目次

  1. 都心6区とは?地価やマンション価格は?
  2. 都心6区における賃貸物件のメリット・デメリットの比較
  3. 不動産投資に生かせる都心6区の特徴と平均家賃
  4. 「新都心6区」とは?
  5. 都心物件でも契約前に稼働状況の確認を
  6. 東京23区に関するよくあるQ&A

本コラムでは、東京23区でも都心6区に賃貸物件を保有するメリット・デメリット、それぞれの特徴、新都心6区について詳しく解説する。

【本コラムのポイント】
都心6区の賃貸物件を選んだ際のメリット
 ・賃貸物件の資産性(=物件価格、評価額)を維持しやすい
都心6区の賃貸物件を選んだ際のデメリット
 ・価格が高額なため利回りが低い傾向にある
 ・選択できる物件が少ない

都心6区とは?地価やマンション価格は?

不動産投資で都心6区を選ぶ際のメリットとデメリット
(画像=manabu不動産投資編集部)

都心6区は、他と比べて「地価や物件価格が高い」といわれている。はじめに、具体的な地価やマンション価格の相場をデータで確認していく。

都心6区が地価ランキングの上位を独占

都心6区とは、千代田区、中央区、港区、文京区、渋谷区、新宿区のエリアのことだ。この都心6区から文京区を除いたエリアを都心5区、都心5区のうち千代田区・中央区・港区に限ったエリアを都心3区ということもある。いずれにしても都心6区は、アドレス(地名)のブランド力がある東京都内でもとりわけ地価が高いエリアと言えるだろう。

不動産投資で都心6区を選ぶ際のメリットとデメリット
(画像=manabu不動産投資編集部)

この地価の高さは、東京23区別の平均公示地価(住宅地)を高い順に並べるとわかりやすい。

<東京圏の概況 市区の住宅地の平均価格等>

順位区名平均公示地価
(1平方メートルあたり)
1位千代田区279万1,400円
2位港区214万9,700円
3位渋谷区138万6,700円
4位中央区138万6,400円
5位文京区105万7,100円
6位目黒区101万3,300円
7位台東区98万700円
8位品川区90万5,900円
9位新宿区85万1,700円
10位豊島区67万5,500円

結果は、上記のランキングのベスト5をすべて都心6区が占めている。ベスト5に入らなかった新宿区でもランキングの9位と上位だ。都心の地価が高い理由の一つは、歴史のあるアドレスが集中しているからだと考えられる。現在地価が高い住宅地の一例は、以下の通りだ。

・千代田区:六番町、三番町、一番町など
・港区:赤坂、白金台、南麻布、南青山、高輪など
・渋谷区:恵比寿西、松濤、南平台町など
・中央区:佃、勝どきなど
・文京区:本駒込、本郷など
・新宿区:南元町、市谷仲之町など

都心6区はマンション価格も圧倒的に高い

「地価が高い」ということは、必然的に賃貸物件の仕入れ価格も高くなる。東京カンテイの「中古マンション価格(70平方メートル価格換算)」データによると「都心6区」「城南・城西6区」「城北・城東11区」の平均価格は、以下のように差がある状態だ。

<70平方メートルあたりの中古マンション平均価格の推移>

都心6区城南・城西6区(※1)城北・城東11区(※2)
2022年2月9,616万円6,515万円5,051万円
2022年3月9,696万円6,566万円5,126万円
2022年4月9,735万円6,556万円5,173万円
2022年5月9,772万円6,597万円5,168万円
2022年6月9,791万円6,683万円5,219万円
2022年7月9,811万円6,679万円5,256万円
2022年8月9,832万円6,714万円5,287万円
2022年9月9,868万円6,743万円5,326万円
2022年10月9,950万円6,762万円5,348万円
2022年11月1億13万円6,741万円5,342万円
2022年12月9,983万円6,799万円5,339万円
2023年1月9,965万円6,848万円5,328万円
2023年2月1億38万円6,853万円5,312万円
2023年3月1億178万円6,932万円5,309万円
※1:城南・城西6区=品川区、目黒区、大田区、世田谷区、中野区、杉並区
※2:城北・城東11区=都心6区および城南・城西6区以外
出典:東京カンテイ「中古マンション70㎡価格月別推移」より株式会社ZUU作成

