この記事は2022年6月3日にSBI証券で公開された20万円未満で買える「6月株主優待銘柄」~充実した優待内容も多数!?を一部編集し、転載したものです。


株主優待
(画像=Andrey Popov/stock.adobe.com)

東京株式市場がやや落ち着きを取り戻しています。決算発表が終わり、個別銘柄の業績変動リスクが後退したことや、米国の長期金利および株式市場の動きが落ち着いていること等が背景とみられます。

そうした中、東京株式市場は6月相場に入りました。12月決算銘柄の中間期末に当たる6月は、配当や株主優待の観点からみると、ある程度重要な月であるとみられます。「日本株投資戦略」では、6月相場を迎えたこともあり、2022年6月に権利が確定する株主優待銘柄について、改めて考え、情報提供を試みることにしました。

目次

  1. 20万円未満で買える「6月株主優待銘柄」~充実した優待内容も多数!?
  2. 6月株主優待銘柄のご紹介
    1. すかいらーく(3197)
    2. フジオフードグループ本社(2752)
    3. ビジョン(9416)

20万円未満で買える「6月株主優待銘柄」~充実した優待内容も多数!?

東京株式市場がやや落ち着きを取り戻しています。決算発表が終わり、個別銘柄の業績変動リスクが後退したことや、米国の長期金利および株式市場の動きが落ち着いていること等が背景とみられます。

そうした中、東京株式市場は6月相場に入りました。6月は、配当や株主優待の観点からみると、ある程度重要な月であるとみられます。

上場企業の本決算の月としては、3月に続き、12月、2月も多い月ですが、6月は12月決算企業の中間期末に相当するため、株主優待を実施する予定の企業も、119銘柄と、ある程度多いです。そこで「日本株投資戦略」では、6月相場を迎えたこともあり、2022年6月に権利が確定する株主優待銘柄について、改めて考え、情報提供を試みることにしました。

なお、「2022年6月に権利が確定する株主優待銘柄」のほとんどが2022年6月28日(火)を権利付最終日としています。2022年6月28日(火)が権利付最終日の場合、2022年6月29日(水)以降に買い付けができても、配当および株主優待の権利を獲得することはできませんので、ご注意ください。

また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多いです。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。

それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を獲得できる可能性がある方法はあります。

1つめは複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。条件(3)として、株主優待の権利獲得に必要な最低投資金額の条件を20万円未満としているのは、少ない投資金額でも複数銘柄に分散投資できるからです。現物投資が前提ですので、配当金を享受する楽しみも付加されます。

2つめは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考にして下さい。

ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。

今回、「6月株主優待銘柄」として、ご紹介したい銘柄は、以下の条件により抽出された銘柄です。

(1)東証プライム市場上場銘柄(銀行、証券、保険等の金融業は除く)。
(2)6月に株主優待の権利確定を予定している6月決算、または12月決算銘柄であること。
(3)株主優待の権利獲得に必要な最低投資金額が20万円未満の銘柄であること。
(4)SBI証券の株主優待検索機能で「一般信用」、または「制度信用」対象銘柄であること。
(5)2022年6月2日(木)までの10営業日で、1営業日あたりの最低売買高が1万株以上あること。
(6)株主優待の権利獲得に必要な最短保有期間の条件がないこと。
(7)継続企業の前提に疑義が生じている銘柄でないこと。

すべての条件を満たす銘柄をSBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い順(2022年6月2日時点)に14銘柄を並べたものが下の図表です。

*重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~

*権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。

*現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。

*一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。

*権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。

20万円未満で買える「6月株主優待銘柄」 20万円未満で買える「6月株主優待銘柄」
(画像=SBI証券)

6月株主優待銘柄のご紹介

こちらでは、図表でご紹介した「6月株主優待銘柄」の一部について、優待内容や配当を中心にご紹介します。

すかいらーく(3197)

「ガスト」、「バーミヤン」、「ジョナサン」、「夢庵」などのブランドで、直営店を主体に展開しているファミレスチェーンです。

2022年5月13日(金)に発表された2022年12月期・第1四半期の売上高は671億円(前年同期比3.6%増)、営業損益は2億円の赤字(前年同期は12.6億円の赤字)でした。今期(通期)の会社予想営業利益は100億円(前期比45.1%減)となっています。

2022年12月期の配当は、中間期0円、期末6円で、年間6円が会社計画です。2022年6月28日(火)に100株以上を保有する株主には、飲食代割引カード2,000円相当を、同300株以上保有では5,000円相当、同500株以上保有では8,000円相当、同1,000株以上保有では17,000円相当を贈呈する予定になっています。

フジオフードグループ本社(2752)

関西地方が地盤の企業です。セルフサービス方式の「まいどおおきに食堂」などの飲食店を、直営店またはフランチャイズ方式で全国展開しています。

2022年12月期・第1四半期の営業損益は7.33億円の赤字(前年同期比は7.81億円赤字)でした。新型コロナウイルス感染再拡大によるまん延防止等重点措置の適用等の影響を受けました。通期では、営業利益11.31億円を見込んでいますが、達成には要努力かもしれません。

2022年12月期の配当は、中間期、期末ともに未定となっています。2022年6月28日(火)に100株以上を保有する株主には、食事券または自社関連品3,000円相当を、同300株以上保有では6,000円相当、同1,000株以上保有では12,000円相当を贈呈する予定になっています。

ビジョン(9416)

海外渡航者向けにルーターを貸し出して、モバイルネット環境を提供する「グローバルWiFi事業」と、通信サービスの加入取次を行う情報通信サービスが主力です。

本質的に、新型コロナウイルスの感染拡大や海外旅行者の減少は逆風で、営業利益は2019年12月期33.2億円から2020年12月期は1.03億円と急減しました。2021年12月期は11億円と少し回復傾向です。2022年12月期・第1四半期は営業利益4.03億円(前年同期比41.3%増)と回復傾向が継続しています。通期の会社計画営業利益は14.07億円(前期比27.4%増)となっています。

2022年12月期の配当は、中間期、期末ともに無配の予想となっています。2022年6月28日(火)に100株以上を保有する株主には、3,000円相当の自社サービス利用券2枚を、同200株以上保有では3枚を贈呈する予定になっています。

当社については、SBI証券企業調査部も調査対象にしていますので、ご関心のある方はぜひ、ご参考にしてください。 もっとも新しいレポートとしては、森行アナリストによる3月11日付となっています。

「国内需要開拓とローコストオペレーションでグローバルWiFiの収益好転。23/12期は過去最高益を目指す展開に」

▽当記事の内容について、著者が動画で詳しい解説を行っています。あわせてご視聴ください。

鈴木 英之
鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長
・出身:東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味:ハロプロの応援と旅行(乗り鉄)
・特技:どこでもいつでも寝られます
・好きな食べ物:サイゼリヤのごはん
・好きな場所:秋葉原(末広町)
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的な寄稿も多数