「トップダウン」と「ボトムアップ」それぞれの有効な場面

冒頭でも述べたようにトップダウンとボトムアップの会社のどちらがよいとは一概にはいえない。それぞれに一長一短と考え場面によって使い分けるのがよいだろう。

「トップダウン」が有効な場面

「企業の急激な成長を図りたい」「マーケットで一気にシェアを拡大する」などスピードが求められるときには、トップダウン方式による経営は効果的といえるだろう。また「企業経営が危機的な状況にある」「企業の転換期」「組織の構造改革が必要」など早急に手を打つ必要があるときには、トップダウン方式の経営手段は有効である。

「ボトムアップ」が有効な場面

プロジェクトの内容から時間をかけて慎重に進めたり高度の専門性を必要とし複雑な調整や判断が必要だったりする際は、ボトムアップ方式による経営が適している。多くの意見を取り入れ議論を尽くすことでプロジェクトを進めるうえでのリスク軽減や回避につながることが期待できる。

また「幅広い年齢層や男女の意見を聞きたい」「次世代の経営層や管理職などの人材を育てたい」といった課題に取り組むときには、ボトムアップ方式の経営手段は有効だ。

企業経営において重要な意思決定を行う場面は多い。しかしトップダウンとボトムアップには、それぞれに適した使い方がある。そのため場面に応じて使い分けどちらか一方に偏るようなことは避けたほうがよいだろう。時には、即断即決も必要になるケースもあるがそれぞれの特徴を活かしてボトムアップで課題解決に取り組むことが必要だ。

トップダウン、ボトムダウンは使い分けが大事

どんなに優秀な経営者でも1人では限界がある。そのため意思決定を行うのはトップでも現場の声はしっかりと聞いたうえで経営判断をすることが重要だ。トップダウンとボトムアップは、それぞれの特徴を活かして場面によって使い分ける必要がある。最終的には、ボトムアップによって意見を多く取り入ることが大切だ。

意見を経営層が集約・判断し経営の意思決定としてトップダウンで企業全体の意思統一をすることが組織の強化を図るうえで重要といえる。

加治 直樹
著:加治 直樹
特定社会保険労務士。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。銀行に20年以上勤務。融資及び営業の責任者として不動産融資から住宅ローンの審査、資産運用や年金相談まで幅広く相談業務を行う。退職後、かじ社会保険労務士事務所を設立。現在は労働基準監督署で企業の労務相談や個人の労働相談を受けつつ、セミナー講師など幅広く活動中。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタントを目指す。法人個人を問わず対応可能であり、会社と従業員双方にとって良い職場をつくり、ともに成長したいと考える。
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