本記事は、台場史貞氏の著書『「私にはムリ!」と思い込んでいる人のための 不動産投資の基本』(秀和システム)の中から一部を抜粋・編集しています

早くに始めてカシコク返済。不動産投資のたった1つのコツ

投資物件へのローン。繰り上げ返済するべき?
(画像=doucefleur/stock.adobe.com)

第二次大戦後、東京の焼け野原を購入していったのは、旧財閥系の企業でした。結局、財閥としては解体されたものの、その資産を元手に急成長していったのです。

この例に見るように、投資家としてチャンスを見定める〝肌感覚〟は、一般人とは異なります。世の中が弱気なときほど強めに行動する。そんな単純な動きだけでも、大きな効果につながります。

資産とキャッシュフローの拡大を図るチャンスを見逃さない

私が不動産投資で強めに出たのは、今までに2回あります。1991年のバブル崩壊後に不動産価格が最低レベルであった時期と、2008年のリーマンショック後に私自身のサラリーマンとしての給与が25%も大幅に減給されていたときです。

この2つの〝強気の姿勢〟は、今から思えば、私の不動産投資全体の利回りを押し上げる要因となっています。

不動産投資のサイクルは、おおよそ10〜15年の周期があります。その周期に対して不動産投資が便利なのは、借入金に頼る部分があることです。

まず株式やFXなどの金融投資では借入れができないので、大きなメリットになります。そして、不動産投資の周期によって、「今は購入時期でない」と感じたら、繰上げ返済をすることで、実質的な資産とキャッシュフローの拡大を図ることができるのです。

ただし、1件も保有していない人は、この方法を活用することができません。そういう意味も含めて、特に最初の物件はできるだけ早く購入し、自分の判断で買い増していくことをお勧めします。

たとえ借金で購入したとしても、返済後の収益というニンジンが目の前にぶら下がっていると、「生活のなかの余剰金があれば、繰上げ返済する」という流れが構築され、資産形成が進み、返済後は不動産投資家のレベルがワンランクアップします。

基本的な投資家の姿勢は、「支出を抑え、資産を生むものを購入していく」というごく単純な行動を繰り返すことなのです。

こんなタイプの人は、不動産投資家に向いていない

不動産投資を始めるときに感じる壁を乗り越える話をしてきましたが、ここで「壁を感じる必要のない人」、すなわちそもそも不動産投資に向いていない人はどんなタイプかを見ていきます。

正直なところ、その方々は別のところで壁を感じ、乗り越えることにチャレンジしたほうがいいでしょう。

努力不足、超慎重、知識溜め込み、言い訳先行、自己完結

(1)努力不足型

頭金を貯める努力もせず、とにかく楽をして簡単に収入を得たいと考えている人は、不動産投資家としては不向きだと思っています。ある一時期は、集中して資金確保に向けて努力することがどうしても必要です。

また、不動産投資はもちろん、どんなことも最低限の知識なしに簡単に儲かるものでもありません。

(2)超慎重型

どんな物件もすべての項目が100点満点ということはあり得ません。最終的に判断すべきことは、総合的に判断して儲かるかどうかです。慎重なことは大事ですが、慎重になりすぎてもいけないのです。

ユニットバスだからダメ、最寄り駅から徒歩10分を超えているからダメ、1階だからダメ、見た目が古いからダメ、利回りが悪いからダメ等々、細部ばかりを見てダメ出しを続けるのではなく、総合的に見て利益が確保できるかが重要です。

見た目がよくてピカピカであっても、入居者がつかない物件や利益を生まない物件は〝クズ〟と呼ぶほかないのです。最終判断は、利益を生んでくれる物件かどうか粗探しが得意で結局、何もしない人も不動産投資には向いていません。

(3)知識溜め込み型

いつまで経っても「勉強します」といった言葉を繰り返し、実践に移ろうとしない人は、結局のところ、資産形成が必ずと言ってもいいほど遅くなります。これはたとえて言うなら、スポーツの世界とよく似ています。

スポーツでは、ある程度の技術を身につけたら、継続して練習を続けながら、チーム内での紅白戦、次は対外練習試合を経て大会の本番に臨みます。練習ばかりを十分すぎるほど繰り返したとしても、いきなり本番の大会となると、結果を残せるはずがありません。

自分自身でリスクのコントロールができると判断したら、実践してみるしかないのです。その実践から生まれる知識量は、机上で得た知識と比べると、はるかに大きいことがわかるはずです。