同じ面積の中古マンションでも都心6区は城南・城西6区の約1.5 倍、城北・城東11区の約1.9 倍の平均価格になる。

都心6区における賃貸物件のメリット・デメリットの比較

都心6区の賃貸物件は、エリアが限られているため希少性が高い点が大きな特徴だ。メリットとデメリットは表裏一体ともいわれるが、都心6区の希少性はまさにこれに当てはまる。つまりメリットとデメリットどちらにも「希少性の高さ」が大きな影響を及ぼしているということだ。

【メリット】
・資産性を維持しやすい

【デメリット】
・価格が高額で利回りが低い傾向
・選択できる物件が少ない

都心6区の賃貸物件を選んだ際のメリット

・資産性を維持しやすい
賃貸物件の資産性(=物件価格、評価額)を維持しやすいことは、都心6区のメリットの1つだ。富裕層の中には「資産を守りたい」「目減りさせたくない」というニーズを持つ人がいる。こういった富裕層と資産性を維持しやすい都心6区は相性がよい。例えば、2015年と2023年の「都心6区の中古マンション価格(70平方メートル価格換算)」を比較すると安定的に推移している。

<2015年1月と2023年3月の中古マンション価格(70平方メートル価格換算)の比較>

エリア2015年1月の価格2023年3月の価格左の期間の上昇率
都心6区6,201万円1億178万円約164.13%
城南・城西6区4,658万円6,932万円約148.82%
城北・城東11区3,385万円5,309万円約156.84%
出典:東京カンテイ「中古マンション70㎡価格月別推移」より株式会社ZUU作成

上記の期間は、東京都内の他のエリアでも中古マンション価格が上昇している。しかし都心6区の上昇率は、人気エリア品川区や目黒区などを擁する城南・城西地区を上回っているのが特徴だ。

都心6区の賃貸物件を選んだ際のデメリット

一方のデメリットだが、「価格が高額なため利回りが低い傾向」「選択できる物件が少ない」点が挙げられる。それぞれを見ていこう。

・価格が高額で利回りが低い傾向
本記事の冒頭で見てきたように、東京23区の中でも都心6区はとりわけ地価や物件価格が高い傾向にある。2022年12月に発表されたマンションリサーチ株式会社の「中古マンション流通レポート 2022年12月」によると、東京23区と都心6区の中古マンションの坪単価は以下のとおりだ。都心6区は、その他の区に比べて比較的高い傾向にあることがわかるだろう。

<東京都23区/2001年以降築平均成約坪単価>

区名2022年末(1坪あたり)
都心6区港区613万4,335円
渋谷区610万5,375円
千代田区600万1,895円
新宿区460万2,132円
文京区452万5,783円
中央区437万359円
その他の区目黒区456万6,707円
豊島区429万9,530円
品川区419万687円
世田谷区354万6,043円
中野区351万9,741円
台東区346万7,933円
江東区334万38円
杉並区332万6,848円
墨田区296万2,450円
大田区291万9,032円
北区276万3,080円
荒川区267万1,106円
練馬区261万608円
板橋区244万2,372円
江戸川区215万1,903円
葛飾区205万7,034円
足立区189万3,470円
出典:マンションリサーチ株式会社の調査「2022年末平均成約坪単価」より株式会社ZUU作成

都心物件は、地方物件に比べて家賃は高い傾向にあるが、それ以上に物件価格が高くなっており、その影響から低利回りとなっている。一方、郊外や地方物件は物件価格がそれほど高くないため高利回りの傾向がある。さらに、地方は都心と比較して空室リスクや賃料下落リスクが高く、そのリスクに応じて利回りが高くなりやすい。それでも都心物件を買いたいというニーズがあるため、低利回りが固定化しつつある。

前述のとおり、都心のなかでも都心6区はとくに物件価格が高いため、低利回りの傾向が強いと言える。利回りを重視する人にとって、これはデメリットになるだろう。

・選択できる物件が少ない
都心6区の賃貸物件は、エリアが絞られているため、例えば東京23区や関西圏の賃貸物件を探す場合と比べると選択できる数が限られてくる。そのため「より多くの選択肢から物件を探したい」といったニーズを持つ人とは、相性が悪い一面があるだろう。

