この記事は2022年9月5日に「ニッセイ基礎研究所」で公開された「NPポイントクラブ」を一部編集し、転載したものです。

東京都心部のオフィス市場
(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

目次

  1. 要旨
  2. オフィス成約面積は2期連続でコロナ前の水準を上回る
  3. オフィス拡張の動きは「点」から「面」へ広がりをみせる
    1. オフィス拡張移転DIは緩やかに上昇
    2. オフィス拡張意欲の改善が幅広い業種に広がる
    3. 2022年上期はB・Cクラスビルで底打ちし上昇に転じる
    4. 「丸の内・大手町」で企業の拡張移転意欲が高まる。その他のエリアも改善が拡がる
  4. おわりに
    1. 【参考資料1】 オフィス拡張移転DIについて
    2. 【参考資料2】 本稿の東京都心部16エリアと三幸エステート「オフィスレントデータ2022」記載エリアの対応表

要旨

本稿では、三幸エステートとニッセイ基礎研究所の共同研究の一部であるオフィス拡張移転DIを中心に、2022年上期の企業のオフィス移転動向を概観した。

東京のオフィス拡張移転DIを業種別・ビルクラス別・エリア別に分析することで、以下5点がわかった。

(1)オフィス拡張移転DIは、2021年第4四半期から上昇に転じ、2022年第1四半期と第2四半期も上昇し、企業のオフィス拡張意欲が緩やかに改善している

(2)多くの業種・エリアにおいてオフィス拡張移転DIが上昇し、オフィス拡張の動きが「点」から「面」へ広がりを見せている

(3)縮小移転の動きは落ち着きつつあるものの、コロナ禍を起点とした企業のオフィス再構築の動きは依然として継続している

(4)Aクラスビルではオフィス拡張移転DIの上昇が頭打ちとなる一方で、BクラスビルとCクラスビルは底打ちして上昇に転じた

(5)エリア別では「丸の内・大手町」で企業の拡張意欲が高く、コロナ禍以降低迷していた「五反田・大崎・東品川」や「新橋・虎ノ門」で回復の動きがみられた


三幸エステート株式会社(本社:東京都中央区、取締役社長:武井重夫)と株式会社ニッセイ基礎研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:手島恒明)は、賃貸オフィスの成約事例の各種データを活用し、オフィス市場における企業の移転動向などに関する共同研究を行っている。

本稿では、共同研究の一環として算出した「オフィス拡張移転DI」を中心に、2022年上期の東京オフィス市場の動向を概観する。オフィス拡張移転DIは、0%から100%の間で変動し、基準となる50%を上回ると企業の拡張意欲が強いことを表し、50%を下回ると縮小意欲が強いことを示す(*1)。

オフィス市況はコロナ禍により調整局面を迎え、2020年第4四半期からの1年間は、オフィス拡張移転DIが51%~53%の水準で低迷した。しかし、2021年第4四半期は57%と上昇に転じ、2022年第1四半期は59%、第2四半期は61%と緩やかに改善が進んでいる。以下では、2022年上期のオフィス成約面積の動向を振り返ったのち、オフィス拡張移転DIを業種別・ビルクラス別・エリア別に分析し、企業のオフィス移転動向を確認する。

東京都心部のオフィス市場動向
(画像=ニッセイ基礎研究所)

* 本稿は三幸エステート「オフィス ユーザー レポート」を加筆・修正の上、転載したものである。
*1:算出方法については、末尾の【参考資料1】「オフィス拡張移転DIについて」を参照。


オフィス成約面積は2期連続でコロナ前の水準を上回る

三幸エステートの公表データ(*2)によると、2022年上期の東京都心5区におけるオフィス成約面積は約40万坪と、前年同期比+21.4%の大幅増加となった。また、コロナ前の2019年同期比で+2.2%となり、2期連続でコロナ前の水準を上回った(図表1)。

成約面積を未竣工ビルと竣工済ビルに分けて見ると、2022年上期は新築オフィスビルの供給が少なかったため、未竣工ビルの成約面積は5万坪となり過去平均の9万坪を下回った(*3)。これに対して、竣工済ビルは35万坪と、オフィス移転需要の受け皿となり、前期に続いて2017年以降で最高を記録した。

東京都心部のオフィス市場動向
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竣工済ビルの成約面積を月別に見ると、1回目の緊急事態宣言時の2020年5月に過去平均対比▲72%の落ち込みを記録し、2020年後半も▲29%~▲10%の範囲で減少が続いた(図 2)(*4)。しかし、その後はオフィス移転の動きが回復し、2021年は▲13%~+49%、2022年上期は▲4%~+30%の範囲で推移した。2021年以降は、アフターコロナを見据えた移転需要が顕在化し、オフィス移転の動きはコロナ前の勢いを取り戻している。

