この記事は2022年7月15日にSBI証券で公開された20万円未満で買える「7月株主優待銘柄」はコチラ!?を一部編集し、転載したものです。


20万円未満で買える「7月株主優待銘柄」
(画像=琢也 栂/stock.adobe.com)

日経平均株価は、一進一退の展開になっています。グローバルな景況感は減速・悪化する傾向を強めていますが、そのことで逆に商品価格や米長期金利の上昇が止まり、グロース銘柄が買い直される展開になっています。

そうした中、株式市場は7月相場入りとなりました。中旬からは米国で、下旬からは日本で2022/4~6期の決算発表が本格化します。市場の関心は次第に、マクロの経済動向からミクロの企業業績にシフトしていくと予想されます。そこで今回の「日本株投資戦略」では、決算発表に向け株価上昇が期待できそうな、大幅増益予想銘柄をピックアップしてみました。

目次

  1. 20万円未満で買える「7月株主優待銘柄」~充実した優待内容も多数!?
  2. 7月株主優待銘柄のご紹介
    1. 稲葉製作所(3421)
    2. ティーライフ(3172)
    3. ヘルスケア&メディカル投資法人 投資証券(3455)

20万円未満で買える「7月株主優待銘柄」~充実した優待内容も多数!?

2022年7月相場も半分が終わりました。下旬からは決算発表が予定されており、その意味では緊張感の強い月と言えます。反面、7月は、配当や株主優待の観点からみると、重要度が低く感じられる月ではあります。株主優待を実施する予定の企業は、35銘柄と4月、10月、1月、11月に次いで少なくなっています。

もっとも、配当や株主優待のメリットを享受しつつ、トータルで株式投資のパフォーマンスを高めたい投資家にとっては、こうした月でも漏らさずチェックすることで、パフォーマンスのアップにつながるのかもしれません。「毎月、何らかの株主優待を享受したい」と考えているのであれば、なおさらのことです。「日本株投資戦略」では、7月についても着実に株主優待銘柄のチェックを行ってみました。

なお、「7月に権利が確定する株主優待銘柄」のほとんどが2022年7月27日(水)を権利付最終日としています。この場合、2022年7月28日(木)以降に買い付けができても、配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。

また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多いです。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。

それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。

ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。条件(4)として、株主優待の権利獲得に必要な最低投資金額の条件を20万円未満としているのは、少ない投資金額でも複数銘柄に分散投資できるからです。現物投資が前提ですので、配当実施企業であれば、配当金を享受する楽しみも付加されます。

もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。

今回、「7月株主優待銘柄」として、ご紹介したい銘柄は、以下の条件により抽出された銘柄です。

(1)東証上場銘柄
(2)7月に株主優待の権利確定を予定している1月決算、または7月決算
(3)株主優待の権利付最終日が2022年7月27日(水)
(4)株主優待の権利獲得に必要な最低投資金額が20万円未満
(5)SBI証券の株主優待検索機能で「一般信用」、または「制度信用」対象銘柄
(6)2022年7月13日(水)までの10営業日で、1営業日あたりの最低売買高が1万株以上(「REIT」は10口以上)
(7)株主優待の権利確保に必要な最短保有期間の条件がない
(8)継続企業の前提に疑義が生じていない

すべての条件を満たす銘柄をSBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い順(2022年7月13日時点)に8銘柄を並べたものが下の図表です。

*重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~

*権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。

*現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。

*一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。

*権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。

20万円未満で買える「7月株主優待銘柄」
(画像=SBI証券)

7月株主優待銘柄のご紹介

こちらでは、図表でご紹介した「7月株主優待銘柄」の一部について、優待内容や配当を中心にご紹介します。

稲葉製作所(3421)

金属プレス加工業として創業し、鋼製物置、オフィス家具(デスク、チェア、書庫、間仕切り)の製造・販売をしています。当社製造の物置は「100人乗っても大丈夫」のCMで有名で、高い市場シェアを有しています。

