DXの業種別事例

DXの推進事例を業種別に紹介していこう。

小売業

・株式会社セブン&アイ・ホールディングス
2020年4月に「グループDX戦略本部」を発足して以降、グループ共通の「DXプラットフォーム」の構築やIT人材の採用・育成に注力。また「グループDX戦略マップ」を策定し、横断的にグループ全体で取り組む体制づくりを実施している。

・アスクル株式会社
ビッグデータ活用や最先端の物流プラットフォーム構築により、データやテクノロジーを駆使したビジネストランスフォーメーションを実施。「DXの基盤となる人材の育成経営」「オペレーション」「テクノロジー」といった3つの視点からの変革を行っている。

製造業

・日立製作所
先進的なデジタル技術を用いた取り組みとそこから培われた新たなソリューションの提供を行うことで高い評価を得ている。すでにIoT技術やデータ分析などを活用、開発・設計・運用保守まで、最適化する取り組みを長年実施しており、世界の先進工場「Lighthouse」に選出。さらにこの取り組みをソリューションとして提供する。

・三菱電機
持ち味の強いコアコンポーネントに機器の知見や最適化ノウハウなど豊富なフィールドナレッジ、先進的デジタル技術を掛け合わせて同社独自の統合的なDX戦略を推進している。

物流業

・デンソー
2017年に「デジタルイノベーション室」を開設。コロナ禍のリモートワークでも開発生産性を低下させなかった点でDXが着実に進められていることが実証された。

・日本郵船
船上電子通貨の実用化や運航スケジュール策定支援システムの開発、デジタル人材の育成強化など安全運航、環境保全と業務改善を同時に実現するなど、幅広いDXを推進。DXをESG(環境・社会・ガバナンス)課題の解決の能力ととらえ、正確なデータの取得とその徹底した活用を進めている。

建設業

・鹿島建設
社全体を変えていくための基盤整備「業務DX」、建設事業そのものを変革する「建設DX」を軸に取り組みを進め、顧客・社会に新たな価値を提供する「事業DX」へと向かっている。DX推進の鍵を握る人材育成や外部からの登用、オープンイノベーションによる協働を重視。

・ダイダン
WEB会議システム、共通のCADシステム、クラウドサーバーなど各種デジタルツールを駆使。遠隔地の建設現場への支援を行う。遠隔地から建物設備の稼働状況やエネルギー消費状況を監視できるクラウド型ビル監視制御システムを開発。エンジニアが現地へ赴くことなくビルの維持管理を実現している。

通信関連業

・クラウドサイン
電子契約により契約業務を効率化するWeb完結型クラウド契約サービスを提供。各業界、各業種において契約の締結にかかる期間を大幅短縮。社内のDXへの意識向上にも貢献する。

・SmartHR
総務・労務に関わる業務をデジタル化。クラウドでの給与明細作成・配布、社会保険・雇用保険の電子申請など、社内フローから紙やハンコを排除できる環境を提供する。DXを段階的に進めていくためのベースづくりに貢献。

工業・化学

・旭化成株式会社
AIを活用した製品検査自動化・ 設備異常の予兆検知・IoTツールを活用した業務の高度化などにより生産効率・収率の向上で成果を得る。ビッグデータ事業を強化し、新事業の創出、M&Aなどに活用するIPランドスケープ活動を全社で推進した。

・ユニ・チャーム株式会社
遠隔地からでもリアルタイムに顧客の状況を観察・理解ができ製品の品質安定性の監視と的確な業務指示が可能な「デジタルスクラムシステム」を開発。同社は、DXの目的を「新商品の開発や新改良品」「新規のカテゴリー開発につながる顧客インサイトの発見」とし、3現主義(現場・現物・現時点)とともに社の内外をサポートする体制づくりを推進している。

サービス業

・三井不動産
グループ全体のDX方針は「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」だ。同グループが扱う「オフィス」「住まい」「商業施設」「ホテルリゾート」「街づくり」「ロジスティクス」の各分野においてDXを同時進行。グループのサービスすべてにデジタルを活用することで、各分野まんべんなく顧客のニーズに対応する。

医療・ヘルスケア

・大塚製薬
薬品業界の中でも他社との協業を積極的に進めている同社は、NECと共同で服薬をアシストするIoT服薬支援容器の共同開発を実施。さらに医薬品と医療機器を一体化した「デジタル薬」の実用化に至っている。また問い合わせ業務にAIを活用するなど、事業の各領域でデジタルテクノロジーを取り入れ横断的DXをダイナミックに進める。