経営方針に迷った場合は?戦略立案に役立つ3つの手法

経営戦略の策定ではさまざまな経営環境を意識する必要があるので、そもそも基本的な方針や戦略を立案する段階で迷ってしまう経営者もいるだろう。そこで次からは、方針や戦略の立案に役立つ3つのフレームワークを紹介していく。

クロスSWOT分析

最初に紹介するクロスSWOT分析は、前述のSWOT分析を応用したフレームワークである。クロスSWOT分析では、SWOT分析で記載した内部環境・外部環境をもとに、以下のような形で今後の戦略を考えていく。

経営戦略を漏れなく分析する方法とは?SWOT分析やPEST分析などの正しい使い方

上記の中でも重要なポイントは、マイナス要因を組み合わせた「弱み×脅威」の内容だ。「弱み×脅威」は自社の深刻な欠点につながるので、リスクを最大限抑えられるような対策を考える必要がある。

PPM分析

次に紹介するPPM分析は、自社が注力すべき事業を見極める際に役立つ。PPM分析では以下のようなマトリクス図を使い、自社の事業がどのポジションに該当するのかを客観的に分析していく。

経営戦略を漏れなく分析する方法とは?SWOT分析やPEST分析などの正しい使い方

・花形…経営資源を投下することで、大きな利益を期待できる事業。
・金のなる木…ある程度の経営資源で、安定的な利益を得られる事業。
・問題児…現状では収益性が低いものの、シェアを獲得すれば花形になる可能性がある事業。
・負け犬…大きな成長が期待できない事業。

上記のうち「負け犬」に該当する事業がある場合は、すぐに撤退を検討することが重要だ。
その分の経営資源をほかの事業に回すことで、経営環境を大きく改善できる可能性がある。

一方で、「花形」や「問題児」に該当する事業に対しては、引き続き積極的な投資を行っていきたい。

アンゾフの成長マトリクス

最後に紹介するアンゾフの成長マトリクスは、経営の正しい方向性を分析してくれるフレームワークだ。このフレームワークでは以下のようなマトリクス図を作成することで、新しい市場への進出や事業拡大の可能性を模索していく。 

経営戦略を漏れなく分析する方法とは?SWOT分析やPEST分析などの正しい使い方

上記の「例」の部分には、現時点で自社が実現できる戦略を記載する。もし記載できる箇所がある場合は、さらに市場の調査や分析を進めていき、より具体的なプロジェクトへと落とし込んでいく。

ただし、新規製品の開発や新規市場には潜在的なリスクが潜んでいるため、十分に情報収集をした上でプロジェクトを組み立てたい。PPM分析など他のフレームワークを活用することも可能なので、アンゾフの成長マトリクスだけで判断しないように注意しておこう。