代表パートナーで、株式投資サイト「ザ・株鬼」を運営するカリスマ相場師。1947年、東京生まれ。大学卒業後、証券会社に入社。チャート分析の有効性に気づき、さまざまなテクニカル手法を研究、株式相場の面白さに開眼する。証券会社退社後、株式投資をしながら相場研究を続け、自身の成功体験にもとづいた独自の株式投資法を編み出す。実戦においては資金を200倍以上に増やす。2000年以降、株式投資講座で「株鬼流」株式投資法を講義、個人投資家の育成に努めている。受講者は2500人を数え、著者の自宅道場で合宿指導を受けた内弟子は600人余り。内弟子の多くは資産100倍を実現しているうえ、なかには1000倍にした強者もいる。「株鬼流」は株式投資の流派であるとし、株鬼門下の人たちは「株鬼一門」と称する。「株鬼流」は、「株は格闘技である」と考え、常に強気の姿勢で相場と闘うことを信条としている。2020年10月から始めた日々の株式市況についてさまざまな情報を提供するnoteの「株で億万長者! 株鬼の投資塾」では、日刊記事と週刊記事を配信している。

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