2022年7月期は売上高375億円(前期比0.8%減)、営業利益11.2億円(同59.5%減)が会社予想で、第3四半期の段階では営業利益11.6億円(前年同期比48.9%減)を確保しています。第2四半期末に13.0円の1株配当を実施済みで、期末にも同額13.0円、年間で26.0円の配当を予想しています。

2022年7月27日(水)時点で100株以上を保有の投資家に1,000円相当の自社オリジナル図書カードを、300株以上を保有の投資家に3,000円相当の地域特産品、または自社オリジナル図書カード(いずれか1品選択)を贈呈する予定です。

ティーライフ(3172)

通信販売が主軸で、「メタボメ茶」「スッキリプーアール茶」等の健康茶やサプリメント等を、カタログ・WEBサイト等を通じて販売しています。ヘルスケア商品や雑貨等を国内外から仕入れ、テレビ通販やカタログ販売の会社に販売する卸売事業も展開しています。

2022年7月期は売上高119億円(前期比1.6%増)、営業利益9.7億円(同7.7%増)が会社予想で、第3四半期の段階では営業利益5.8億円(前年同期比16.2%減)を確保しています。第2四半期末に26.0円の1株配当を実施済みで、期末にも同額26.0円、年間で52.0円の配当を予想しています。年間予想配当を2022年7月14日(木)終値1,392円で割った予想配当利回りは3.74%と高めになっています。

2022年7月27日(水)時点で100株以上を保有の投資家に、当社商品1,000円相当の買物ができる株主優待券を、500株以上を保有の投資家に同2,000円相当を、1,000株以上を保有の投資家に同3,000円相当を贈呈する予定です。

ヘルスケア&メディカル投資法人 投資証券(3455)

当投資法人は、高齢者向け施設・住宅及び医療関連施設などの「ヘルスケア施設」等に持続的に投資しています。

「ヘルスケア施設」への投資比率は80%以上、地域別には三大都市圏と中核都市圏(政令指定都市・県庁所在地等)が80%以上となっています。

2022年7月期(6カ月)は売上高23.7億円(前期比14.0%増)、営業利益12.5億円(同17.4%増)が会社予想です。前期末に3,244円の1株分配金を実施済みですが、今期末は同3,347円の分配金を予想しています。分配金3,347円が次期も続いたと仮定した年間予想分配金利回りは、2022年7月14日(木)終値168,400円に対して3.98%と高めになっています。

2022年7月27日(水)時点で1株以上を保有の投資家に、以下のような株主優待が実施される予定です。

・「グリーンライフ」・「グリーンライフ東日本」体験入居無料(1泊2日食事付)

・同施設見学無料(昼食付)

・「JAPANライフデザイン」体験入居無料(1泊2日食事付)

・同入居一時金割引(30万円割引)

・「アズパートナーズ」入居一時金割引(20万円割引)

・同月額利用料の管理費割引(2カ月分)

・同体験入居無料(3泊4日分)

・同施設見学無料(昼食付)

・「さわやか倶楽部」初月利用料10%割引

・同体験入居無料(1泊2日食事付)

・同施設見学無料(昼食付)

・「SOMPOケア ラヴィーレ」介護付ホーム前払金割引(3%割引)

・同月額利用料の家賃相当額3%割引

・「SOMPOケア」運営施設月額利用料の家賃相当額または賃料3%割引(「そんぽの家」、「そんぽの家S」で利用可)

・同運営施設月額利用料の家賃相当額または賃料1カ月分割引(「グレイプス」、「サンスーシ」、「アドニスプラザ」で1回まで利用可)

・「プラウドライフ」前払金割引(30万円割引)

・同月払敷金無料

・「ライフケアデザイン」前払金割引(30万円割引)

・「ニチイホーム」初回入居時費用割引(10万円割引)

・「アイリスガーデン」初回入居時費用割引(5万円割引)

▽当記事の内容について、著者が動画で詳しい解説を行っています。あわせてご視聴ください。

鈴木 英之
鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長
・出身:東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味:ハロプロの応援と旅行(乗り鉄)
・特技:どこでもいつでも寝られます
・好きな食べ物:サイゼリヤのごはん
・好きな場所:秋葉原(末広町)
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的な寄稿も多数