PEST分析で外部環境を分析する方法

SWOT分析のなかでも、機会・脅威の外部環境はまとめることが難しい。後になってから想定外の外部環境に気づかされるケースも多いので、SWOT分析はPEST分析と組み合わせて活用することをおすすめする。

PEST分析とは、自社の外部環境に絞って情報収集や分析ができるフレームワークのこと。具体的には以下の4つの要素に分けて、自社に関係する外部環境要因を書き出していく。

経営戦略を漏れなく分析する方法とは?SWOT分析やPEST分析などの正しい使い方

PEST分析は外部環境を細分化するフレームワークなので、活用するとSWOT分析の機会・脅威を簡単に洗い出せる。また、一つひとつの要因を丁寧に書き出せば、各要因が自社に及ぼしている影響を見直すきっかけにもなるだろう。

ただし、PEST分析において書き出した環境要因は、いずれも時間とともに変化するものだ。固定的な要因は存在しないため、書き出した内容はこまめに見直すことが必要になる。

さらにブラッシュアップしたい場合は、ファイブフォース(5Forces)分析も効果的

経営戦略や外部環境分析をさらにブラッシュアップしたい場合は、次に紹介する「ファイブフォース分析」の活用も考えたい。ファイブフォース分析は、自社に影響を及ぼす要素を5つの項目に分けることで、外部環境を漏れなく分析・把握するフレームワークだ。 

経営戦略を漏れなく分析する方法とは?SWOT分析やPEST分析などの正しい使い方

上記の図だけでは理解が難しいため、以下ではそれぞれの項目に記載する内容をまとめた。

経営戦略を漏れなく分析する方法とは?SWOT分析やPEST分析などの正しい使い方

ファイブフォース分析の各項目を書き終えたら、次は縦軸と横軸に分けて分析をしていく。

例えば、「新規参入業者・既存の競合会社・代替品」の縦軸に注目すると、自社が確保できる市場シェアや収益性を見極めやすくなる。また、縦軸の3つの項目を比較すれば、「自社にとっての一番の脅威」が明白になるはずだ。

「売り手・既存の競合会社・買い手」の横軸については、以下のようにそれぞれの力関係を確認した上で、現在の市場動向を分析する。

・「既存の競合会社<売り手」の場合…仕入れの値下げ交渉が難しいため、収益性が下がる。
・「既存の競合会社<買い手」の場合…価格競争によって企業の収益性が下がる。
・「既存の競合会社>売り手」の場合…値下げ交渉が可能になるため、収益性が上がる。
・「既存の競合会社>買い手」の場合…値上げの影響が少ないため、収益性が上がる。

複数の工程が必要になるものの、5Force分析は外部環境を的確に分析できるので、ぜひ活用することをすすめたい。