この記事は2022年7月13日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年7月13日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
ユーロ/米ドルはパリティ(1.0000ドル)が意識される展開が続いている。ユーロの下落はユーロ圏へのエネルギー供給不安を背景とした欧州景気後退懸念にあるが、2022年7月12日(火)発表された独ZEW景気期待指数も大幅に悪化するなど地合いの弱さは否めない。
一方、米ドル/円は底堅さが継続している。先週末の良好な米雇用統計や、日銀の金融緩和継続が後押しする形だ。
また、2022年7月13日(水)は今週のメインイベントとなる米CPIが予定されている。前日ホワイトハウスの報道官から「非常に高い水準が予想される」と異例となる声明を発し市場の警戒感が高まっている。
現在の為替相場の戦略やスタンス
ユーロ圏経済の不透明感、英政権のゴタゴタ、日銀は金融緩和継続、リセッションが叫ばれるなか、資源国通貨も突っ込みにくい。こうなると消去法にはなるが、引き続きドルが選好されやすいと考えている。
ユーロ/米ドルは1.0000ドル付近ではバリアオプションの買いも入ってきそうだが、パリティ割れを狙うオペレーションが合理的に思える。米ドル/円も基本的には押し目買いになるだろう。ただし、米CPIを控えていることもあり、指標発表前のポジションは軽くしておきたい。
米CPIは前年比で前回の+8.6%を超える+8.8%が予想されており、一部には+9.0%以上になるとの声も聞こえてくる。一方で今回の米CPIはあしもとの原油安を織り込んでいないため、高い数字が出てもそこからはピークアウトするとの考え方もできる。
そうなればセルザファクトのような値動きもあるだろうし、CPIの結果はリセッションにも結び付くので、どのような動きになっても正当化されそうな気もする。よくわからない時は積極的に参加しなくてもいいだろう。
▽ユーロ/米ドルの日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。