株主優待を目的に株式投資を始めた人も多いでしょう。なかでも昭和の時代から人気があるのが映画を鑑賞できる株主優待です。映画会社や興行会社の株主になると年間どれくらい映画を鑑賞できるのでしょうか。本記事では、最新の映画を鑑賞できる株主優待を紹介します。

映画を鑑賞できる株主優待とは

夫婦のレジャーに最適!最新版の映画を鑑賞できる株主優待を紹介
(画像=SydaProductions/stock.adobe.com)

映画を鑑賞できる株主優待を実施しているのは、東映・東宝・松竹の大手映画会社のほかに、映画館を持つ興行会社などです。株主になると保有株数によって指定の本数の映画を無料で鑑賞することができます。

映画優待実施企業の株式を権利確定までに購入して保有すると、多くの場合、事業報告書に同封して映画館の招待券または優待カードが送付されます。株主優待の実施は年2回実施する会社が多いです。

映画優待は映画会社や興行会社のほかに、出版社やスーパーなど一見しただけでは気付かない業種の会社が実施している場合もあります。

映画会社にもメリットがある株主優待

株主優待を実施することは映画会社や興行会社にもメリットがあります。映画館というのは空間ビジネスの一種です。座席数1,000席の映画館の場合、観客が500人でも1,000人(満席)でも人件費や光熱費などのランニングコストは同じです。そのため、無料招待の観客であっても空席を埋めてくれたほうがよいのです。

入場料自体はゼロであっても売店で飲料や軽食を購入したり、映画のパンフレットを購入したりしてくれるため、映画館側としても副収入になります。また、招待券や優待カードは事業報告書に同封すればよいので送料コストもかかりません。昭和の時代からどのような不況下でも映画会社が株主優待を続けてきたのは、そのようなメリットがあるためと考えられます。

最新版の映画を鑑賞できる株主優待一覧

2022年10月12日現在で映画を鑑賞できる株主優待を実施している代表的な銘柄を紹介します。配当金は今期予想配当(SBI証券公式サイトに記載の予想配当)、株価は2022年10月12日終値です。配当金欄の-は無配を表します。

銘柄・コード優待内容1株配当金配当利回り株価
東映
(9605)

権利月:3月、9月
100株以上 優待券6枚綴り1冊
200株以上 同2冊
400株以上 同4冊
700株以上 同6冊
1,300株以上 同8冊
2,000株以上 同10冊
4,000株以上 同20冊
6,000株以上 同30冊
60円0.34%17,700円
東宝
(9602)


権利月:2月、8月
100株以上 招待券1枚
500株以上 同3枚
1,000株以上 同5枚
2,000株以上 同10枚
3,000株以上 同15枚
5,000株以上 同18枚
1万株以上 同20枚、演劇招待券1公演S席相当2席分
50~55円0.98%5,080円
松竹
(9601)

権利月:2月、8月
100株以上 80ポイント(10ポイントで1本鑑賞可能)※新宿ピカデリーのみ20ポイントで1本鑑賞可能
200株以上 160ポイント
300株以上 200ポイント
500株以上 280ポイント
800株以上 400ポイント
1,000株以上 480ポイント
30円0.26%11,740円
東京テアトル
(9633)

権利月:3月、9月
100株以上 招待券4枚
200株以上 同8枚
300株以上 同12枚
400株以上 同16枚
500株以上 同20枚
1,000株以上 同32枚
2,000株以上 同48枚
10円0.89%1,129円
武蔵野興業
(9635)

権利月:3月、9月
100株以上 無料優待券4枚、割引優待券8枚
200株以上 無料優待券8枚、割引優待券16枚
300株以上 無料優待券12枚、割引優待券24枚
500株以上 個人通用株主優待証
800株以上 同伴1名通用株主優待証
1,000株以上 同伴2名通用株主優待証
2,075円
東京楽天地
(8842)

権利月:1月、7月
100株以上 0.5シート(1シートで6本鑑賞)
200株以上 1シート
300株以上 1.5シート
400株以上 2シート
500株以上 2.5シート
1,000株以上 5シート
3,000株以上 6シート
1万株以上 12シート
※入場には株主カードが必要
60円1.47%4,070円
きんえい
(9636)