不動産投資に生かせる都心6区の特徴と平均家賃

続いて都心6区での不動産投資に必要な基礎知識を説明していこう。各区の人口やマンションの平均的な家賃相場、主なエリアの特徴などについて触れていく。

千代田区の特徴と平均家賃

千代田区の特徴を3つ挙げるとすれば「官庁街」「高級住宅地」「神田などの下町情緒にあふれるエリア」ではないだろうか。こうした多様さが千代田区の魅力といえる。

東京都が公表している2023年4月1日時点のデータによると千代田区の人口は6万8,296人で、東京23区内で最も少ない。

総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」(現時点で最新情報)によると、千代田区内のワンルームマンション(29㎡以下)とファミリー向けマンション(70〜99㎡)の平均家賃は以下の通りだ。

<千代田区内のワンルームマンションとファミリー向けマンションの平均家賃>

部屋のタイプ1ヵ月あたりの平均家賃
ワンルームマンション(29㎡以下)9万7,596円
ファミリー向けマンション(70〜99㎡)24万8,347円

同調査によると、東京23区でワンルームマンションの平均家賃が最も高いのは千代田区であった。ファミリー向けマンションについては港区に次いで2位だ。ちなみに、東京23区でワンルームマンションの平均家賃が最も低いのは葛飾区で5万8,188円であった。千代田区のほうがおよそ1.7倍高い。

千代田区で人気がある主なエリアとしては、秋葉原や神田、御茶ノ水、水道橋、九段下、半蔵門などがある。一人暮らしの学生が多く住んでいるエリアとしては御茶ノ水、交通の便が良い秋葉原エリアも人気だ。

中央区の特徴と平均家賃

前述の東京都のデータによると2023年4月1日時点の中央区の人口は17万5,216人で、23区内では千代田区に次いで少ない。

商業地域としての側面が強く観光客も多く訪れるエリアで、築地場外市場や銀座の高級ブティック街などがある。住環境としては、タワマンなどが数多くある。

中央区内のワンルームマンション(29㎡以下)とファミリー向けマンション(70〜99㎡)の平均家賃は以下の通りだ(総務省「平成30年住宅・土地統計調査」)。

<中央区内のワンルームマンションとファミリー向けマンションの平均家賃>

部屋のタイプ1ヵ月あたりの平均家賃
ワンルームマンション(29㎡以下)8万9,267円
ファミリー向けマンション(70〜99㎡)21万5,860円

東京23区内では、ワンルームマンションもファミリー向けマンションも4番目に平均家賃が高い。千代田区同様、家賃の高いエリアと言えるだろう。

中央区で住みやすいエリアとしてよく挙げられるのが、勝どきや月島、新日本橋、築地、水天宮前、八丁堀などだ。勝どきは高級マンションが多く、新日本橋はオフィス街で働く人に人気となっている。東京駅まで徒歩圏内の水天宮前の人気も根強い。八丁堀は、丸の内や銀座へ徒歩で行けるエリアで女性からの人気も高い。

下町情緒を重視して、東日本橋エリアに住む人も多い。

港区の特徴と平均家賃

港区は前述の東京都のデータによれば2023年4月1日時点の人口は26万3,970人で、渋谷区や文京区より若干多い。

港区内のワンルームマンション(29㎡以下)とファミリー向けマンション(70〜99㎡)の平均家賃は以下の通りだ(総務省「平成30年住宅・土地統計調査」)。

<港区内のワンルームマンションとファミリー向けマンションの平均家賃>

部屋のタイプ1ヵ月あたりの平均家賃
ワンルームマンション(29㎡以下)9万6,264円
ファミリー向けマンション(70〜99㎡)29万9,778円

ファミリー向けマンションの平均家賃は東京23区で最も高く、約30万円である。ワンルームマンションは中央区に次いで2番目に高い。やはり都心3区は家賃の高さが際立つ。ちなみに、東京23区でファミリー向けマンションの平均家賃が最も低いのは葛飾区で10万5,827円。港区の約3分1である。

港区の高級住宅地といえば麻布十番や赤坂、白金高輪などが挙げられ、特に麻布十番は住民の生活レベルの高さで知られている。白金高輪は、六本木ヒルズや品川駅、五反田などオフィス街までバス1本で行ける。街並みとしては、静かでゆったりしているのが特徴だ。

