つみたてNISAで買えるおすすめ銘柄を厳選&徹底解説!それぞれのメリット・デメリット・おすすめの組み合わせもご紹介
(画像=ZUU online編集部)

積立NISAを始めたいけれど、どの銘柄を買えばよいのかわからない方は多いのではないでしょうか。証券会社はさまざまな銘柄を取り扱っており、投資初心者の中には投資先に迷ってしまう方も少なくありません。

今回は、積立NISAの銘柄の選び方を解説した上で、おすすめの銘柄をランキング形式でご紹介します。各銘柄の基本的な情報やメリット、デメリットを解説し、銘柄を組み合わせる場合のポイントや、組み合わせ方の例なども紹介するので参考にしてみてください。

銘柄の選び方

まずは積立NISAにおける銘柄選びのポイントを確認しておきましょう。銘柄を選ぶ際は、「利益が出ているか」「長期の積立投資に向いているか」の2点に注目することが大切です。

利益が出ているか

銘柄の利益を測る指標として、「トータルリターン」というものがあります。トータルリターンとは一定期間内にその商品へ投資して得られる損益のことで、銘柄のトータルリターンを見れば投資した銘柄が儲かっているかどうかわかります。

長期の積立投資に向いているか

積立NISAでは長期間にわたって毎月一定額を積み立てていくため、長期の積立投資に向いている銘柄を選ぶこともポイントです。
長期投資に向いているかどうかを判断するためには、「コストが低い」「リスクが抑えられている」「人気がある」の3点を満たしているかどうかに注目しましょう。

長期投資向きな銘柄の特徴

1. コストが低い

つみたてNISAで発生するコスト
  • 信託報酬(運用管理費用)
  • 購入時手数料(販売手数料)

投資信託にはファンドの管理や運用に必要な「信託報酬(運用管理費用)」というコストがかかります。これはファンドを保有している間はずっとかかるため、長期積立を行う際は信託報酬の低い銘柄がおすすめです。

ただし、信託報酬は投資家が直接支払うわけではなく、信託財産から「純資産総額に対して年率何%」というかたちで毎日差し引かれるものです。

投資家が年間で得る利益は、利回りからこの信託報酬を差し引いた金額です。例えば、想定利回りが年5.0%で、信託報酬が年率0.5%の場合、実際の利益は年4.5%となります。

また、投資信託の運用方法の違いもコストに影響します。長期投資を行う積立NISAの場合は、コストを抑えて安定した運用ができるインデックス運用がおすすめといわれています。

運用方針 インデックス運用 アクティブ運用
信託報酬 低い傾向 高い傾向
信託報酬 日経平均株価やNYダウなどの市場の指数(インデックス)に連動した運用を目指す方法 目安としている指数を上回る利回りを目指す運用方法

アクティブ運用は、投資する銘柄のリサーチをしたり、銘柄の売買を行ったりする分、インデックス運用よりもコストがかかる傾向があります。

信託報酬とは別に、投資信託を購入する際に販売会社へ支払う「購入時手数料(販売手数料)」もかかります。しかし、つみたてNISAで買えるファンドは購入時手数料が0円の「ノーロード」となっています(※一部ETFを除く)。

リスクが抑えられている

分散投資によって複数の投資先に資金を分けられていれば、価格変動時に資産全体が値下がりするリスクを軽減することができます。積立NISAで購入できる投資信託自体が分散投資の性質を持つ金融商品である上に、積立方式で投資するため時間の分散もされています。そのため銘柄を選ぶ際は「地域」が分散されているかに注目するとよいでしょう。

地域の分散とは、複数の地域や通貨を組み合わせるということです。投資対象が存在する国や通貨などを分散できれば、投資先全体の価格変動リスクを軽減できます。

人気がある

その銘柄が人気かどうかは、ファンドの残高である「純資産総額」を見るとわかります。純資産総額とは運用資産のことで、現在運用している金額と投資せずに保有している金額の合計額から、信託報酬などのコストを差し引いたものです。純資産総額が少ないと効率的な運用ができなかったり、途中で運用が止まったりするリスクがあるため、純資産額の増減に注目することは重要です。

ただし、純資産総額が少ないからといって必ずしも人気がなく運用リスクも高いというわけではないため、気になる場合は委託会社の過去の償還事例などをチェックするのもおすすめです。

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証券
会社
買付
手数料

無料

無料

無料

無料

無料
取扱
商品数

182

183

152

33

171
最低積立金額 100円〜 100円〜 100円〜 1000円〜 100円〜
積立
頻度
毎日
毎月
毎日
毎週
毎月
毎日
毎月
毎月 毎月
特徴 楽天サービスとの連携に強み 口座数が国内No.1 クレカ積立のポイント還元率1.1% 初心者でも簡単!LINEから投資を始められる auユーザー
必見
公式
サイト
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つみたてNISAで買えるおすすめ銘柄

