不動産投資において物件を購入する前には、実際に物件を訪れて現地確認をしておくのが得策です。

しかしながら、遠方にある物件の購入を検討している場合などには、距離的・時間的な制約があるため購入の検討段階に入ってすぐに現地確認をする余裕がないことも少なくありません。

特にコロナ禍においては移動が制限されることも多く、物件の現地確認が行いにくいため、現地確認をしないまま購入に踏み切らざるを得ないことも想定されます。

本記事では、物件購入において現地確認が必要な3つの理由および現地に行くことができない場合の3つの代替手段について解説します。

地図や写真だけでは分からない!現地確認が必要な理由3つ

現地に行けない!物件購入前に現地確認ができない場合の代替手段3選
(画像=AndreyPopov/stock.adobe.com)

正確な投資判断をするために、物件購入前に現地確認をしておく必要がある理由は以下の3つです。

・物件周辺の雰囲気を知るため
・生活利便性を確認するため
・物件の現状を細かく確認するため

投資判断の材料を収集するにあたり、地図や写真から得られる情報だけでは判断できないことも多くあるため、可能な限り自分の目で現地確認をしておくのが得策です。

いずれにおいてもその物件を借りて住む入居者の目線を持つことで、どのような世帯がメインターゲットになるか、長期的に賃貸需要が旺盛かといった点を判断しやすくなるでしょう。

物件周辺の雰囲気を知るため

物件から徒歩圏内のエリアや最寄駅の雰囲気は現地確認をしなければ分からないことも多いでしょう。

具体的には、若年層向けの賑やかな雰囲気か、ファミリー向けの落ち着いた雰囲気かといった点や、周辺に住んでいる世帯には単身男性が多いか、ファミリーが多いか、女性でも安心して一人暮らしができるかといった点などです。

物件周辺の雰囲気から、どのような世帯がメインターゲットになるかということを考えるうえでの判断材料が得られるかもしれません。

生活利便性を確認するため

生活利便性において、実際に現地確認をしなければ判断しにくいこととしては、具体的に以下のような点が挙げられます。

・最寄駅までの動線の良し悪し
・交通量の多さによる悪影響(騒音や排気ガス等)の有無
・夜間の歩きやすさ(街灯や人通りの多寡)

地図上では最寄駅から近いと認識していたが坂道が多いため実際に歩くと想定以上の時間がかかる、交通量の多い道路が目の前にあるため窓を開けられないといったことが現地確認の結果で分かるかもしれません。

上記のような点は入居者の募集活動をするうえでネガティブな要因になる可能性もあるため、物件購入前に認識しておく必要があるといえます。

物件の現状を細かく確認するため

建物の現状において、実際に現地確認をしなければ判断しにくいこととしては具体的に以下のような点が挙げられます。

・実際に物件を見た時の第一印象
・写真では分からない細かな損傷や劣化
・住戸内の日当たり
・向かいの建物との見合い
※見合い:隣接する建物と窓やベランダ同士が向き合っており、相互の室内が見えてしまう状態

写真や地図だけでは建物や住戸内の現状を詳細に確認することは困難であるため、修繕が必要な箇所や住戸内における生活環境を購入前に確認しておくのが得策です。

修繕が必要な箇所を列挙して修繕見積もりとともに売主に提示することで、売主の費用負担で修繕をしてもらえたり、価格交渉ができたりする可能性があるため、コストの削減に寄与することがあるかもしれません。

物件購入前に現地確認ができない場合の代替手段3選

物件購入前の現地確認は可能な限り行っておくのが得策ですが、時間的・距離的な理由で時には行えないこともあり得ます。

そのような場合には、現地確認に代わる手段として以下の3つを検討するといいでしょう。

・不動産業者に現地撮影(写真・動画)を依頼する
・写真付きのオンライン地図を確認する
・生活環境に関する口コミを参照する

実際に現地に行って自分の五感で確認するのと近い状態にするために、とり得る手段を活用しましょう。

不動産業者に現地撮影(写真・動画)を依頼する

物件現地の実際の状況を把握するために、実際に自分で現地確認をする際と同じ目線で撮影された写真や動画が有効な材料になるでしょう。

売買を仲介してもらう不動産業者に依頼をして、以下のような項目についての写真や動画を撮影してもらうのも選択肢の一つです。

・最寄駅の雰囲気
・最寄駅から物件までの動線
・物件の外観
・共用部分(駐輪場、駐車場、ゴミ置き場等)
・エントランスから住戸に至るまでの動線
・物件内の各設備(宅配ボックス、エレベーター、エアコン、給湯器等)
・住戸の眺望および日当たり

入居者目線で物件および周辺エリアを見ることで、強み・弱みや入居者募集活動の戦略などの重要な情報を得られる可能性が高まります。

不動産業者が動く分、撮影に時間を要したり出張費等の追加費用(交通費、駐車場代、宿泊費等)が発生したりすることも想定されますが、正確な投資判断のために必要な情報をピンポイントで取得できることが望めるため、十分に検討に値する代替手段といえそうです。

写真付きのオンライン地図を確認する

ネット上で利用できる地図にはGoogleマップ、Google Earth等があり、現地確認の代替手段として活用できるでしょう。

オンラインの地図には、歩行者の目線で道を進みながら360度全方向を見渡したり、上空からエリア全体を俯瞰したりする機能があるため非常に便利です。

最寄駅から物件までのコースをオンライン上で歩きながら、動線や周辺にどのような施設があるのかを確認することができます。

物件の敷地内に入って建物全体をくまなく確認するまでことはできませんが、物件の外観を見て印象を掴んだり生活利便施設(コンビニ、飲食店、日用品店等)の充実度を測ったりすることは可能です。

ネット環境があれば即時にアクセスして情報を得ることができ、無料で利用することができるため、時間がない場合やコストをかけたくない場合などに有効な代替手段といえるでしょう。

生活環境に関する口コミを参照する

写真、動画、地図等を利用することで物件周辺の雰囲気や生活利便性を概ね把握することはできますが、「実際に住んでみてどう感じるか」という第三者的な意見まで把握するのは困難です。

ネット上で「〇〇(地名や駅名) 住みやすさ」などのキーワードで検索をすると、その町の住み心地に関するレビュー記事や実際に住んでいる人の意見がまとめられたサイトを閲覧でき、投資判断をするうえで役立つ情報を取得できる可能性があります。

住環境としての良し悪しは実際に住まなければ分からないことも多くあるため、第三者の意見として参考にするのも選択肢の一つです。

上記のサイトを参照する際の注意点としては、あくまで個人の感想である場合も多いため全面的に鵜呑みにするのは得策ではないということです。

写真、動画、地図等から得られる客観的な情報を補足する形で参考にするという程度にとどめておくのがいいかもしれません。

現地の情報を知らずに物件を購入するのは危険

実際に現地確認をしなくとも一定程度の情報を容易に取得する手段は多数存在しますが、「実際にその物件を購入するか否か」という投資検討の最終段階においては、可能な限り現地確認をするのが得策です。

写真や地図で見る限りは見栄えも良く賃貸需要が旺盛に思える物件であったとしても、実際に現地を確認すると当初のイメージとは異なっていたということもあり得るためです。

現地確認をしなかったために賃貸経営をするうえで重大な点を見落とし、空室を埋めるのに苦戦したり大きな修繕費がかかったりして、当初の資金計画の通りに賃貸経営ができなくなるということも想定されます。

物件購入前に現地確認をせず、現地の情報を知らずに物件を購入するのは危険といえるでしょう。

(提供:Incomepress



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