不動産投資でも、知識を詰め込むだけのタイプの人がいきなり本番の舞台に上がると、知識と現実の違いに愕然としてうまくいきません。やはり〝模擬試験〟として、早い段階でとにかく始めてみることが大切なのです。

こういう人は投資の基本である「TIME IS MONEY」という考え方が欠如しています。知識も必要だけれども、時間はそれよりも重要なファクターです。

不動産投資で言えば、そのしくみをある程度理解するためには10年が必要です。ただし、不動産投資はしくみを十分に理解していないとしても、保有していれば家賃収入を生んでくれます。その家賃収入がローンの返済はもちろん、新たな不動産の購入資金にもなります。すなわち資産が〝自己増殖〟していくこともまた事実です。

初期段階で大きなミスさえしなければ、時間が解決してくれる部分も大きいと言えます。

(4)言い訳先行型

家族が反対するから、資金がないから、自信がないから、今は忙しいから……。

結局、それらの言い訳すべてが、これから克服していかなければならない壁なのです。できない理由があるから、やめるのではなく、どうしたら壁を乗り越えられるかをまず考え、先に進もうとする姿勢が必要です。

不動産投資で成功している人が世の中にたくさん存在しているという事実がある以上、また、お金持ちのほとんどすべてが不動産を資産に組み込んでいる以上、そこには正解があると考えたほうがよく、日本の法律も不動産に対して優遇を与えていることを理解すべきです。

(5)自己完結型

優秀な方に多いのかもしれませんが、自分1人だけの力で進めようとする人は、非常に危険ですし、結局、遠回りをすることになります。

中古のワンルーム1〜2戸程度なら、自分1人で進めても問題ないのかもしれません。しかし、投資金額が大きくなってくれば、自分のやり方がベストなのか確認し、軌道修正したほうがいい部分は必ず出てきます。

優秀な営業マンやメンターが見つけられれば、ベストです。そうでなくとも、不動産投資家の集まりへの参加や、仲間をつくることは、将来の資産形成の額やスピードによい影響を与えるのは間違いありません。

私から見ると、この仲間づくりなどの部分についてフットワークがよい人は、最も成功に近い人に思えます。表現は悪いかもしれませんが、周りの利用できる人は使い倒すくらいの行動力は投資家の必須条件です。ただし、相手に対しては、礼節は重んじ、好かれることも重要です。

5-1
(画像=『「私にはムリ!」と思い込んでいる人のための 不動産投資の基本』より)
「私にはムリ!」と思い込んでいる人のための 不動産投資の基本
台場史貞(だいば・ふみさだ)
1958年、戌年生まれ。愛知県瀬戸市出身。血液型はAB。名古屋の理系大学卒業後、エンジニアとして就職するが、自分では回避できない理由が発生し、3度の転職をしながら4つの会社を渡り歩く波乱万丈のサラリーマン人生を経験。バブル期の前後、当時“財テク”と言われていた金融商品を中心に株式・金投資を交えて運用し、資金を確保。会社に依存しすぎた自分の経済状況から脱却すべく、2004年に安全性を重視した中古マンション投資を開始。現在、17戸のマンションを保有し、2016年に両親の入院を期にサラリーマンを早期退職。2012年には、税金対策を主目的として、妻を社長にしたサブリース会社を設立する。年間家賃収入は1,600万円、実質手取り100万円/月以上の不労所得を確保しながら、サラリーマンの不安定さと不労所得の重要性をセミナー等で語り、自身もさらなる不労所得の拡大をめざし活動中。不動産セミナーに170回以上登壇し、経験を活かして先輩投資家の1人として相談者を幸せに導くことをライフワークとして活動中。目先の大きな利益よりも安全性を重視した投資法を推進し、すべての相談者を成功に導く、楽しい不動産投資を最大の目標としている。卓球の上級スポーツ指導員の免許を持ち、中学生を中心に25年間指導に携わる。その間、モチベーションを維持する指導方法を展開し、公立中学校として全国大会出場を果たす。選手としても、10回の全国大会出場を経験。勝つためだけでなく、人間形成のための指導を根幹とする。モットーは、約束と時間は必ず守ること。家族は、妻と二人の息子の4人家族。根っからのハワイ好きで、月に手取り120万円の不労所得の確保と年間3カ月程度の海外長期滞在を夢見る。趣味は、卓球、SF映画鑑賞、ギター、カラオケ、鉛筆画。
台場史貞オフィシャルサイト http://www.f-daiba.jp/

※画像をクリックするとAmazonに飛びます
ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)