DX実現に向けて取り組む方法
DX実現に向けた取り組む方法やポイントについて解説していく。
DX実現における3つの柱
DX実現を目指す場合は「経営変革」「ビジネス変革」「IT変革」といった3つの視点から実施することが必要である。特にトップがDXの本質を理解していないとビジョンや戦略を固めることが難しい。本腰を入れていくためには、経営者や管理職層が経営とDXの関係を深く理解したうえで従業員と理念やビジョンを共有し、全社的に意識改革を進めていくことが必要だ。
既存ITシステムの再構築
経済産業省によるガイドラインでは、既存システムの負債を解消しDXを推進していくための、4区分の提案がなされている。
段階的なクラウド化を視野にした体制づくり
着実にDXを推進していくためには、段階を追った体制づくりをしていくことが重要となる。全社を通じてクラウド化に取り組み、システム構築に向けたガバナンスをもとに以下の段階を踏んでいくことが必要。
- 専属チームの発足・人材育成
- 業務環境のオンライン化
- 業務プロセスのデジタル化
- 従業員の安全・健康管理のデジタル化
- 顧客接点のデジタル化
- メインシステムのクラウドへの移行
DX推進においては、組織自体の硬直化が障害となる。DXを順調に進めている企業には、経営、各事業部門、DX推進担当、情報システム部門から推進役となる人材を招集し、全社を横断するチームとしてDXをけん引している例が見られる。そうした事例を参考にDX実現に向けた自社なりの体制づくりを考えなければならない。
資金の確保
資金の確保は、DXに関する喫緊の課題となるだろう。考えられる方法としては、既存システムの切り捨てによりムダな負担を減らして改革に回すのが現実的だ。新たに大きな負債を抱えるよりもまずは自助努力を検討したい。豊富な資金を持つ大企業でない場合には、いきなり大がかりに始めるのではなく、中長期の視点でコンパクトな達成を積み重ねていく手法が良いだろう。
DX推進に活用できる助成金もある。「IT導入補助金」や「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」など、公的支援を活用してシステムの導入や整備を図ることで、DXへの取り組みを加速していくことができる。
まずはDXの本質と必要性の理解から
時代の流れは、止めることができない。昨日よりも今日、さらに明日と刻々と進化が続く。既存の老朽したシステムにしがみついている企業は、市場だけでなく社会にもついていけなくなるだろう。自社の小さな取り組みが日本経済の未来へとつながる。まずは、DXの本質と必要性を理解し、すぐに取りかかれるところから始めよう。