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*2:三幸エステート「オフィスマーケット調査月報」を参照。
*3:過去平均は、2017年から2019年の平均。
*4:過去平均は、2017年から2019年の平均。


オフィス拡張の動きは「点」から「面」へ広がりをみせる

2021年下期はコロナ禍を発端としたオフィス戦略の見直しによる縮小移転の動きが続くなか、拡張移転は業種では「情報通信業」、エリアでは「渋谷・桜丘・恵比寿」など一部に限られていた。しかし、2022年上期は、多くの業種・エリアにおいてオフィス拡張移転DIが上昇し、オフィス拡張の動きは「点」から「面」へ広がりをみせている。以下では、東京都心部のオフィス拡張移転DIの推移を確認したのち、業種別・ビルクラス別・エリア別の順に分析する(*5)。


*5:東京都心部は、東京都心5区主要オフィス街および周辺区オフィス集積地域(「五反田・大崎」「北品川・東品川」「湯島・本郷・後楽」「目黒区」)。詳細は、三幸エステート「オフィスレントデータ2022」 23ページを参照。


オフィス拡張移転DIは緩やかに上昇

東京都心部のオフィス拡張移転DIは、オフィス市況が活況であった2019年は70%台で推移していた(図表3)。2018年以降、新築オフィスビルの大量供給が続いたにもかかわらず、企業の旺盛なオフィス拡張意欲がオフィス床の供給を吸収し、空室率は2019年1月に初めて1%を下回り、その後もタイトな需給バランスが継続した。

2020年にコロナ危機が訪れると、オフィス拡張移転DIは69%(2020年第1四半期)から51%(第4四半期)へと急低下した。その後、空室率はやや遅れて上昇に転じ、2020年末に2.36%へ上昇した。

2021年に入り、オフィス拡張移転DIは51%~53%(第1四半期~第3四半期)と、企業の拡張・縮小意欲が拮抗する水準で横ばいに転じた。オフィス拡張移転DIの低下に歯止めがかかったものの、オフィス床を解約する動きも多く、空室率は2021年10月に4.58%(ボトム対比+3.79%)と大幅に上昇した。その後、オフィス拡張移転DIは2021年第4四半期から上昇に転じ、2022年第1四半期は59%、第2四半期は61%となった。空室率はいったん上昇に一服感が見られたものの、新築ビルが空室を抱えて竣工したことや依然として解約等の影響が大きく、2022年第1四半期以降は再び上昇圧力が強まり、2022年7月は5.14%(ボトム対比+4.35%)となっている。

東京都心部のオフィス市場動向
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オフィス拡張意欲の改善が幅広い業種に広がる

コロナ禍が本格化した2020年上期以降、テレワーク活用に積極的な企業の多い業種を中心にオフィス戦略を見直す動きが顕在化し、オフィス拡張移転DIは低下した。引き続き、オフィス床削減の動きがみられるものの、2022年上期のオフィス拡張移転DIは全ての業種で50%以上となり、オフィス拡張意欲の改善は幅広い業種に広がっている。

主要業種におけるオフィス拡張移転DIの推移をみると、「学術研究・専門/技術サービス業」が2020年上期に43%(2019年下期81%)と大きく低下し、基準となる50%を割り込んだ(図表4)(*6)。続いて、「製造業」が2020年下期に38%(同60%)、「情報通信業」が2021年上期に36%(同86%)へ低下した。

これらの業種は、コロナ禍においても業績が総じて底堅く推移したが、複数の企業がオフィス戦略を早々に見直して、縮小移転や解約などオフィス床を削減する方針を発表している(*7)。その他の主要業種では、「卸売業・小売業」が2020年下期に47%(同67%)、「その他サービス業」が2021年上期に46%(同60%)に低下したが、前述の3業種と比較すると、オフィス拡張移転DIの低下は小幅であった。

その後、2021年下期に、デジタル化加速の恩恵を受ける「情報通信業」が上昇に転じ52%まで回復した。2022年上期は、「製造業」が50%、「学術研究・専門/技術サービス業」が55%に上昇するなど、全ての業種で50%以上となった。ただし、「卸売業・小売業」は、50%と前期からやや低下した。度重なるコロナ感染拡大の波により内需の回復が遅れるなか、円安やエネルギー・食料などの価格高騰への懸念が高まっていることもあり、「卸売業・小売業」ではオフィス需要が伸び悩んでいる可能性がある。

東京都心部のオフィス市場動向
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このように「卸売業・小売業」を除いて、オフィス拡張移転DIは上昇傾向にあるが、オフィス需要は依然として力強さを欠く。オフィス移転件数における拡張比率をみると、「情報通信業」が2021年下期に46%となり、規模拡大や新規事業の立ち上げなどを理由に拡張移転が増加した(図表 5)。

