本記事は、カレー沢 薫の著書『反応したら負け 仕事のストレスを受け流す33のヒント』(PHP研究所)の中から一部を抜粋・編集しています

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(画像=PIXTA)

パワハラ上司に潰されない方法

パワハラは身体を壊す原因

ビジネスで「サクセス」することの反対は「失敗」ではない。

かと言って「スセクサ」でもない。ビジネスで一番避けなければいけないこと、それは「仕事で身体を壊すこと」だ。

「パワハラ」はデスクの角に脇腹をぶつける次に「仕事で身体を壊す原因」となっている。早めに対処しないと、仕事どころか命に関わる。まず大事なのは「これはパワハラじゃない」と己に言い聞かせて問題を先延ばしにするのをやめることだ。

パワハラと言ったら、恫喝(どうかつ)や机を叩いたり、椅子を蹴る、平手打ちの後にディープキスなどを想像すると思う。ここまで来れば完全なパワハラであり、最後のはセクハラまで入っているのだが、パワハラというのは、ここまでわかりやすいものだけではない。舌打ちや、クソでか溜息連発、無視など、静かなものも立派なパワハラに入る。

しかし、パワハラとは怒鳴ったり「派手なもの」というイメージがあると、「これはまだパワハラとは言えない」と思い込んでしまい「自分が無能だから注意されているだけだ」という自己嫌悪に陥ってしまう。

上司の言動を苦痛に感じているのに「これはパワハラではない」と思い込もうとするのは、ガンを風邪と言い聞かせて病院に行かないのと同じだ。世間の「パワハラの定義」などより「今、自分が感じている苦痛」の方を信じて対処すべきなのだ。

孤立しないよう対処は早めに!

では、「パワハラを受けている」と確信した場合どうしたらよいだろうか。

一番大事なのは「孤軍奮闘」しないことである。

「パワハラ」というのは、今更説明するまでもないが「立場が上の人間が下の人間に行う嫌がらせ」のことである。つまりタイマンだと最初からこちらが不利なのだ。

このハンデを埋めるには「武器」もしくは「仲間」が不可欠だ。

武器というのは、そのまんま「引き出しにジャックナイフを忍ばせること」である。「いざとなったらこれで」と思ったら、心穏やかに仕事が出来るし「俺は机にジャックナイフを忍ばせとる男やぞ」と思えば、パワハラ発言に毅然(きぜん)と立ち向かうことが出来るだろう。しかし、パワハラ被害者である自分が加害者になってしまうなどバカらしいことである。

よって、まずは「仲間」の方をお勧めする。

一番よいのは、同じ上司からパワハラ被害を受けている者と協力することだ。上に訴えるにしても複数人の方が心強いし、被害人数が多ければ上も「由々(ゆゆ)しき事態」と捉えてくれる可能性が高まる。ジャックナイフの出番がきた場合も「上司を羽交い絞めにしてくれる仲間」がいた方が狙いが定めやすくて一石二鳥である。

同志がいなければ周囲に「上司にパワハラを受けている」と言いまくるだけでもいい。いずれそれが上司本人の耳に入れば、保身のためにパワハラをやめるということもある。

何にしても一人で抱え込まないことだ。むしろ一人で抱え込めば抱え込むほど、ジャックナイフの出番がきてしまう。

最後に「直接対決」はしないことだ。必ず上司より上か外部機関に訴えた方がいい。さもなくばパワハラがエスカレートする恐れがある。

「対処は早めに」「孤立しない」「直接対決はジャックナイフを持っている時だけ」この3つを心がけよう。

まとめ:パワハラ上司は仲間と協力して訴える

反応したら負け イラスト1
(画像=反応したら負け 仕事のストレスを受け流す33のヒント イラスト1)
反応したら負け 仕事のストレスを受け流す33のヒント
カレー沢 薫(かれーざわ・かおる)
1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。18年までOLとしても働き、20本近くの連載を抱える大人気兼業作家として活動していたが、現在は漫画家・コラムニストに専念。第24回文化庁メディア芸術祭において、『ひとりでしにたい』(モーニングKC)が「マンガ部門」優秀賞を受賞。受賞の際、「卓越した言語感覚でコラムなどの書き手としても活躍する、今最も注目すべき作家の一人」と評される。著書に、『モテるかもしれない。』(新潮社)、『人生で大事なことは、みんなガチャから学んだ』(幻冬舎文庫)、『カレー沢薫のワクワク人生相談』(太田出版)、『負ける技術』(講談社文庫)など多数。

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