本記事は、台場史貞氏の著書『「私にはムリ!」と思い込んでいる人のための 不動産投資の基本』(秀和システム)の中から一部を抜粋・編集しています

東京の物件で不動産投資をするのがベストだと聞きましたが、それぞれの地元の都市のほうが、馴染みがあってはいいのではないでしょうか?

「不動産投資はやめとけ」という人が誤解していることと、対処方法を徹底解説
(画像=doucefleur/stock.adobe.com)

ほとんどの人がご存じのように、東京は人口の増加を見ても、他の地域を圧倒しています。なぜ東京の物件で不動産投資するのがいいのでしょうか?

その理由は、人が圧倒的にたくさんいることが、家賃収入を得る不動産投資にはまず欠かせないことだからです。

人口は減少したとしても、東京都心には賃貸需要がある

しかし、その東京であっても、今後、人口の増加率は頭打ちになることは周知の事実です。

核家族化を超え、1人住まいが加速している東京では、夫婦、親子、さらにパートナーとでも呼ぶべき人も含めて、単身者もしくは2人世帯の割合がさらに増えていくことが予想されています。

その東京での不動産投資において、都心のワンルームマンションの購入を選択しておけば、ある程度の人口減少による賃貸住宅需要の減少分もカバーしてくれます。

東北、東海、関西、九州など日本全国の地域で、大都市と呼ばれるような場所と東京を比べたとしましょう。各地の県庁所在地の多くが人口数十万人レベルです。

それに対して東京は1,000万人レベル。人口の状況だけ見ても、他の地域の大都市は東京にはまったくかないません。

敷金・礼金・更新料なども東京が優位に

私自身も不動産投資を始めた当初は、地元(愛知県名古屋周辺)のアパートから調査を始めました。

ところが、新築アパートはある程度は入居者で埋まっていたものの、築10年を経過したようなアパートでは、入居率が50%程度であり、完全に投資対象としては成立していませんでした。

また、東京を購入すべき大きな要因となるのが、敷金・礼金・更新料といった家賃以外の収入が、下の表のように他の地域と比べて明らかに優位だからです(この表は、私が調べた敷金・礼金・更新料の結果をわかりやすく表示したものです)。

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(画像=『「私にはムリ!」と思い込んでいる人のための 不動産投資の基本』より)

不動産投資家として家賃以外の収入も得られる地域が多い

この表は次のことを示しています。

◎ 不動産投資家として家賃以外の収入も得られる地域が多い
△ 不動産投資家が家賃以外の収入を得られる地域と得られない地域が相半ばする
× 不動産投資家として家賃以外の収入を得られない地域が多い

不動産投資家としてみれば、敷金・礼金・更新料は賃借人から投資家自身が受け取ることになるので、結局のところ、収益と同じ意味を持つものです。更新料は、2年ごとに入るボーナスのようなものと考えてもいいでしょう。

逆に、敷金や礼金が得られなければ、賃借人が退去したときの改装や次の入居者募集にかかわる広告料は、すべて不動産投資家自身の懐からの持ち出しとなってしまいます。

また、敷金・礼金を入居時に受けておくことには、家賃が低い近隣の物件に転居されてしまうことを抑止する効果もあります。

たとえ3,000円家賃が低い部屋が近くにあっても、2カ月分にあたる敷金・礼金を次の転居先に支払うとなると、更新料1カ月分を支払ってでも、そのままとどまることになりやすく、家賃を値切られにくいという面もあります。

実際に、私自身は東京に住む入居者さんに、更新の際に家賃を値切られることもなく、そのまま更新していただけることがほとんどです。不動産オーナーの立場からすれば、本当に優しい方が多い。それもありがたい面です。

ただし昨今のコロナによる短期的な要因により敷金・礼金の状況は悪化してきている地域もありますが、また元に戻るものと考えています。

同じマンションの別の部屋のオーナーは好敵手!?

余談になりますが、ワンルームマンション経営で最も大きな競争相手は、同じマンション内にある別の部屋だということをご存じでしょうか。

同じマンション内にある別の部屋だと、賃借人が引っ越しする際の手間も大幅に省けます。もし敷金・礼金の支払いがなければ、少しでも家賃の安いほうに退去移転してしまうことは容易に予想されます。

しかし、住んでいただいていた部屋のオーナーとしては、同じマンション内にある別の部屋に転居されると、他の地域の別のオーナーの部屋に転居されたのと同じことです。

したがって敷金・礼金のない地域で投資した場合、特に景気の悪い時期になると、近隣の家賃情報を根拠にした家賃値下げ圧力に悩まされることにつながります。

たとえ自分の購入したマンションに敷金・礼金が存在していたとしても、その近隣地域が敷金・礼金のない、いわゆる〝ゼロゼロ物件〟が多ければ、競争の原理からしていずれ敷金・礼金がなくなっていくと思っていたほうがよさそうです。

「私にはムリ!」と思い込んでいる人のための 不動産投資の基本
台場史貞(だいば・ふみさだ)
1958年、戌年生まれ。愛知県瀬戸市出身。血液型はAB。名古屋の理系大学卒業後、エンジニアとして就職するが、自分では回避できない理由が発生し、3度の転職をしながら4つの会社を渡り歩く波乱万丈のサラリーマン人生を経験。バブル期の前後、当時“財テク”と言われていた金融商品を中心に株式・金投資を交えて運用し、資金を確保。会社に依存しすぎた自分の経済状況から脱却すべく、2004年に安全性を重視した中古マンション投資を開始。現在、17戸のマンションを保有し、2016年に両親の入院を期にサラリーマンを早期退職。2012年には、税金対策を主目的として、妻を社長にしたサブリース会社を設立する。年間家賃収入は1,600万円、実質手取り100万円/月以上の不労所得を確保しながら、サラリーマンの不安定さと不労所得の重要性をセミナー等で語り、自身もさらなる不労所得の拡大をめざし活動中。不動産セミナーに170回以上登壇し、経験を活かして先輩投資家の1人として相談者を幸せに導くことをライフワークとして活動中。目先の大きな利益よりも安全性を重視した投資法を推進し、すべての相談者を成功に導く、楽しい不動産投資を最大の目標としている。卓球の上級スポーツ指導員の免許を持ち、中学生を中心に25年間指導に携わる。その間、モチベーションを維持する指導方法を展開し、公立中学校として全国大会出場を果たす。選手としても、10回の全国大会出場を経験。勝つためだけでなく、人間形成のための指導を根幹とする。モットーは、約束と時間は必ず守ること。家族は、妻と二人の息子の4人家族。根っからのハワイ好きで、月に手取り120万円の不労所得の確保と年間3カ月程度の海外長期滞在を夢見る。趣味は、卓球、SF映画鑑賞、ギター、カラオケ、鉛筆画。
台場史貞オフィシャルサイト http://www.f-daiba.jp/

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