しかし、2021年末から米国株式市場を中心にIT企業の株価が調整色を強め、日本においてもスタートアップの資金調達環境が悪化するとの懸念もあり、2022年上期は44%へ低下した。他の主要業種(2021年下期→2022年上期)をみても、「その他サービス業(36%→50%)」と「製造業(23%→32%)」は10%程度上昇、「学術研究・専門/技術サービス業(30%→33%)」は小幅上昇、「不動産業・物品賃貸業(47%→42%)」と「卸売業・小売業(33%→24%)」は低下するなど、業種によってバラツキが見られる。

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一方、オフィス移転件数における縮小比率をみると、2022年上期は全ての主要業種で低下した。縮小比率が低い順にその変化(2021年下期→2022年下期)を確認すると、「不動産業・物品賃貸業(33%→11%)」<「その他サービス業(27%→19%)」<「学術研究・専門/技術サービス業(45%→24%)」<「卸売業・小売業(29%→24%)」<「情報通信業(42%→32%)」<「製造業(38%→32%)」となった(図表6)。

したがって、2022年上期のオフィス拡張移転DIの上昇は、縮小移転の減少効果が大きいことがわかる。コロナ禍で落ち込んだ景気が底入れし、「オフィス不要論」は行き過ぎとの見方が強まるなか、縮小移転の動きは落ち着きつつあるようだ。ただし、「情報通信業」や「製造業」では縮小比率がコロナ前の水準を上回っており、ワークプレイス再構築によるオフィス縮小が一巡したと結論付けるのは時期尚早だと思われる。

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*6:業種別のオフィス拡張移転DIは、十分なデータ数を確保するため、東京都心部ではなく東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)を対象とした。
*7:製造業では富士通や東芝、学術研究・専門/技術サービス業ではデロイトトーマツグループ、情報通信業ではZホールディングスやDeNAなどが、ワークプレイス再構築に伴うオフィス縮小を発表している。


2022年上期はB・Cクラスビルで底打ちし上昇に転じる

オフィス拡張移転DIをビルクラス別(*8)に確認すると、2021年上期まではAクラスビルの低下が目立った。しかし、Aクラスビルが2021年下期に60%台を回復し、BクラスビルとCクラスビルも2022年上期に底打ちし上昇に転じるなど、改善の動きが広がっている(図 7)。

2019年下期のAクラスビルのオフィス拡張移転DIは92%と、ほとんどが拡張移転であった。当時、IT企業を中心に企業の拡張意欲が強く、人材確保や働き方改革を目的としたオフィス移転も多く見られるなか、立地やスペックに勝るAクラスビルがこれら需要の受け皿となった。

コロナ禍以降、Aクラスビルのオフィス拡張移転DIは、2020年下期に25%と大幅に低下し、2021年上期も39%と低迷した。先行き不透明感が強いなか、Aクラスビルへの拡張移転を決定する企業は少なく、グループ会社の集約など縮小移転が増加した。

2021年下期は、「情報通信業」を中心に拡張移転が増加し、そのニーズを吸収したAクラスビルのオフィス拡張移転DIは64%に上昇した。しかし、2022年上期は61%とやや頭打ちとなった。企業によるオフィス戦略見直しの動きが続くなか、2022年に入り、ロシアのウクライナ侵攻や欧米中銀の金融引き締め、インフレなど、外部環境の悪化が逆風となった可能性がある。

また、他のビルクラスの動き(2019年下期から2022年上期)を見ると、Bクラスビル(85%→67%→68%→56%→52%→55%)とCクラスビル(79%→65%→61%→64%→53%→65%)は、2021年下期まで緩やかに低下したものの、2022年上期は底打ちし上昇に転じている。

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*8:各クラスは、三幸エステートの定義を用いる。三幸エステートでは、エリア(都心5区主要オフィス地区とその他オフィス集積地域)から延床面積(1万坪以上)、基準階床面積(300坪以上)、築年数(15年以内)および設備などのガイドラインを満たすビルからAクラスビルを選定している。また、基準階床面積が200坪以上でAクラスビル以外のビルなどからガイドラインに従いBクラスビルを、同100坪以上200坪未満のビルからCクラスビルを設定している(詳細は三幸エステート「オフィスレントデータ2022」を参照)。


「丸の内・大手町」で企業の拡張移転意欲が高まる。その他のエリアも改善が拡がる

最後に、2022年上期のオフィス拡張移転DIをエリア別に確認する(*9)。東京都心部16エリアにおいて、拡張移転の多かった上位5エリアは、第1位が「丸の内・大手町(オフィス拡張移転DI 74%)」となり、続いて「五反田・大崎・東品川(同72%)」、「内神田・外神田(同61%)」、「新橋・虎ノ門(同60%)」、「築地・茅場町・東日本橋(同59%)」の順となった(図表8)。