ここからは、積立NISAでおすすめの銘柄をランキング形式で見ていきましょう。

銘柄 基準価格 純資産総額 信託報酬 運用方針 投資地域 投資対象 分配金 トータルリターン(1年) 運用会社 詳細を見る
eMAXIS Slim米国株式
(S&P500)
20,097円 14635.84 億円 0.0968%以内 インデックス型 米国 株式 0円 15.18% 三菱UFJ国際投信 詳細
SBI・V・S&P500
インデックス・ファンド
18,414円 666,990百万円 年0.0938%(税込)程度 インデックス型 米国 株式 0円 14.52% SBIアセットマネジメント 詳細
楽天・全米株式
インデックスファンド
20782円 6822.26 億円 0.1620% インデックス型 米国 株式 0円 11.91% 楽天投信投資顧問 詳細
eMAXIS Slim 先進国株式
インデックスファンド
20,665円 3674.42 億円 0.1023% インデックス型 主要先進国 株式 0円 10.90% 三菱UFJ国際投信 詳細
eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
17,325円 6528.02 億円 0.1144% インデックス型 先進国・新興国 株式 0円 8.75% 三菱UFJ国際投信 詳細
SBI・先進国株式
インデックスファンド
16,163円 11,940百万円 0.1022% インデックス型 日本含む主要先進国 株式 0円 7.92% SBIアセットマネジメント 詳細
SBI・全世界株式
インデックス・ファンド
16445円 705.00 億円 0.1102%程度 インデックス型 全世界 株式 0円 8.03% SBIアセットマネジメント 詳細
東京海上セレクション
・外国株式インデックス
42,762円 350.90 億円 0.22% インデックス型 日本を除く世界各国 株式 0円 11.00% 東京海上アセットマネジメント 詳細
大和住銀DC国内株式
ファンド
19,022円 292.24 億円 1.0450% アクティブ型 国内 株式 0円 10.70% 三井住友DSアセットマネジメント 詳細
eMAXIS Slim 全世界株式
(3地域均等型)
14352円 58.94 億円 0.1144% インデックス型 日本を含む世界各国 株式 0円 3.89% 三菱UFJ国際投信 詳細
※ランキングは以下のような基準で順位付けをしています
  • SBI証券と楽天証券で検索したファンドのうち、期間別騰落率の高い銘柄をランキング化
  • ファンドの主旨が重複する場合は、より期間別騰落率の高いものが上位
  • 期間別騰落率が変わらない場合は、信託報酬が低く純資産総額が高いものが上位
  • 売買手数料が無料で、分配金を出さない投資信託

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は低コストで安定した長期投資が可能

概要

三菱UFJ国際投信が提供するインデックスファンドシリーズ「eMAXIS Slim」のうち、米国大型株で構成された、S&P500指数に連動する運用を目指すインデックスファンドです。
「S&P500」とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表する米国の代表的な株価指数のひとつで、米国の主要上場企業500社の株価から算出されています。時価総額は米国株式市場全体の約8割をカバーしています(2021年5月末現在)。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)なら、中長期で経済成長が見込まれる米国の主要産業を代表する約500社に1本で投資することが可能です。

なお、S&P500連動型の銘柄は他にも複数ありますが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の特徴としては、低コストで少額から購入できる点が挙げられます。また、純資産額も大きいため、投資初心者にとっても安心です。

基本情報

運用会社 三菱UFJ国際投信
基準価格 20,097円
純資産総額 14635.84 億円
分配金 0円
信託報酬 0.0968%以内
運用方針 インデックス型
投資地域 米国
投資対象 株式
トータルリターン
(6ヵ月)
13.34%
トータルリターン
(1年)
15.18%
トータルリターン
(3年)
24.50%
※参照日:2022年8月16日

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を1本購入すれば、それだけで約500社に分散投資できるため、無理に複数の銘柄を購入する必要はありません。
もしも新興国株式にも投資したい場合は「eMAXIS Slim」シリーズの「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」などがおすすめです。

おすすめする理由

S&P500連動型の銘柄なら、米国の代表的な株価指数のもと米国株式市場全体の約8割がカバーされているため、米国の市場動向を把握しやすいです。
中でもeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は純資産額が高く、低コストで運用できるため積立NISAでの安定した長期投資にも向いています。
また、eMAXIS Slimは一定の純資産総額を超えた部分に、より低い信託報酬が適用される「受益者還元信託報酬率」を採用しています。純資産総額が増加すると、さらに低コストで運用できる点も魅力です。

なお、S&P500連動型には、他にもSBI・V・S&P500インデックスファンドがあります。

メリット

  • 米国の経済成長を味方にできる
  • 長期運用に嬉しい低コスト
  • 純資産額が大きく安心感がある

デメリット

  • 投資対象国が米国だけとなる
  • 信託報酬が最安というわけではない

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SBI・V・S&P500インデックスファンド(愛称:SBI・V・S&P500)はSBIユーザーにおすすめ

概要

SBIアセットマネジメントが運用する銘柄で、米国の株価指数S&P500と連動した運用を目指します。中長期で経済成長が期待できる米国の主要産業を代表する約500社に、これ1本で投資することが可能です。
なお、SBIと名称にはありますが、SBI証券以外にもauカブコム証券、マネックス証券などでも取り扱っている銘柄です。

他にもS&P500連動型の銘柄は複数ありますが、SBI・V・S&P500インデックスファンドならではの特徴としては、信託報酬が0.0938%程度と低コストで運用できる点が挙げられます。これはSBI証券が取り扱う投資信託の中でも最安値となっています。また、買付手数料、信託財産留保額、解約手数料がすべて無料です。

基本情報

運用会社 SBIアセットマネジメント
基準価格 18,414円
純資産総額 666,990百万円
分配金 0円
信託報酬 年0.0938%(税込)程度
運用方針 インデックス型
投資地域 米国
投資対象 株式
トータルリターン
(6ヵ月)
7.75%
トータルリターン
(1年)
14.52%
トータルリターン
(3年)
-
※参照日:2022年8月16日

SBI・V・S&P500インデックスファンドなら、1本で米国の主要産業を代表する約500社に分散投資ができます。そのため、無理に銘柄を増やす必要はありません。
もしも「新興国株式」の銘柄も組み合わせたい場合は、同じくSBIアセットマネジメントが運用する「SBI・新興国株式インデックスファンド」などがあります。

おすすめする理由

S&P500連動型の銘柄なら、米国株式市場全体の約80%がカバーされています。そのため、米国の市場動向を把握しやすい点がメリットといえるでしょう。
S&P500連動型の中でも、SBI・V・S&P500インデックスファンドなら、同じく低コストで運用できるeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)よりも、さらにコストを抑えられます。コストや資金を抑えて投資できるため、初心者の方に特におすすめの銘柄です。

メリット

  • 米国の経済成長を味方にできる
  • 為替ヘッジを行わないため、円安になれば為替差益を得られる
  • 業界最安水準の低コストで運用できる

デメリット

  • 円高になると為替差損が発生する
  • 投資対象国が米国だけとなる

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楽天・全米株式インデックスファンドは投資初心者の楽天ユーザーにおすすめ

