この記事は2022年7月6日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=SB/stock.adobe.com)

2022年7月6日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

米国のリセッション懸念が日ごとに高まっているが、欧州は更に深刻な状況となっている。

足元ではドイツの貿易収支が1991年来の赤字に転落したほか、ノルウェーで石油ガス業界の労働組合がストライキを開始して欧州天然ガス価格は高騰。更には英ジョンソン政権も閣僚2人が突然辞任を表明するなど英政局の動向が意識される。

このような先行きの不透明感から欧州通貨売りが加速しており、特にユーロは対ドルで年初来安値を下抜け、一時2002年12月以来の安値水準まで下落した。また、世界的な株安を背景とした円買いも根強く、米ドル/円を除きクロス円は軒並み軟調、全面リスクオフの様相を呈している。

現在の為替相場の戦略やスタンス

いよいよ利上げ予想のECBが再来週に迫ってきているが、ユーロ圏の景気後退懸念から大幅利上げ観測が後退しており、引き続きユーロはダウンサイドに警戒が必要だろう。

一方FRBは今月末のFOMCで0.75%の大幅利上げが織り込まれているほか、リセッション懸念が意識され、リスクオフになった場合でも一定のドル買い需要がある。

ユーロ/米ドルはこのモメンタムであればパリティ(1.00ドル)までの下落をイメージしたトレードになる。大きく下がったため、スピード調整が入ってくれれば戻りを売りたいが、このまま走ってしまうのであれば短期で行くしかなさそうだ。

米ドル/円については引き続き日米金利差をベースに押し目買いスタンスを続けたいが、リスクセンチメントの変化次第では円高に振れるスピードが速いので、大きく値を下げた時だけ拾うオペレーションでいいかもしれない。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。