金融機関とは良好な関係を築くことが大切

中小企業は資金調達を金融機関の融資に頼ることが多い。そのため金融機関との取引実績を作り良好な関係を築くことが大切である。困ったときに相談に乗ってくれる金融機関をメイン行とすれば資金繰りの力強い味方となってくれるだろう。

企業の信用が高いほど金利は低くなる

先述したように企業の信用が低い場合は、金利が高めに設定されるのが一般的。裏を返すと企業の信用力が高ければ金利は低くなる可能性もある。金融機関は取引実績を重要視しているため、お金を借りて滞ることなく返済することも「約束を守る堅実な企業」として実績となり、企業の信用につながる。逆に返済遅延の実績がある場合は、その後の融資判断に大きく影響するだろう。

また融資の審査は企業の返済能力を審査するものでもあり、企業の各種経営指標が融資の審査に大きく影響する。例えば「キャッシュ・フローに余裕がある」「収益力が高い」「財務内容に問題がない」といった企業の場合は、返済能力が高いと判断される可能性が高い。そのため経営者は、自社の財務内容や経営指標を把握し金融機関から説明を求められた際にきちんと説明できるようにしておかなければならない。

高金利の借り入れがあると融資が受けられないことがある

高金利の借り入れがある場合は注意が必要だ。なぜなら企業の信用が高いほど金利は低くなり、高金利の借り入れがあるということは「高い金利でしか融資が受けられない理由がある」と疑われる可能性があるからだ。手続きが簡単で審査が早いからといって安易に高金利のビジネスローンを利用することは、銀行にリスクが高いという印象を与えかねない。堅実な企業であれば利息負担が大きい高金利の借り入れはしないだろう。

また税金や社会保険料の滞納にも気をつけたい。融資を申し込む際には納税証明書の提出を求められることが多く、税金の滞納があると企業の信用を疑われ融資を受けるのは困難になる。各役所と相談しつつ計画的に滞納している税金を納め滞納額が減少しているケースでは、金融機関の審査が通る可能性はゼロではない。

しかしこれはレアケースといえるだろう。税金を滞納しているケースでは、不動産担保を提供したとしても難しい。なぜなら税金には先取特権があり、法定納期限が抵当権設定日よりも前の場合、たとえ順位が第1順位の抵当権でも税金が優先して回収されてしまうからだ。税金は滞納することなくしっかりと納めておかなければならない。