概要

楽天投信投資顧問が運用するインデックスファンドです。楽天証券だけでなく、マネックス証券やauカブコム証券、SBI証券などでも購入することができます。
主な投資対象は米国大手のバンガード社が運用する「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」。中でも投資先「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」は、米国の大型株だけでなく中〜小型株まで幅広く対応しているため、米国のほぼ全ての企業に投資することができます。

基本情報

運用会社 楽天投信投資顧問
基準価格 20782円
純資産総額 6822.26 億円
分配金 0円
信託報酬 0.00162
運用方針 インデックス型
投資地域 米国
投資対象 株式
トータルリターン
(6ヵ月)
11.91%
トータルリターン
(1年)
11.91%
トータルリターン
(3年)
23.73%
※参照日:2022年8月16日

楽天・全米株式インデックスファンドは、米国株式が投資対象となります。経済成長が期待できる新興国にも投資したい場合は「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」のようなファンドがおすすめです。

おすすめする理由

米国大型株の動向を示す株式指数「S&P500」でカバーできるのが約500銘柄なのに対して、CRSP USトータル・マーケット・インデックスは約4,000銘柄をカバーできます。幅広い銘柄への分散投資によってリスクを軽減できる点が魅力です。また、成長が期待できる米国の中〜小型株に投資できるのもメリットのひとつといえるでしょう。

全米株式は複数ありますが、楽天・全米株式インデックスファンドなら取引や毎月の保有額で楽天ポイントを獲得できます。また、楽天ポイントを使って投資することも可能です。そのため、これから投資をスタートしたい楽天ユーザーにも向いています。

メリット

  • 米国株を幅広くカバーできる
  • 楽天ポイントが貯まり、ポイントを使って投資もできる
  • 100円や1,000円の少額投資で資産作りをスタートできる

デメリット

  • 投資先が米国市場へ偏る
  • 信託報酬はSBI・全米株式よりもやや高め

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eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは先進国に絞って低コストでの投資が可能

概要

三菱UFJ国際投信が提供するインデックスファンドシリーズ「eMAXIS Slim」の中でも、「MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)」をベンチマークにしている銘柄です。主に日本を除く先進国の株式に投資を行います。日本を除く22の先進国および地域の株式約1,300銘柄で構成されています(2022年6月10日現在)。

なお、投資信託における先進国とは、G7と呼ばれる米国、日本、ドイツ、英国、フランス、イタリア、カナダを代表としており、一般的にはOECD(経済協力開発機構)への加盟国を指すことが多いです。

基本情報

運用会社 三菱UFJ国際投信
基準価格 20,665円
純資産総額 3674.42 億円
分配金 0円
信託報酬 0.001023
運用方針 インデックス型
投資地域 主要先進国
投資対象 株式
トータルリターン
(6ヵ月)
9.63%
トータルリターン
(1年)
10.90%
トータルリターン
(3年)
21.77%
※参照日:2022年8月16日

eMAXIS Slim先進国株式インデックスでは日本を除く先進国の株式に投資することとなるため、日本国内や新興国の株式に投資することはできません。そのため、複数の銘柄を組み合わせるのであれば、同じ「eMAXIS Slim」シリーズの「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」や「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」、「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」などがおすすめです。

おすすめする理由

eMAXIS Slim先進国株式インデックスの信託報酬は0.1023%です。 業界最安クラスというわけではありませんが、平均と比較すると低コストで運用できる銘柄といえるでしょう。

なお、先進国株式だけではなく、1本だけで新興国株式にも分散投資したり、国内株式と新興国株式に均等投資したりできるファンドもあります。より高い分散効果を狙うのであれば、このような銘柄を選ぶのもひとつの方法です。
また、同じ「eMAXIS Slim」シリーズのうち、全世界株式とどちらに投資すべきか悩む方もいるのではないでしょうか。その場合は、国内株式や新興国株式に投資したくない場合は先進国株式を、国内株式や新興国株式もカバーしたい場合は全世界株式(オールカントリー)を選ぶとよいでしょう。

メリット

  • 為替ヘッジを行わないため、円安になれば為替差益を得られる
  • 受益者還元型信託報酬によってさらに低コストでの運用が期待できる

デメリット

  • 円高になると為替差損が発生する

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eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は日本を含む全世界に分散投資できる人気銘柄

概要

三菱UFJ国際投信が提供するインデックスファンドシリーズ「eMAXIS Slim」のうち、日本を含む全世界の株式に投資できる銘柄です。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)への連動を目指して運用されており、シリーズ内でも代表的なファンドとなっています。
同じ「eMAXIS Slim」シリーズの「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」と比べると、先進国株式ではカバーできない国内株式や新興国株式も含めて投資できる点で異なります。

基本情報

運用会社 三菱UFJ国際投信
基準価格 17,325円
純資産総額 6528.02 億円
分配金 0円
信託報酬 0.001144
運用方針 インデックス型
投資地域 先進国・新興国
投資対象 株式
トータルリターン
(6ヵ月)
7.07%
トータルリターン
(1年)
8.75%
トータルリターン
(3年)
19.95%
※参照日:2022年8月16日

「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は、全世界型株式ではありますが、株式の割合によって米国市場の影響を大きく受けやすいという側面があります。複数の銘柄を組み合わせるのであれば、同じシリーズの「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」も組み合わせることで、市場規模の大きい先進国株式の比重も大きくして、よりバランス良く分散投資ができるようになるでしょう。

おすすめする理由

同じ「eMAXIS Slim」シリーズのうち、全世界株式と先進国株式のどちらを購入すべきか迷う方もいるでしょう。その場合は、国内株式や新興国株式も含めて分散投資したい場合は全世界株式を、国内株式や新興国株式はカバーしなくてよいと考えている場合は先進国株式を選ぶことをおすすめします。

