本記事は、望月俊孝氏の著書『借金6000万円から復活した僕だから伝えられる 心のお金持ちになる教科書』(ポプラ社)の中から一部を抜粋・編集しています
あらゆることが上手くいく魔法の言葉
「私には素晴らしい価値がある」
試しに口にしてみてください。最初は気恥ずかしいかもしれません。抵抗があるかもしれません。
でも、この一言を心から言えたとき、人生は100%好転します。
僕の研修・講演・書籍・個人相談、いずれの場合もゴールはこの一言にたどりつくと言ってもよいでしょう。
「本当に?」と思うかもしれませんね。でも、こんな研究結果があるのです。
2019年、イギリスの名門ロンドン大学(UCL)のアンドリュー・ステップトー教授らが、大規模な調査を行いました。参加者は7304人、4年もの歳月をかけて実施されたものです※8。
※8:Andrew Steptoe and Daisy Fancourt(2019)Leading a meaningful life at older ages and its relationship with social engagement, prosperity, health, biology, and time use. Proceedings of the National Academy of Sciences 116(4):201814723
その調査では、まず参加者に自分の人生を10段階で評価してもらいます。
自分の人生を迷うことなく高く評価する(=私には素晴らしい価値があると認める)なら10、あまり評価しない(=私には素晴らしい価値があると認められない)なら、その度合いによって1とか5といった段階で回答します。
回答はあくまで主観によるものなので、同じ数字を答えていても実際の豊かさや生活の充実度などはさまざまです。
あなたなら、自分の人生にどんな評価をつけるでしょうか? その後、参加者たちの生活の変化を調べて明らかになったのは、次のようなことでした。
(1)年収や資産が増え続けていた
自分の人生の価値を高く評価した人たちは、その多くが65歳以上になっても仕事を続けていました。そして、調査期間の中で資産や収入を増やしていました。
研究チームはこのようにレポートしています。
「自分に価値がある、と思うことと資産と収入の間には、正の関連性がある」
つまり、「自分に価値がある」と思えば思うほど、資産と収入は増えていくのです。
(2)積極的に社会とつながっていた
自分の人生の価値を高く評価した人たちは、低く評価した人たちと比べると、友人と頻繁に連絡を取るなど、積極的に社会とつながっていました。また、離婚率も低く、孤独になることなく暮らしていました。
一方、自分の人生を低く評価していた人は、高く評価していた人の2倍もの孤独な時間を過ごしていました。
(3)健康にも恵まれていた
自分の人生の価値を高く評価した人たちは、低く評価した人たちよりもあらゆる面で健康であることもわかりました。例えば、血液検査や歩行速度の調査の結果が良好でした。逆に、自分の人生の評価が低い人は高い人に比べ、うつになる可能性が2倍以上あり、慢性的な痛みを発症する可能性も高くなっていました。
つまり、自分の価値を認められない人は、病気を患いやすく、それによってさらに自分の人生を肯定できなくなるおそれがあるのです。
自分の人生が実際に今どんな状態にあるのか──。
実は、それはあまり重要ではありません。
そうではなくて、自分自身がいかに今の人生を高く価値しているか──。
その自分で下した評価が、その後の「仕事」「人間関係」「健康」を左右するのです。
ポジティブ・シンキング以上に自分の価値を感じる方法
そんなことを言われても、なかなか自分に素晴らしい価値があるとは思えない……。そんな人におすすめの方法があります。
最も自分の価値を感じられる方法、それは「感謝」です。
感謝には魔法の力が備わっています。自分の持っているもの、関わっているものに感謝しましょう。すると「感謝増幅の法則」が働くのがわかることでしょう。
(1)感謝すればするほど、感謝したいことが増えていく
あなたが誰かに感謝し「ありがとう」と心を込めて伝えると、その人は嬉しくなって、あなたにますます何かしてあげたくなります。その結果、感謝したいことや現象がどんどん増えていくのです。
日本一の個人投資家として活躍された竹田和平さんは「言葉は気であり、波動でもありますから、ありがとうという感謝の気持ちは周囲にも伝染して、人を楽しい心、明るい思いにさせます。すると周囲からも、ありがとうという言葉とともにきれいな思い、美しい心が返ってくる」とおっしゃり、「ありがとう」を繰り返し唱えることが豊かさに導いてくれる鍵だと語られていました。
(2)感謝すればするほど、幸せが増えていく
今与えられているもの、手にしているものに感謝することで、喜びや幸せが広がってきます。すると、その波動が次のより大きな喜びや幸せを引き寄せ、幸せの雪だるま現象が起きてきます。すべての人・もの・こと・現象・体験に「ありがとう」と感謝できるようになることは幸福の永久パスポートを得たようなものです。
「ありがとう」についての日本有数の研究者で、実践者でもある清水英雄先生は「幸せだから感謝するのではない、感謝をしているから幸せなのだ」と述べられています。
(3)感謝すればするほど、感謝したそのものが増えていく
お金に感謝しているとお金が増えてきます。豊かさに感謝していると豊かさが増えてきます。アイデアに感謝するとどんどんアイデアがわいてきます。
ジョン・レノンは、音楽を天からの授かりものと考え、良い作品が思い浮かぶと必ず天に向かって「ありがとう、ありがとう」と呟いていたそうです(音楽評論家・湯川れい子さん談)。
(4)感謝すればするほど、価値が上がっていく
お金も不動産や株式なども富であり、豊かさの象徴ですが、太陽、空気、水、自然物、そして私たちの人生を彩ってくれる便利なものなど、あらゆるものが富であり、豊かさです。その恩恵を感謝と共に受け取り、実感して活用している人が豊かな人です。いくらお金を持っていても、力を持っていても、その恩恵に感謝することなく生きている人は決して豊かな人とは言えないでしょう。
あなたが自分の周りにあるものに感謝すればするほど、あなた自身が生み出した物事や体験にも感謝し、価値を感じることができるようになるでしょう。そして、宇宙と共にこのような素晴らしい人生を創造した自分にも、価値を感じることができるようになってきます。
世界中の覚者が「感謝」の大切さを説いています。
それは感謝が僕たちの現実を大きく動かすからです。
感謝の量を増やして〝感謝神経〟を鍛えよう
僕たち人間は幼い頃から、恐怖や痛みを避けることを本能的に学んでいます。それが生きていくには絶対不可欠なことだからです。
その結果、恐怖や痛みにとても敏感になるのです。
視聴数を競うメディアはそこに目をつけ、「怖れ」や「不安」を煽っているように見えることもあります。その洪水の中にいると、僕たちはどこか「被害者意識」を持ち、感謝どころではなくなってしまいますよね。
そこで必要なのが、反射神経ならぬ〝感謝神経〟を鍛えるトレーニングです。
僕は、どんなことにもその価値を認め、瞬時に(反射的に)感謝できる感性を〝感謝神経〟と呼んでいます。この感謝神経を磨き育てることが、幸せと豊かさへの第一歩であり、最初の扉を開く鍵となります。
それは、難しいことではありません。「知識」ではなく「意識」の問題です。
感謝はスポットライトに似ています。普段「当たり前」と思っていたものや「忘れていた」部分に光を当てることで、その存在の大切さを思い出すだけでいいのです。
それはとても有意義で、癒しを感じる時間になるはずです。
まずは今のあなたが「当たり前」と思っている部分に、感謝の光を当てていきましょう。
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