本記事は、木村洸士氏の著書『不動産投資は組み合わせが9割』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋・編集しています。
トライアングル不動産投資における3つのステップ
私が開発し、自ら実践することで望ましい結果を生み出している「トライアングル不動産投資」。その全体像(ロードマップ)について、ここで簡単に紹介しておきましょう。大きくは3つのステップから成り立っています(図2参照)。
【STEP1】「戸建て」への投資
これまでにも、戸建て物件を対象とした不動産投資はあったのですが、とくにトライアングル不動産投資では、「先の投資を見越して戸建てに投資する」のがポイントです。
具体的には、この後に続く新築アパート・中古アパート(集合住宅)への投資を見越して、そこに至るまでの過程を盤石にするために戸建てに投資する、というイメージです。最初に戸建てを購入しておくことが、不動産投資の成否を分けます。
戸建て投資で大事なのは、ただ戸建てを買えばいいわけではない、ということです。なぜ、最初に戸建てを購入するのかを、きちんと理解しておくことが大切です。
【STEP2】「新築アパート」への投資
戸建て投資によって不動産投資に慣れたり、あるいは家賃収入や売却益によって原資を得たりしたら、不動産投資を加速するための集合住宅に取り組みます(図3参照)。
集合住宅への投資は、不動産投資の要です。戸建てに投資するだけでも十分うまみはあるのですが、それだけでは収入・資産の拡大が難しくなります。そこで、複数の入居者を獲得でき、安定した賃貸経営がしやすいアパートに投資します。
ここで重要なのは、いきなり中古アパートを購入しないということです。融資の兼ね合いがあるために、とくにこれから始める方で、属性・資金的に新築アパートを狙えそうな方は、「新築アパート→中古アパート」という順番を検討してみてください。
【STEP3】「中古アパート」への投資
戸建て投資と新築アパート投資を経て、より収入・資産形成を加速させるために、今度は中古のアパートに投資します。これまでの経験を活かし、より盤石な不動産投資を実現していきます(図4参照)。
中古アパートへの投資は、不動産投資における収入・資産形成の要となります。ただ、そこに至るまでの過程と順番が大切です。いきなり中古アパートを購入するのではなく、戸建てと新築アパートを経ておくことで、利益(CF)や資産、さらに経験値の上増しが期待できます。
その後は、資金面や全体のプランを踏まえて、さらに戸建てや中古アパートを買い増したり入れ替えたりしながら、収入・資産を拡大していきます。
トライアングル不動産投資における3つのステップのうち、とくに重要なのはファーストステップである「戸建て」です。戸建て物件を上手に活用することが、不動産投資を成功させる要点になると言っても過言ではありません。
たとえば、安く購入した戸建ては、比較的高く売ることができます。そこで資金を獲得し、次の投資につなげることも可能です。また、保有している戸建てを担保(共同担保)にし、融資を受けることもできます。その他、戸建ての管理運営や賃貸経営、売買など、戸建て物件の投資によって得られる経験はたくさんあります。
このように、トライアングル不動産投資の肝は戸建ての活用にあります。戸建て投資をマスターすることが重要であり、一方で、戸建て投資1本に絞ろうとするのではなく、アパート経営の買い進めのプランニングの中で戸建て投資を潤滑油のように上手に活用することが最も重要となります。これにより、買い進めがストップしてしまうことなく、プランニングに沿った戦略的な不動産投資ができるのです。
1981年、千葉県千葉市生まれ。千葉大学工学部卒業
賃貸経営歴12年。アパート・戸建て合計で24棟経験。家賃収入年5,000万円、利益年2,000万円を実現。
賃貸経営講師業、障がい者グループホーム経営など、3事業4社を経営。
学生時代は勉強もせず、夜遅くまでゲームばかりしていたが、その後学業に一念発起し、県内難関高校に入学。大学受験にも精力を傾け、千葉大学へ入学。卒業後は大手企業でSEになるも、自分のキャパシティーを超えて働き続けた結果、心身の疲弊で会社を休みがちになり、将来の不安に苛まれ、老後資産の不安を実感する。
ある日、書籍で不動産投資を知り、実践。試行錯誤の末、10年かけて新築/中古アパート・戸建てを24棟購入し、賃貸経営業として独立。
2019年、障がい者グループホーム経営を開始し、福祉の仕事に携わるという夢を実現。同年「神・大家さん倶楽部」を創設、講師活動を開始。「トライアングル不動産投資」の実践によって、収益を積み上げる受講生を多数輩出。※画像をクリックするとAmazonに飛びます