また、純資産額は5,561.13億円(2022年6月3日時点)と多い点も特徴的です。「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」では2019年から2021年にかけて、3年連続で1位を獲得するほどの人気銘柄となっています。ファンドの規模の拡大にともなって信託報酬も引き下げられているため、投資初心者にもおすすめの銘柄といえるでしょう。

メリット

  • 国内株式や新興国株式も含めた全世界の株式に分散投資できる
  • 大型株の比率が高く、安定したリターンが期待できる
  • 業界最低水準の運用コストで長期運用ができる

デメリット

  • 全世界株式といえども、米国市場の影響を大きく受けやすい
  • 為替の影響を受ける

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SBI・先進国株式インデックスファンドは長期の資産形成におすすめの「雪だるま」シリーズ

概要

SBIアセットマネジメントの運用するファンドで、日本を含む先進国の幅広い銘柄に分散投資ができます。雪だるまを転がして大きくしていくように、長期的に値上がりする株式を保有できることから、「雪だるま」という愛称で呼ばれるシリーズのひとつです。

比率は米国が約63%、日本が約7%で残りがイギリスやカナダなどとなっており(2022年4月28日基準)、世界経済の中枢を担う先進国を中心とした株価の成長によるリターンが期待できます。
また、ポルトガルなどの一般的には新興国として扱われる国も含まれます。他の先進国株式インデックスファンドとは異なる分散投資ができる点も特徴といえるでしょう。

なお、銘柄名にSBIと付きますが、SBI証券だけでなく楽天証券やマネックス証券などでも購入できます。

基本情報

運用会社 SBIアセットマネジメント
基準価格 16,163円
純資産総額 11,940百万円
分配金 0円
信託報酬 0.001022
運用方針 インデックス型
投資地域 日本含む主要先進国
投資対象 株式
トータルリターン
(6ヵ月)
6.11%
トータルリターン
(1年)
7.92%
トータルリターン
(3年)
-
※参照日:2022年8月16日

SBI・先進国株式インデックスファンドは、先進国の中でも特に米国市場の影響を大きく受けやすい銘柄です。そのため、複数の銘柄を組み合わせて分散投資を狙うのであれば、同じ雪だるまシリーズの「SBI・新興国株式インデックスファンド」で新興国株式に投資するのもひとつの方法です。新興国への投資ではあるものの、米ドル建てができるため、円安になれば為替差益も期待できます。

おすすめする理由

SBI・先進国株式インデックスファンドは5,600社以上の銘柄に分散投資できますが、組入上位銘柄の多くは世界を代表する米国の大手企業が占めています。1本の銘柄で、安定した運用が期待できる点が魅力です。

また、コストの安さもメリットのひとつです。信託報酬は0.1022%と低く、購入時手数料、信託財産留保額、解約手数料のいずれも無料です。

メリット

  • 長期の資産形成に適した「雪だるま」シリーズの銘柄
  • 先進国の株式にまとめて投資できる
  • 組入上位銘柄の多くを米国大手企業が占めるため、安定した運用が期待できる

デメリット

  • 米国市場の影響を受けやすい

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SBI・全世界株式インデックスファンドは米国を中心に全世界へ投資できる「雪だるま」シリーズ

概要

SBIアセットマネジメントが運用する、「雪だるま」シリーズの全世界株式のファンドです。日本を含む世界中の株式へ、海外ETF(上場投資信託)を通じて投資することができます。全世界の株式市場の動向を示すFTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)への連動を目指して運用されています。

投資先は米国株式市場の大型~小型株式が約60%を占めており、残りの40%が米国を除く先進国や新興国の株式となります。

なお、銘柄名にSBIと付きますが、SBI証券だけでなく楽天証券やマネックス証券などでも購入できます。

基本情報

運用会社 SBIアセットマネジメント
基準価格 16445円
純資産総額 705.00 億円
分配金 0円
信託報酬 0.1102%程度
運用方針 インデックス型
投資地域 全世界
投資対象 株式
トータルリターン
(6ヵ月)
6.95%
トータルリターン
(1年)
8.03%
トータルリターン
(3年)
19.45%
※参照日:2022年8月16日

「SBI・全世界株式インデックスファンド」は全世界型株式ではあるものの、その6割ほどは米国株式となります。そのため、米国市場の影響を大きく受けやすい傾向があります。複数の銘柄を組み合わせるのであれば、同じ雪だるまシリーズ「SBI・新興国株式インデックスファンド」を組み合わせることで新興国株式の比重も高めて、米国市場に偏りすぎないよう分散投資するのもひとつの方法です。

おすすめする理由

長期的な資産運用に適しており人気も高い「雪だるま」シリーズの代表銘柄のひとつで、安心して投資をスタートできる点が魅力です。また、実質年率0.1102%という信託報酬の低さもメリットといえるでしょう。

メリット

  • 長期の資産形成向けの「雪だるま」シリーズの銘柄
  • 低コストで運用可能
  • 米国株式市場の大型~小型株に投資できて、先進国や新興国もカバーできる

デメリット

  • 米ドルでの投資となるため、円高では不利
  • 他の代表的な全世界株式と比べて純資産総額が少なめ
  • 「S&P500」と比べて過去のパフォーマンスは劣る

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東京海上セレクション・外国株式インデックスはバランスに優れる先進国株式インデックスファンド

概要

東京海上アセットマネジメントが運用するインデックスファンドで、MSCIコクサイ・インデックス(円ヘッジなし・円ベース)と連動する運用成績を目指します。東京海上セレクション・外国株式インデックスの場合は、米国を中心とした約1,300銘柄の先進国株式で構成されています。投資先の約7割が米国株式で、残りはイギリス、カナダ、フランス、スイス、ドイツなどの先進国株式となります。

基本情報

運用会社 東京海上アセットマネジメント
基準価格 42,762円
純資産総額 350.90 億円
分配金 0円
信託報酬 0.22%
運用方針 インデックス型
投資地域 日本を除く世界各国
投資対象 株式
トータルリターン
(6ヵ月)
9.66%
トータルリターン
(1年)
11.00%
トータルリターン
(3年)
21.73%
※参照日:2022年8月16日

