この記事は2022年3月14日(月)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「竹内のりひろ氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年3月14日(月)の午前8時に現役トレーダーの竹内のりひろさんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
竹内のりひろ 1990年、カナダ系の銀行で為替ディーラーになる。HSBCでは米ドル/円のチーフトレーダーを務めるなど20年以上にわたって為替市場の第一線で活躍。現在は個人トレーダーとして自己資金を運用するほか、情報配信を行なう |
現在の為替相場の傾向や相場観
先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、すべての通貨が下落に転じ、ドルが全面高となっている。円(マイナス2.18%)は下落の最上位となり、米ドル/円は昨年来高値を更新する117.36円まで上げ幅を拡大した。
現在の為替相場の戦略やスタンス
2022年3月15日(火)~16日(水)の日程で、米国では金融政策を話し合う会合であるFOMCが開催予定。
足元で25ベーシスポイント(以下bp、1bp=0.01%)の利上げの確率は94.9%まで上昇しており、コロナ後の引き締め局面入りが確実視されている。ただ、このところ進む米ドル/円の買いは、金融政策の変更を意識したものだけではなさそうだ。
少子高齢化、低金利、低生産性などから日本国内に目立った投資先はなく、投資資金は活路を海外に求める。
- 企業の合併買収などを通じて発生する対外直接投資は、この数年急増する
- エネルギー価格の高騰から、日本の経常収支が赤字に転じた
こうした実需の円売り・外貨買いは当面反対売買が持ち込まれることはなく、為替市場では揺るぎない米ドル/円やクロス円の買い要因だ。5年2カ月ぶりの高値を更新してきた米ドル/円は、今週も底堅い推移が続き、押し目は買いだろう。
ボラティリティ換算の予想レンジは、米ドル/円で116.3~119円、ユーロ/米ドルで1.07~1.11ドル、ユーロ/円で125.4~130円とみている。
▽米ドル/円の日足チャート
▽ユーロ/米ドルの日足チャート
▽ユーロ/円の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。