この記事は2022年12月9日(金)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Vitoria Holdings LLC/stock.adobe.com)

2022年12月9日(金)の午前9時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週の米ドル/円は懸念した以上に神経質に乱高下。調整局面入しているため当面136.00円の±2円程度での「もみ合い相場」が続きそう。

一方、中国の李克強首相は6つの主要国際機関のトップと会談し、新型コロナ政策を変更しているため、中国経済は「加速し続ける」との見通しを示したようだ。「人民元については基本的に安定を保つ」、加えて「発展途上国の債務再編計画の取りまとめに向けてG20と協力していく」とも表明。

関係者によると、中国当局は来週15日(木)に開幕する中央経済工作会議で不動産政策のスタンスをさらに軟化させる可能性があるとのこと。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米国株市場に上場しているマカオのカジノ株が上昇。結果、豪ドル/円やNZドル/円が底堅く推移している。注目はNZドル/円。金利先物市場では来年(2023年)の夏ごろには、RBNZのターミナルレートが5.50%程度まで引き上げられることが織り込まれ始めている。

ANZ銀行(オーストラリア・ニュージーランド銀行)のチーフエコノミストによれば、来年ターミナルレートが5.75%まで引き上げられるとの予測もあり、これは主要国の中で最も高いターミナルレートとなる。

こうしたターミナルレートの引き上げ予測が拡大するとともにNZドル/円も底堅く推移。NZドル/円は長期に渡って、88.00円付近が強烈なレジスタンスラインになっているが、RBNZの連続利上げもあり、下値が徐々に切り上がってきている。仮にレジスタンスである88.00円をブレイクすれば、NZドル/円は95円レベルまで急騰するのではないかと想定。

中央銀行の多くで政策金利の利上げ停止が話題になっている中で、RBNZはターミナルレートが5.50~5.75%まで引き上げられることが予測されている。95円に向けて上昇するNZドル/円に注目。

▽NZドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。