「東京海上セレクション・外国株式インデックス」はその約7割が米国を中心とした先進国株式となります。米国市場の影響を大きく受ける傾向があるため、複数の銘柄を組み合わせたい場合は、米国株式に偏りすぎない銘柄を選ぶのもひとつの方法です。
新興国株式の比重を高められる「SBI・新興国株式インデックスファンド」や「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」なら、より広く分散投資ができるでしょう。

おすすめする理由

東京海上セレクション・外国株式インデックスの信託報酬は年率0.22%です。 インデックスファンドの信託報酬平均と比べて低コストで投資できる点が魅力です。投資信託の規模を表す純資産額は295億円で、同種の他のファンドと比べて規模は小さいものの、主に米国市場の変動の影響を受けつつ、低コストかつ安定的な運用が期待できます。

メリット

  • 米国を中心とした先進国株式に分散投資できる
  • 株式に分散投資できる
  • 低コストで運用できる

デメリット

  • 米国市場の影響を受けやすい
  • 円高になると為替差損のリスクがある
  • 同種の他のファンドと比べて純資産額は小さい

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【場合別】積立NISAのおすすめ銘柄

大和住銀DC国内株式ファンドは日本株に投資したい人におすすめ

概要

三井住友DSアセットマネジメントが運用する、国内株式ファンドです。TOPIX(東証株価指数・配当込み)をベンチマークしており、この指数を中長期的に上回る成績を目指す運用となります。投資対象である国内株式のうち、ほとんどが東証プライム銘柄です。

基本情報

運用会社 三井住友DSアセットマネジメント
基準価格 19,022円
純資産総額 292.24 億円
分配金 0円
信託報酬 0.01045
運用方針 アクティブ型
投資地域 国内
投資対象 株式
トータルリターン
(6ヵ月)
4.21%
トータルリターン
(1年)
10.70%
トータルリターン
(3年)
16.99%
※参照日:2022年8月16日

大和住銀DC国内株式ファンドは国内への投資がメインとなるアクティブファンドのため、複数の銘柄を組み合わせるのであれば、国外に分散投資ができて、かつ低コストで運用できるインデックスファンドがおすすめです。今回ランキングでご紹介した「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」などであれば、コストを抑えつつ国外にも投資することができます。

おすすめする理由

投資する国内株式のうち、TOPIX採用銘柄のため、高いリターンが期待できます。国内のバリュー株に絞って投資したい方におすすめの銘柄といえるでしょう。

また、信託報酬は1.045%でアクティブファンドの中でも比較的高めであることには注意が必要です。

メリット

  • 国内のバリュー株の比率を高めに投資できる
  • 規模が大きく安定した運用ができる

デメリット

  • 国外への分散投資ができない
  • インデックスファンドと比べるとコストがかかる

eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は新興国にも投資したい人におすすめ

概要

三菱UFJ国際投信が運用する全世界株式で、国内、先進国、新興国の3つの地域の株式にバランス良く投資することができます。今後の成長が見込まれる新興国も含めて、それぞれの地域に33.3%ずつ配分されます。配分が同じであるため、わかりやすくシンプルな資産管理が可能です。

3つの地域にバランス良く投資されるため、一般的には米国株式が中心になるところ、eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)では日本や中国、台湾、韓国などの比率も高めになります。

基本情報

運用会社 三菱UFJ国際投信
基準価格 14352円
純資産総額 58.94 億円
分配金 0円
信託報酬 0.001144
運用方針 インデックス型
投資地域 日本を含む世界各国
投資対象 株式
トータルリターン
(6ヵ月)
1.85%
トータルリターン
(1年)
3.89%
トータルリターン
(3年)
15.44%
※参照日:2022年8月16日

3地域均等型は3つの地域の投資比率が均一であるため、米国株式の比率を高めたければ「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、日本株式に多めに投資したければ「大和住銀DC国内株式ファンド」といった銘柄を組み合わせるのもおすすめです。

おすすめする理由

新興国株式への投資は成長が期待できる一方で、政治の影響を受けやすいという側面もあります。そのため価格変動が大きいというリスクを持ちますが、3地域均等型であれば日本株式やその他の先進国株式にも同じバランスで投資できるため、新興国株式にのみ投資するよりもリスクを抑えて運用することができます。

また、逆に日本株式市場が低迷したときは海外先進国株式や新興国株式でカバーできるなど、互いにリスクを抑えながら安定した運用が見込めます。

メリット

  • 新興国も含めて3つの地域の株式に幅広く分散投資できる
  • 低コストで運用できる
  • シンプルでわかりやすい資産管理ができる

デメリット

  • 米国の比率を高めたい場合などには不向き
  • 純資産額は低め
  • 円高時は不利になる

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各証券会社のおすすめ銘柄

証券会社によっては、扱っていない銘柄もあります。自分が口座開設を考えている証券会社がどのような銘柄を扱っているか確認しておく必要があります。

銘柄を組み合わせる場合の選び方

積立NISAで投資するにあたり、銘柄を複数組み合わせて購入したい方もいるでしょう。そこで、銘柄を組み合わせる場合のポイントをご紹介します。

組み合わせのおすすめは2~3銘柄

積立NISAは毎月最低100円から投資できる証券会社があり、複数銘柄への分散投資ができます。ただし多すぎても管理が大変になるため、当記事では2つの銘柄を組み合わせるパターンをご紹介します。

分散投資になるように組み合わせる

投資信託自体が、分散投資の性質を持つ商品ではあります。それでもさらに分散して投資したい場合は、投資先の国や株式の比率が異なる投資信託を組み合わせるとよいでしょう。

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積立NISAのおすすめ銘柄組み合わせランキング

ここでは最後に、積立NISAでおすすめの銘柄の組み合わせをご紹介します。人気の高いS&P連動型との組み合わせと、株式以外の比率を高めたい場合の組み合わせの2パターンに分けて見ていきましょう。