これに対して、縮小移転の多かった下位5エリアは、オフィス拡張移転DIが低い順に、「西新宿(オフィス拡張移転DI 50%)」、「浜松町・高輪・芝浦(同50%)」、「京橋・銀座・日本橋室町(同52%)」、「渋谷・桜丘・恵比寿(同56%)」、「麹町・飯田橋(同56%)」となった(図表9)。

このように、オフィス拡張移転DIは全てのエリアにおいて基準となる50%を上回った。業種別でみた動きと同様、オフィス拡張意欲の改善は幅広いエリアに広がっている。

東京都心部のオフィス市場動向
(画像=ニッセイ基礎研究所)
東京都心部のオフィス市場動向
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2022年上期は、大規模ビルが集積する「丸の内・大手町」でオフィス拡張移転DIが上昇し、トップとなった。同エリアの内訳(拡張・同規模・縮小の比率、2021年下期→2022年上期)の推移をみると、「拡張53%→53%」、「同規模13%→41%」、「縮小33%→6%」となった(図表10)。拡張が横ばいとなるなか、縮小が大幅に低下したことで、オフィス拡張移転DIが上昇した。

また、これまで企業の拡張意欲が低迷していた「五反田・大崎・東品川」と「新橋・虎ノ門」で回復の動きが見られ、今回、上位にランクインした。

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*9:東京都心部の各16エリアの概要については、末尾の【参考資料2】「本稿の東京都心部16エリアと三幸エステート「オフィスレントデータ2022」記載エリアの対応表」を参照。


おわりに

本稿では、オフィス拡張移転DIを業種別・ビルクラス別・エリア別に分析し、2022年上期のオフィス移転動向を確認した。そのなかで、

(1)オフィス拡張移転DIは、2021年第4四半期から上昇に転じ、2022年第1四半期と第2四半期も上昇し、企業のオフィス拡張意欲が緩やかに改善していること

(2)多くの業種・エリアにおいてオフィス拡張移転DIが上昇し、オフィス拡張の動きが「点」から「面」へ広がりを見せていること

(3)縮小移転の動きは落ち着きつつあるものの、コロナ禍を起点とした企業のオフィス再構築の動きは依然として継続していること

(4)Aクラスビルではオフィス拡張移転DIの上昇が頭打ちとなる一方で、BクラスビルとCクラスビルは底打ちして上昇に転じたこと

(5)エリア別では「丸の内・大手町」で企業の拡張意欲が高く、コロナ禍以降低迷していた「五反田・大崎・東品川」や「新橋・虎ノ門」で回復の動きがみられたこと

を確認した。

これまで一部の業種やエリアに限られていた企業の拡張意欲の改善は、「点」から「面」へ広がりを見せている。ただし、コロナ前と比較すると企業のオフィス需要は依然として力強さを欠く。2023年はオフィスビルの大量供給が予定されるなか、欧米中銀の金融引き締めやロシアのウクライナ侵攻、世界的なインフレを背景に景気後退への懸念もあり、オフィス市場の先行き不透明感は依然として強い。オフィス市場における変化を捉えるには、引き続き、データを丹念に確認していくことが求められる。

【参考資料1】 オフィス拡張移転DIについて

オフィス拡張移転DI10は、オフィス移転後の賃貸面積が移転前と比較して(1)拡張、(2)同規模、(3)縮小、した件数を集計し、次式により計算している。

オフィス拡張移転DI=1.0×拡張移転件数構成比+0.5×同規模移転件数構成比+0.0×縮小移転件数構成比

オフィス拡張移転DIは0%から100%の間で変動し、基準となる50%を上回ると企業の拡張意欲が強いことを表し、50%を下回ると縮小意欲が強いことを表す。例えば、図表 11のように、オフィス移転が合計500件あり、そのうち拡張移転が150件、同規模移転が300件、縮小移転が50件の場合、オフィス拡張移転DIは60%となり、企業の拡張意欲が強いことを表す。

東京都心部のオフィス市場動向
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*10:DIはDiffusion Index(ディフュージョン・インデックス)の略、変化の方向性を示す指標のことである。DIの代表例としては、経済分野では日本銀行の 全国企業短期経済観測調査(日銀短観)や内閣府の景気動向指数、また不動産分野では土地総合研究所が公表する不動産業業況等調査(不動産業業況指数)がある。


【参考資料2】 本稿の東京都心部16エリアと三幸エステート「オフィスレントデータ2022」記載エリアの対応表

本稿では、東京都心部の16エリアについて分析を行った。同16エリアは、三幸エステート「オフィスレントデータ2022」における東京都心部の29エリアを、図表12の通り、一部集約したものである。

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(ご注意)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

佐久間誠(さくま まこと)
ニッセイ基礎研究所 金融研究部 准主任研究員

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