権利月:1月、7月
75株以上 6回鑑賞(毎月1回)
150株以上 12回鑑賞(毎月2回)
300株以上 24回鑑賞(毎月4回)
450株以上 36回鑑賞(毎月6回)
750株以上 60回鑑賞(毎月10回)
1,050株以上 84回鑑賞(毎月14回)
※入場には株主カードが必要
10円0.31%3,180円
オーエス
(9637)

権利月:1月、7月
100株以上 60ポイント
200株以上 140ポイント
400株以上 200ポイント
600株以上 260ポイント
800株以上 380ポイント
1,600株以上 560ポイント
100株以上 飲食優待10%割引券5枚
※入場には株主カードが必要。鑑賞できる本数は映画館によって異なる
25円0.82%3,045円
中日本興業
(9643)

権利月:3月、9月
100株以上 映画10枚+カフェ2枚
200株以上 映画20枚+カフェ4枚
300株以上 映画30枚+カフェ6枚
400株以上 映画40枚+カフェ8枚
500株以上 映画50枚+カフェ10枚
1,000株以上 映画80枚+カフェ16

2,000株以上 映画100枚+カフェ20枚
4,000株以上 映画150枚+カフェ30枚
60円0.61%9,810円※
スバル興業
(9632)

権利月:1月
100株以上 TOHOシネマズギフトカード2,000円分
200株以上 同3,000円分
300株以上 同4,000円分
260~360円2.92%8,900円
KADOKAWA
(9468)

権利月:3月
選択式株主優待のなかにムビチケ1枚(100株以上かつ3年以上保有)、ムビチケ2枚(300株以上かつ5年以上)の優待あり30円1.14%2,633円
ぴあ
(4337)

権利月:3月
選択式株主優待のなかにオリジナルシネマギフトカード(100株以上2,500円分、1,000株以上5,500円分)の優待あり3,335円
イオン
(8267)

権利月:2月、8月
100株以上 オーナーズカード提示でイオンシネマに大人1,000円、高校生以下800円で入場可。オーナーズカード1枚につきポップコーンまたはドリンクの引換券を1枚贈呈。36円1.28%2,802円
TBSホールディングス(9401)

権利月:3月
1,000株以上 自社出資映画にペアで招待(抽選)40円2.55%1,570円
※中日本興業の株価は2022年10月6日終値

長い間株主優待を実施してきた東急レクリエーションは、2022年12月権利確定分で株主優待を廃止します。東急レクリエーションが東急の完全子会社になり、上場廃止となるのが理由です。

映画優待に関しては親会社東急の株主優待の一部として引き継がれ、2023年3月末の株主に対し、500株以上保有の場合1,000円で映画を鑑賞できる優待が追加されます。

株価が割高である点に注意が必要

映画の株主優待を目的に投資する場合に注意したいのが、株価が割高である点です。上表のうち配当利回りが1%以下の銘柄が9銘柄(うち2社は無配)もあります。

無配の2社の株価は武蔵野興業が2,075円、ぴあが3,335円と高水準に買われています。株価が割安・割高を判断する指標であるPER(株価収益率)も大手3社で見ると、東映が19.97倍、東宝が28.49倍、松竹が21.5倍と平均的な数値よりは割高になっています。

もっとも、映画会社や興行会社の株式を購入する人は株主優待が目的で購入する場合が多いため、映画の招待券を入場料に換算すれば配当金+株主優待の総合利回りは高くなります。配当利回りの低さは気にならないかもしれません。

夫婦で株主になれば優待券が2倍でエンタメライフが充実する

映画優待を獲得するには東映、松竹の場合は100株でも100万円以上、東宝は50万円以上の資金が必要であり、少しでも有効に資金を活かすには工夫も必要です。

映画が好きな夫婦がなるべく多くの本数を鑑賞するには、夫婦別名義で株主になる方法があります。例えば、100株で招待券が1枚、500株なら3枚もらえる優待の場合、200株保有していたとしても1枚しか支給されません。この場合夫婦がそれぞれ100株ずつ購入すれば2倍の優待券がもらえることになります。

家族全員で優待を受けるにはかなりの資金が必要になるので、夫婦のレジャーに最適といえるでしょう。
夫婦別名義で映画優待株を保有し、エンタメライフの充実を目指してみてはいかがでしょうか。

※本記事は2022年10月12日現在の情報を基に構成しています。株主優待の内容は変更になる場合があります。投資の際は実施企業のホームページ等で最新の優待内容をご確認ください。

(提供:Incomepress



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