文京区の特徴と平均家賃

都心6区に含まれながらも緑が多いのが文京区だ。旧大名庭園などの緑地が今も残り、神社や仏閣なども多い。

2023年4月1日時点の人口は、23万201人で港区よりも2万人ほど少ない。

文京区内のワンルームマンション(29㎡以下)とファミリー向けマンション(70〜99㎡)の平均家賃は以下の通りだ(総務省「平成30年住宅・土地統計調査」)。

<文京内のワンルームマンションとファミリー向けマンションの平均家賃>

部屋のタイプ1ヵ月あたりの平均家賃
ワンルームマンション(29㎡以下)7万5,944円
ファミリー向けマンション(70〜99㎡)15万3,490円

都心3区に比べれば、かなり安く、ファミリー向けマンションの平均家賃は港区の約半分である。平均家賃ランキングの順位も23区で中位ほどだ。都心6区の中では、どちらのタイプの平均家賃も最も安いのが文京区となっている。

また文京区は、犯罪発生率がかなり低いことでも知られている。住みやすさランキングでよく登場する駅は茗荷谷駅、千駄木駅などが挙げられる。茗荷谷駅周辺は、上品さが際立つエリアとなっている。利便性の高さを重視する場合は、複数路線を利用可能な千駄木駅周辺を選ぶ人も多い。

渋谷区の特徴と平均家賃

渋谷区はさまざまな世代、そして異なる人種が住む街で日本文化の発信拠点の一つでもある。

2023年4月1日時点の人口は23万115人で文京区とほぼ同程度だ。

渋谷内のワンルームマンション(29㎡以下)とファミリー向けマンション(70〜99㎡)の平均家賃は以下の通りだ(総務省「平成30年住宅・土地統計調査」)。

<渋谷内のワンルームマンションとファミリー向けマンションの平均家賃>

部屋のタイプ1ヵ月あたりの平均家賃
ワンルームマンション(29㎡以下)9万401円
ファミリー向けマンション(70〜99㎡)22万8,240円

渋谷区の平均家賃は、ワンルームマンション、ファミリー向けマンションともに東京23区で3番目に高い。順位は中央区よりも上であり、都心3区に負けず劣らずの人気ぶりがうかがえる。

渋谷区で住みやすいエリアとしてよく挙げられるのが、恵比寿や広尾、代官山、代々木上原、初台などだ。恵比寿は中目黒、代官山、広尾、渋谷など人気エリアが程近く、アクセスの良さが人気の理由だ。

広尾は、電車やバスなどでの移動がしやすいエリアでビジネスパーソンにも人気がある。都会でありながらも緑も多く代々木公園などはジョギングスポットとしても人気だ。

新宿区の特徴と平均家賃

乗降客数で世界一の駅として有名なのが「新宿駅」だ。その新宿駅がある新宿区は、病院や学校、緑などが多く、交通の利便性の高さも新宿区が選ばれる理由となっている。

2023年4月1日時点の人口は34万6,313人で都心6区の中で最も多い。

新宿内のワンルームマンション(29㎡以下)とファミリー向けマンション(70〜99㎡)の平均家賃は以下の通りだ(総務省「平成30年住宅・土地統計調査」)。

<新宿内のワンルームマンションとファミリー向けマンションの平均家賃>

部屋のタイプ1ヵ月あたりの平均家賃
ワンルームマンション(29㎡以下)7万9,777円
ファミリー向けマンション(70〜99㎡)21万1,594円

新宿区で特筆すべきは、ワンルームマンション(29㎡以下)の割合の高さだ。総務省の同調査によると、新宿区内の共同住宅(非木造)の戸数は8万5,120戸。そのうち29㎡以下の物件は4万4,150戸、半数以上がワンルームマンションである。都心6区の中でワンルームマンションの比率が最も高い。

新宿区内で住みやすいエリアとして人気なのが、高田馬場や早稲田、曙橋、四谷、下落合などだ。高田馬場は、大学生や外国人が多く住んでいる人気エリアである。また早稲田エリアには、スーパーや飲食店が多く生活のしやすさが魅力だ。

「新都心6区」とは?