S&P500連動型との組み合わせ

S&P500連動型は高いリターンが期待できる一方で、米国株1本では米国市場の下落時のリスクが不安です。そこで、S&P500連動型投資信託と相性が良く、リスク分散にもつながる投資信託の組み合わせを見ていきましょう。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」×「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、1本で米国株式約500社に分散投資できます。その一方で、米国市場の変動による影響を受けやすいため、他国の株式にも投資してリスクを分散するのもひとつの方法です。経済成長が期待できる新興国株式への投資を組み合わせることで、リスクを軽減しながらバランス良く運用することができるでしょう。

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株式以外の比率を高めたい場合の組み合わせ

基本的に、世界各国の株は米国株式の影響を受けます。そのため、株式以外の比率を高めることが分散につながります。
その場合、債券比率かREIT比率を高めることで、株式以外の比率を高めることができます。

債券比率を高める

積立NISAのように長期的に投資を続けるのであれば、保守的な運用をすることがポイントです。債券比率を高めておくことで、経済危機や不況時にも大きな損失を受けにくくなるため、心強い備えとなるでしょう。

債券比率を高めたい場合におすすめの銘柄の組み合わせは、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等バランス型)」×「フィデリティ・ターゲット・デート・ファンド(ベーシック)2060」です。
ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等バランス型)は、国内債券や外国債券を含む資産にバランス良く配分できる投資信託のため、債券比率を高めることができます。
また、フィデリティ・ターゲット・デート・ファンドは少しずつ債券などの安定資産に切り替えていくことができるため、より保守的な運用を実現できるでしょう。

REIT比率を高める

REITは賃料収入によって比較的安定したリターンが期待できます。また、配当金や売却益で得た利益は最長5年間非課税となる点も魅力です。

REIT比率を高めたい場合におすすめの銘柄の組み合わせは、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」×「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」です。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、国内外のREITを含む8資産に12.5%ずつ均等配分できるバランス型の投資信託です。「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は国内株式や新興国株式も含めた全世界の株式に分散投資できる上、大型株の比率が高いため、安定した運用が期待できます。低コストで株式とREITへバランス良く投資することができるでしょう。

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新興国投資の比率を高めたい場合の組み合わせ

経済成長が見込まれる地域に投資したい場合は、新興国への投資がおすすめです。新興国への投資は成長度に応じたリターンが期待できるメリットがある一方で、政治的影響を受けやすく変動が大きいという側面もあります。そのため、米国株式や日本株式へ投資できる銘柄と組み合わせて、リスクをカバーできる運用をすることがポイントです。
ここでは、おすすめのインド株やベトナム株との組み合わせをご紹介します。

GDPの成長が見込めるインド株

経済成長が期待できる国に投資したいなら、インド株式への投資の比率を高めるとよいでしょう。インドは人口増加や経済政策によって非常に高い経済成長を遂げており、2021年のGDPランキングでは6位となっています。

インド投資の比率を高めたい場合におすすめの銘柄の組み合わせは国別配分比率でインドが15.07%を占める「SBI・新興国株式インデックスファンド」と、インド株も含む全世界の株式に分散投資できて、安定した運用が期待できる「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」です。

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どこの国に投資したいかで選ぶ場合

どこの国に投資したいか、どういった国々に投資したいかで選ぶ場合、主に以下の積立NISAの投資信託は主に以下のタイプに分けられれます。

日本の日経平均株価は1990年代のバブル絶頂期をいまだに超えることができていませんが、米国のNYダウは1990年から約10倍の成長をしています。今後が保証されるわけではありませんが、米国をはじめとする外国株式は成長の余地が大きいと考えられます。

全世界株式型

全世界株式型は「オルカン(オール・カントリー)」と呼ばれ人気がある商品です。MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスというインデックスに連動しています。

代表的な投資信託であるeMAXIS Slimシリーズの全世界型「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のチャートをみると、新型コロナウイルスの影響で2020年は落ち込んでいますが、それ以降は順調に基準価額は成長しており、3年間のトータルリターンは15.92%(年率)となっています。

全世界株式型
出典:SBI証券
期間 6カ月 1年 3年
リターン 5.40% 8.23% 15.92%
出典:SBI証券
メリット
  • 全世界へリスク分散しながら投資が可能
デメリット
  • 日本資産の割合も増えてしまう
  • 過去実績では米国株だけの投資よりもリターンは小さい

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全世界株式型(除く日本)

こちらはその名の通り、全世界株式のインデックスから日本を除外しています。 実際には先進国を対象としたインデックスである「MSCIコクサイ・インデックス」と新興国を対象としたインデックスである「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」を組み合わせた商品です。

日本を除外している分、他の国の割合が大きくなります。国内資産の割合を増やしたくない場合は、「除く日本」を選択するのがよいでしょう。

eMAXIS Slimシリーズの全世界株式型(除く日本)であるeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の以下の基準価額チャートをみると、ほとんどオール・カントリーと違いはありません。3年間のトータルリターンは16.30%(年率)とわずかですが、オール・カントリーを上回っています。

期間 6カ月 1年 3年
リターン 5.54% 8.46% 16.30%
出典:SBI証券
全世界株式型(除く日本)
出典:SBI証券
メリット
  • 日本資産の割合を増やすことなく全世界へ投資が可能
デメリット
  • 過去実績では米国株だけの投資よりもリターンは小さい

先進国株式型

先進国型株式はMSCIコクサイ・インデックスというインデックスに連動する商品です。この商品は日本は投資対象から除外されています。上で説明した「全世界株式型(除く日本)」の「MSCIコクサイ・インデックス」のみをインデックスとしている商品です。

この3年間のトータルリターンは17.60%と新興国を組み入れるよりも高いリターンとなっています。eMAXIS Slimシリーズの先進国株式型であるeMAXIS Slim 先進国株式インデックスは以下のようになっています。

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
出典:SBI証券
期間 6カ月 1年 3年
リターン 6.44% 10.20% 17.60%
出典:SBI証券
メリット
  • 日本資産の割合を増やすことなく他の先進国へ投資が可能
デメリット
  • 特になし

