この記事は2022年6月24日にSBI証券で公開された予想配当利回り5.1%~7.1%! 20万円未満で買える! ~高配当銘柄特集を一部編集し、転載したものです。
日経平均株価は、2022年6月9日(木)取引時間中の高値28,389円75銭から2022年6月20日(月)同安値25,520円23銭まで10.1%下げる波乱の展開となりました。
要因として、米国で2022年5月消費者物価指数が市場予想を上回り、インフレ・金利上昇への懸念が強まったことが挙げられます。
その後、2022年6月14日~15日に開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)では市場予想通り0.75%の利上げが決定し、株価は一時的に落ち着きましたが、基本的に不安定な状態のままです。
ただ、株式で配当を享受しながら、中長期的に資産形成を図ろうとしている投資家にとっては、株価下落は投資チャンスと言えるかもしれません。
目次
予想配当利回り5.1%~7.1%! 20万円未満で買える! ~高配当銘柄特集
冒頭でご説明したように、株式で配当を享受しながら、中長期的に資産形成を図ろうとしている投資家にとって、株価下落は投資チャンスと言えるかもしれません。
そこで、今回の「日本株投資戦略」では、リスク分散を図りながら高配当を期待できるよう、業種別で10銘柄をご紹介させていただきます。
分散投資を実行しやすくするために、1銘柄当たりの最低投資単位での買付金額が20万円未満*の銘柄に絞っています。
また、後述にてご紹介する全10銘柄でポートフォリオを組んだ場合でも、140万円未満(*)と比較的買いやすい金額になるよう意識しました。
銘柄の選定条件は以下の通りです。
(1)東証プライム市場上場銘柄
(2)時価総額500億円超
(3)業種は「証券商品」を除く
(4)最低投資単位(100株)での買付金額が20万円未満*
(5)上記(1)~(4)を満たし、且つ同一業種(中分類:東証33業種)内で市場予想配当利回りが1位または2位
図表の銘柄はこれらの条件をすべて満たしています。
中分類(東証33業種)の中から10業種10銘柄選定しました。
[10銘柄全て100株ずつ購入した場合]
2022年6月22日(水)終値での買付金額は140万円弱(*)で、予想配当金(Bloombregコンセンサス)の合計は79,400円。
以上より、10銘柄をパッケージとした場合の予想配当利回りは5.7%と計算される。
(*:2022年6月22日の株価で計算。手数料等の諸費用は含めず。)
抽出銘柄のご紹介
こちらでは、図表でご紹介した銘柄の一部について、詳細をご紹介します。
JFEホールディングス (5411)~「インフレ」「金利上昇」へも強い高炉メーカー
■国内第2位の高炉メーカー
当社は、粗鋼生産量で国内第2位の高炉メーカーです。鉄鉱石を原料に、鉄鋼製品を生産する「鉄鋼事業」が主事業です。
鉄鉱石や原料炭の価格が上昇傾向ですが、大口需要家向け長期契約に関する「ヒモ付き価格」の引き上げや早期価格転嫁の交渉を進めたことで利幅が拡大し、業績は改善傾向です。
2022年3月期の連結業績(IFRS)は、売上収益4兆3,651億円(前期比35.3%増)、事業利益4,164億円の黒字(前期は129億円の赤字)でした。
主力の鉄鋼事業は、景気の持ち直しを背景とした鋼材需要の回復により、傘下のJFEスチールの粗鋼生産量が2,588万トンと前期比で約300万トン増加しました。
セグメント利益は、原料価格高騰によるコストの増加があったものの、販売価格の上昇、販売数量の増加、コスト削減、棚卸資産評価差等の一過性の増益要因により、前期に比べ大きく好転しました。
■「インフレ」「金利上昇」へも強い?
2023年3月期の連結業績予想は、現時点で合理的な算定ができないとして、公表を見送っています。市場(Bloombergコンセンサス)では、純利益を1兆7,530億円(前期比39.1%)と予想しています。
2022年6月23日(終値)時点でのPBRは0.4倍で、PERも4.2倍にとどまっており、典型的なバリュー銘柄と見受けられます。
この為、今後金利上昇が継続した場合、相対的にバリュー銘柄優位な投資環境も長期化するかもしれません。
東証33業種の中で「鉄鋼」は、CRB商品先物指数との相関係数も(2022年5月までの10年間・月足ベース)と、上位から5番目で、インフレ圧力にも強い銘柄と考えられます。
▽週足チャート(過去3年)
*データは2022年6月24日(週足) 12:30 時点。
*当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
*上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
▽連結業績(百万円)
住友商事(8053)~大手総合商社の中では予想配当利回りが高め
■北米鋼管事業に強みをもつ総合商社
住友グループで、大手総合商社の一角です。
売上構成比(前期)は資源・化学品が28%、生活・不動産が18%、金属が19%、輸送機・建機が16%となっています。歴史的には、北米鋼管事業に強みをもっています。
2022年3月期の連結業績(IFRS)は、収益が5兆4,950億円(前期比18.3%増)、純利益が4,637億円(前期は1,531億円の赤字)となりました。2023年3月期の会社計画は純利益が3,700億円(前期比20.2%減)、年間配当は90円(前期は110円)を見込んでいます。
■予想配当利回りは大手総合商社の中で最高見通し
大手総合商社5社(伊藤忠、丸紅、住友商事、三井物産、三菱商事)の予想配当利回り(会社予想)は平均(2022年6月23日時点)で4%を超えた程度です。そうした中、当社の予想配当利回り(同日時点)は、5%台と平均を大きく超え、総合商社の中では最も高くなっています。
利益確定売りや原油価格の下落等もあり、株価は3カ月程度の調整局面にあります。ただ、インフレ懸念が解消した訳でもない為、商社株が見直される局面も出てきそうです。株価は52週移動平均線に接近していることもあり、押し目買いが増える可能性もありそうです。
▽週足チャート(過去3年)
*データは2022年6月10日(週足) 13:30 時点。
*当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
*上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
▽連結業績(百万円)
▽当記事の内容について、著者が動画で詳しい解説を行っています。あわせてご視聴ください。