ここまでは、主に都心6区について説明してきたが、近年は「新都心6区」という分類もある。人口増加が著しい江東区・台東区・墨田区に、都心3区の千代田区・中央区・港区を合わせた6区のことだ。

<新都心6区の現在と10年前の人口増加率>

2023年4月時点2013年4月時点増加率
江東区53万5,305人48万1,031人+11.3%
台東区20万8,824人18万5,904人+12.3%
墨田区28万2,085人25万3,003人+11.5%
千代田区6万8,296人5万2,748人+29.5%
中央区17万5,216人12万9,640人+35.2%
港区26万3,970人23万2,786人+13.4%

江東区・台東区・墨田区の3区については、本記事であまり触れていない。しかし例えば江東区は、地下鉄の延伸計画などがあり、今後さらに交通の利便性が高くなることが予想されている。最近では、清澄白河などのカフェが若者から人気となっている。また北側エリアは歴史ある商店街も多く、タワマンが立ち並ぶ南側エリアとは対照的だ。

一方で台東区といえば上野や浅草などがあることから「観光の街」というイメージが強いかもしれない。しかし住みやすさには、定評がある。台東区を代表する駅が上野駅だ。11路線通っている上野駅を起点にさまざまなエリアに移動しやすい。墨田区には観光名所であるスカイツリーがあり、隅田川と荒川に囲まれた自然の多さも魅力の一つとなっている。

「新都心6区」に挙げられる江東区・台東区・墨田区は、いわゆる城東エリアである。平均家賃は以下の通りだ(総務省「平成30年住宅・土地統計調査」)。

<江東区・台東区・墨田区のワンルームマンションとファミリー向けマンションの平均家賃>

区名1ヵ月あたりの平均家賃
ワンルームマンション(29㎡以下)ファミリー向けマンション(70〜99㎡)
江東区8万557円15万7,116円
台東区7万8,907円14万3,407円
墨田区7万3,765円13万756円

都心物件でも契約前に稼働状況の確認を

ここでは、都心6区の傾向やメリット・デメリットについて解説してきた。その中で最も強調したい内容は「都心物件はほかの区に比べて資産価値が高い」ということだ。

レインズの「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2023年01~03月】」によると、都区部と多摩エリアの中古マンション築年数毎の価格の変化は以下の通りだ。

築5年と築30年を比べたとき、都区部の減少率は約43%程度なのに対し、神奈川県は約45%、埼玉県は約47%、千葉県は約52%の減少率である。都区部の減少率のほうが低いという結果から、資産価値の下がりにくさが見て取れるだろう。

<首都圏中古マンション地域別・築年帯別価格>

東京都都区部埼玉県千葉県神奈川県
~築5年7,984万円8,387万円4,714万円4,677万円5,627万円
~築10年7,136万円7,524万円4,726万円4,502万円5,312万円
~築15年6,538万円6,839万円4,226万円4,275万円4,932万円
~築20年6,301万円6,748万円3,487万円3,507万円4,425万円
~築25年5,651万円6,095万円3,290万円3,147万円3,884万円
~築30年4,305万円4,776万円2,466万円2,212万円3,073万円
築5年と築30年の減少率-46.08%-43.05%-47.69%-52.70%-45.39%
出典:レインズ※この先は外部サイトに遷移します。「首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2023年01~03月】」より株式会社ZUU作成

都心物件といえば最先端のタワーマンションや価格が下がらないヴィンテージマンションなどがニュースによく取り上げられる。こういったタイプの都心物件は、人気の高さから高稼働なケースも多いかもしれない。

しかし、都心物件のすべてが高稼働でない可能性もある。都心物件を検討するのであれば「一等地の物件だから」とやみくもに飛びつくのではなく、売買契約前に個別の稼働状況をしっかりと確かめることが重要だろう。

東京23区に関するよくあるQ&A

<Q1:都心6区とは?>
アドレス(地名)のブランド力がある都内でもとりわけ地価が高いエリアで、千代田区、中央区、港区、文京区、渋谷区、新宿区のことである。詳しくは本文に記載しているが、6区の中には松濤・三番町・南青山といった歴史のある地名が多い。

<Q2:都心6区の人口は?>
2023年4月1日現在の各区の住民基本台帳人口によると、都心6区のそれぞれの人口は以下の通りだ。

千代田区:6万8,296人
中央区:17万5,216人
港区:26万3,970人
文京区:23万201人
渋谷区:23万115人
新宿区:34万6,313人

6区を合わせると131万4,111人である。

<Q3:都心5区とは?>
都心6区の文京区を除いた、千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区の5区のことである。東京23区の中で、平均公示地価が最も高いのは千代田区となっている(金額については本文に記載)。

(提供:manabu不動産投資

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