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米国株式型

米国株式型は主にS&P500指数に連動する商品と、CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動する商品の2つがあります。(米国株式ETFでいうVOOとVTIの違いです)

S&P500は米国の代表的な500社により構成されています。CRSP USトータル・マーケット・インデックスはNY証券取引所とナスダックに上場している約4000社を対象にしており、米国株式市場の100%に近い範囲を網羅しています。

下のチャートは直近10年間のVOOとVTIのETFのチャートです。実際にはこの2つには大きな差はないことがわかります。(VOOはS&P500指数に連動しており、VTIはCRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動しています)

米国株式型
TraidingView

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の3年間のトータルリターンは20.35%(年率)と世界全体に投資するよりも高いリターンでした。eMAXIS Slimシリーズの米国株式型(S&P500連動型)であるeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は以下のようになっています。

米国株式型
出典:SBI証券
期間 6カ月 1年 3年
リターン 7.84% 14.66% 20.35%
出典:SBI証券
メリット
  • 米国株式へ集中しており、高いリターンが期待できる
デメリット
  • 投資先が米国市場のみのため、米国市場に大きく影響する

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どの金融商品に投資したいかで選ぶ場合

つみたてNISA対象の投資信託商品には、株式の組入れ比率が100%の商品と他の金融商品を組み入れている商品があります。

2022年8月16日現在、SBI証券では183本のつみたてNISA対象の商品がありますが、そのうち100本が株式のみを組み入れた投資信託、83本がバランス型の投資信託です。

一般的には株式のみ組入れ対象にしている投資信託よりも、バランス型の投資信託のほうが株価下落時のリスクヘッジになります。(信託報酬手数料なども異なるため、バランス型のほうが絶対に下落に強いというわけではありません)

下の図の通り、株式は比較的ハイリスク・ハイリターンな商品に分類されるため、株式のみを組み入れた投資信託も同様にハイリスク・ハイリターンになりやすいです。債券など他の金融資産も組み入れることで、投資信託でもリスクとリターンのバランスがよい商品となります。

株式だけに投資する(株式型)

株式だけに投資する商品は、上でも説明してきました。ここでは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を違う観点で見てみます。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の最大上昇率と最大下落率を見てみると、以下のようになります。

▽eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)最大変動率

  1ヵ月 3ヵ月 6ヵ月 12ヵ月
最大上昇率 11.24% 17.49% 33.32% 54.46%
最大上昇期間 2020年11月 2020年11月ー
2021年01月
2020年11月ー
2021年04月
2020年04月ー
2021年03月
最大下落率 -15.04% -21.86% -13.13% -12.07%
最大下落期間 2020年03月 2020年01月ー
2020年03月
2019年10月ー
2020年03月
2019年04月ー
2020年03月
出典:SBI証券

2020年ごろの新型コロナウイルス前後での落ち込み期と復活期で大きく値が動いています。次に紹介するバランス型と比較すると、上昇、下落ともに大きな動きをするのが株式のみ組み入れた商品の特徴ともいえます。

株式以外の商品にも投資する(バランス型)

株式以外も組み入れた商品として、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」を紹介します。この商品は株式以外に国内外の債券、国内外のREIT(不動産)を組み入れています。

この商品に関して、同様に最大変動率を見てみます。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と比べると、最大上昇率も小さいですが、最大下落率も小さくなっています。つまり、株式市場が大きく下落した場合でも、株式のみより下落にたいして強いことがわかります。

攻めの投資だけでは、株式市場全体が下落した時の影響が大きいため、バランス型の投資信託を守りの投資として利用するのは有効な方法の1つといえます。

▽eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

期間 6カ月 1年 3年
リターン 3.56% 3.31% 7.47%
出典:SBI証券

▽eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)最大変動率

  1ヵ月 3ヵ月 6ヵ月 12ヵ月
最大上昇率 6.70% 11.36% 19.72% 30.17%
最大上昇期間 2020年11月 2020年11月ー2021年01月 2020年11月ー2021年04月 2020年04月ー2021年03月
最大下落率 -12.27% -16.34% -12.02% -9.68%
最大下落期間 2020年03月 2020年01月ー2020年03月 2019年10月ー2020年03月 2019年04月ー2020年03月
出典:SBI証券

積立NISAの投資信託の注意点

利益を狙うならキャピタルゲイン

投資信託で得られる利益にはキャピタルゲイン(資産売却によって得られる利益)インカムゲイン(分配金などの資産を保有していることで得られる利益)がありますが、つみたてNISAではキャピタルゲインを狙って投資をしましょう。

分配金が支払われる投資信託もありますが、純資産額が減少してしまうため、分配金を受け取るよりも再投資されるほうが運用効率が高くなります。

つみたてNISAを選ぶ基準としては「信託報酬手数料率が低いか=維持コストが低い」ことと、「成長性がある銘柄であるか=キャピタルゲインが得られるか」の2つが決め手となります。

各証券会社で確認できる投信サーチ情報では、つみたてNISA対象で信託報酬手数料が低いものから並べることは簡単にできるので、そのようにして選ぶと分配金がない商品を選択することになるはずです。

すくなくとも、分配金があるからという理由で商品を選ぶというのはやめましょう。

S&P500連動型はリターンが高いがリスクもある

S&P500は米国株式市場の時価総額約80%をカバーできる米国株式市場に連動する優秀なインデックスです。ほぼ右肩上がりの成長を続けており、長期間で投資するほど高いリターンが期待できます。

S&P500
TraidingView

S&P500は米国株式市場を幅広く分散できていますが、投資先は米国株式市場のみとなっています。そのため、リーマンショックや同時多発テロのような米国株式市場に大きなマイナスの影響が出る時にはリスクも大きくなります。

米国のみへの投資にリスクを感じるのであれば、全世界へ分散している投資銘柄をおすすめします。ただし、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスのようなインデックスでも米国株式市場が約60%を占めるなど米国市場の影響は大きいことは認識しておきましょう。

