この記事は2022年9月16日(金)配信されたメールマガジンの記事「岡三会田・田・松本賢 アンダースロー(日本経済の新しい見方)『政策提言(3)国債60年償還ルールを撤廃してワニの口を閉じる』を一部編集し、転載したものです。

国債,解説
(画像=nancy10/stock.adobe.com)

要旨 

  • 先進国の一般的な財政運営の概念(国債は、事実上永続的に借り換えされていくため、償還費は歳出に計上しないことなど)を前提とすれば、グラフは「ワニの口」にはならない

  • 財政赤字の状態で、国債償還費は事実上そのまま国債発行でまかなわれているが、60年償還ルールによる「ワニの口」のようなバイアスのかかった認識で財政運営がなされることで、財政政策が過度に緊縮になりやすい問題

  • 60年償還ルールを撤廃すれば、歳出の15%程度を占める債務償還費はなくなり、歳出構造の硬直化による切迫感がポリシーメーカーの選択肢を狭めることがなくなる

  • 自民党の財政政策検討本部の西田昌司本部長との対談で、ワニの口がいかに緊縮財政に誘導するバイアスのかかったものであるのかを解説しています。
    [ URL : https://youtu.be/47kw5zOeUh0 ]

▽典型的な開いたワニの口

典型的な開いたワニの口
注:2020年度までは決算、2021~2022年度は当初予算
(画像=出所:財務省、岡三証券、作成:岡三証券)

▽グローバル・スタンダードでの開いていないワニの口

グローバル・スタンダードでの開いていないワニの口
注:2020年度までは決算、2021~2022年度は当初予算
(画像=出所:財務省、岡三証券、作成:岡三証券)
会田 卓司
岡三証券 チーフエコノミスト
田 未来
岡三証券 エコノミスト
松本 賢
岡三証券 エコノミスト

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