また、少なくとも過去数十年にわたって、米国株が下落が続いたということはありません。10年、20年といったスパンでみると、S&P500への投資だけだとしてもリスクはかなり小さくなります。

長期で保有しないと複利の効果は生かしにくい

複利とは、利子にさらに利子がつくことです。投資の運用益を投資元本に組み込むことでさらに運用効率が上がります。

下の図は、毎月3.3万円(つみたてNISAの年間非課税投資枠40万円を月換算した金額)を20年間、年利3%で運用したシミュレーション結果です。10年目では運用益は約65万円しかありませんが、20年目には約290万円まで運用益が増えています。

ここから言えることは、「投資元本が多いほど運用効率がよい」ということです。つまり長期で積立をつづけることで複利の効果を活かすことができるということです。投資の経験が多くなればリターンも増える可能性があります。そうすればさらに運用効率が高まります。

つみたてNISAは非課税期間が最長20年間と長期投資を前提とした制度ですので、複利の効果を実感するのにも最適だと言えます。

FAQ

積立NISAの投資信託はいくらぐらいから買える?

つみたてNISAは通常の投資信託の購入と同じなので、大手ネット証券であれば100円から購入可能です。つみたてNISAの定期積立をする場合、毎日、毎週、毎月といった頻度によって買付上限金額があるので注意してください。(例えば毎月購入であれば月の上限は33,333円)

詳しくは各証券会社で購入する際の購入方法を確認してください。

純資産額を見るのはなぜ重要?

投資信託は複数の投資家から資金を集めて運用しますが、投資信託の純資産というのは、集めた資金から信託報酬手数料や分配金といった運用コストを差し引いた資産を指します。

純資産額が増える理由は主に2つあります。1つは投資家からの資金流入が続いていること、もう1つは運用成績が良好であることです。

多少の増減はありますが、基本的には純資産額が徐々に増えていることが望ましい状態です。純資産が増えるメリットは成績の安定が見込めることもありますが、eMAXI Slimシリーズのように、信託報酬手数料が安くなる場合もあります。投資信託において保有コストが下がることは最も望ましいことです。

逆に純資産が減ってしまう最大のリスクは繰上償還される可能性があることです。繰上償還とは決まっている信託期間が終了する前に投資信託の運用が終了することです。繰上償還については「目論見書」に記載されていますので、必ず購入時にチェックしましょう。

繰上償還になってしまうと、自分で売却のコントロールもできなくなりますし、つみたてNISAのメリットを活かしにくくなります。

積立NISAで分配金をもらえる投資信託は?

2022年8月16日現在、SBI証券で確認できる分配金が発生しているつみたてNISA対象銘柄です。信託報酬手数料が高い商品も多く、おすすめしにくい商品です。

ファンド名 直近分配金 純資産 基準価額 信託報酬手数料率
朝日ライフ 日経平均ファンド (愛称:にぃにぃGo) 1900円 2,053百万円 9,971円 0.55%
HSBC ワールド・セレクション(成長コース) (愛称:ゆめラップ成長) 120円 18,672百万円 13,105円 1.303%程度
のむラップ・ファンド(積極型) 10円 99,147百万円 29,550円 1.52%

どこが運用会社かを見るのは大切?

例えば「野村アセットマネジメント」や「三菱UFJ国際投信」のように、よく知られた運用会社であればある程度安心はできます。

ただし、重要なのは運用会社ではなくその商品の純資産が順調に増えているかや、信託報酬手数料が低いかといったことです。

同じ運用会社でもよい商品もあれば、それほどおすすめできない商品もあるということです。

emaxis slimはなぜおすすめ?

eMAXIS Slimシリーズは「三菱UFJ国際投信」が販売する投資信託です。おすすめできる点は純資産額が大きくなるほど信託報酬手数料が安くなる点です。

投資信託へ投資をしている投資家が、商品選びで最も重要視していることは信託報酬手数料などの水準です。emaxis slimシリーズはこのような点が評価されており、「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」は「投信ブロガーが選ぶ!FUND OF YEAR 2021」の第1位に選ばれました。

また、全世界株式やS&P500を始め、国内株式インデックス、債券、リート、バランス型など、様々な商品がそろっているのもおすすめできる点といえます。

投資信託を1本だけに絞るなら何がいい?

1本だけ選ぶのであれば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」をおすすめします。S&P500は今後成長することが期待できるので、長期的にみるとリターンが期待できます。

また、S&P500などの外国株式インデックスに連動する商品は比較的信託報酬手数料が安いこともメリットです。「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬手数料は0.0968%以内とつみたてNISAの中でもかなり安い水準です。

米国だけの分散にリスクがあると考える方もいるかもしれませんが、オール・カントリーでもメインは米国であること、米国以外の国でも同様にリスクがあることを考えれば、米国の今後の成長を信じるのは悪くありません。また、長期投資であるほどリスクは軽減されます。

円安ではどのような投資信託を選ぶべき?

2022年は大きく円安に動いている年です。このように為替が大きく動くときには、まず「為替ヘッジ」について理解しておくことが重要です。

「為替ヘッジ」とは為替変動の影響を小さくする仕組みです。「為替ヘッジあり」の場合、為替の影響を小さくすることができますが、為替ヘッジを行うコスト(ヘッジコスト)がかかるので、純資産額や基準価額にも影響します。

「為替ヘッジなし」は為替の影響を受けますが、いつもマイナスの影響があるわけではありません。例えば米国株式市場に連動する資産を購入する場合、イメージとしては米ドル資産を保有することになるので、円安になれば保有資産の価値が増加します。

簡単に言うと、円安になれば得をして、円高になれば損をするということです。

つまり、これから円安になると予想するのであれば、為替ヘッジなしの外国株投資信託を購入することで、投資信託自体の成長と、円安になる分の為替差益の2つの利益を得ることができます。

逆にこれから円高になると予想するのであれば、為替ヘッジありを選択してリスクに備えたほうがよいことになります。